書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
予言獣大図鑑
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年12月8日
- 書店発売日
- 2023年12月6日
- 登録日
- 2023年11月6日
- 最終更新日
- 2023年12月6日
紹介
ユルく、愛らしく、謎な獣たち! 予言獣はこんなにいた!
150点以上の資料を収めた、本邦初の予言獣大図鑑。
予言獣を再定義し、十二系統に分類。それぞれの名称・別名・収載資料名・所蔵機関・資料形態・予言獣出現日・図版・翻刻・現代語訳を収録。図書館司書・アーキビストである長野栄俊が蒐集してきた資料をもとに編んだものである。
クダン研究を牽引する〝クダニスト〟笹方政紀、小説家であり〝フォークロア・コレクター〟でもある峰守ひろかず、わが国屈指の〝予言獣ハンター〟岩間理紀も加わり、全力で予言獣を追うテキストも収載。
「四人でコツコツ蒐集した資料や事例は、独り占めするのではなく、多くの方と共有したい。そんな思いで作った本書をぜひとも楽しんでほしい。ようこそ、予言獣の世界へ!」
【予言獣の多くは、非合法の印刷物=かわら版として即席に印刷されたものであり、またはそれらを絵心のない素人が転写したものも多くある。したがって、石燕や国芳、水木の妖怪画との間には絵としての完成度に雲泥の差がある。それでも、庶民がさまざまな思いで描いたこれらの図像には、何とも言えない妙味がある。まずは、ページをパラパラめくり、ユルかったり、愛らしかったり、謎だったりする予言獣の姿形を眺めてみてほしい。】……「はじめに」より
目次
はじめに―ようこそ、予言獣の世界へ!―●長野栄俊
序章 「予言獣」とは何ものか?─研究史の整理と再定義─●長野栄俊
一 「予言獣」研究
二 メディア史研究からみた予言獣
三 コロナ禍以降の研究動向
四 「予言獣」の再定義
[コラム]かわら版と予言獣●長野栄俊
第一部 予言獣資料図鑑●長野栄俊
凡例
第一「神社姫・姫魚」系
[巨体に輝く宝珠と剣 海より来たる最古の予言獣──]
[解説] 神の姫/八幡宮の神主娘さと/神池姫/姫魚/神社姫(ヘン魚)/神社姫/姫魚/姫魚/肥前国平戸浜より上る神/姫魚/神社姫/神社姫/神社姫/神社姫/神社姫/姫魚/姫魚/姫魚/(参考)姫魚/龍宮の使/(参考)神社姫/(参考)神虵魚/奇魚/異魚/肥後国熊本珍ら敷もの/人魚/(参考)姫魚/熊本の神主山本氏の娘/大神社姫(化魚)/龍神の使(人魚)/(参考)神蛇姫/龍宮之使(異物)/女魚/肥後国熊本海中より上るめづら敷もの/(参考)神蝮媛/(参考)蛇媛/竹駒大明神之神主の娘/竹駒大明神の神主の娘/竹駒大明神の神主の娘/肥後国の神主娘
[コラム]予言獣フィギュア、いずこに? ●岩間理紀
第二「件(クダン)」系
[仍って件の如し 人面牛身の短命予言獣]
[解説] (参考)件/(参考)件/(参考)件/(参考)件/(参考)件/件獣
第三「くたべ」系
[地獄と浄土が併存する 霊峰に現れた黒い体の人面獣 ]
[解説] くたべ/クタヘ/くたべ/人獣/どだく(とたく)/クダベ(山精)/ぐだべ/くだべ/クタヘ/〓(亻+久+田)〓(犭+部)(くたべ)/スカ屁(すかべ)
[コラム]転写する予言獣 ●笹方政紀
第四「奇鳥」系
[悪星接近中! 伊勢神宮を照らす金色の鳥]
[解説] 奇鳥/奇鳥/金色の奇鳥/金色奇鳥
第五「双頭烏」系
[死の国熊野より霊峰白山へ ヨゲンを届ける両頭のカラス]
[解説] 双頭の烏/双頭烏/両頭白首の烏/(参考)両頭之烏/両頭の烏/熊野権現の使/両頭の烏/両頭之雁/両頭の烏/(参考)両頭烏之絵摺立御仕置/ヨゲンノトリ(御神武の烏)/両頭の鳥/(参考)両頭ノ烏/熊野大権現神霊の烏/白山両頭烏/両頭烏/両頭の烏
第六「異鳥」系
[どこから来てどこへ行くのか 群集の前に舞い降りた謎の鳥]
[解説] 万福豊年鳥/異鳥/異鳥/豊年鳥/異鳥
[コラム]謎の地名「真字郡(真重郡)」 ●長野栄俊
第七「アマビコ」系
[ビコからビエ、ヒユまで ブームを呼んだ三足の異形]
[解説] (参考)穴彦/あま彦/あま彦/あま彦/アマビコ/雨彦(あまひこ)/雨彦(あま彦)/雨彦/海彦(アマヒコ)/あま彦/(参考)「山彦」/(参考)アマビヱ/アマヒユ/天日子尊/尼彦/尼彦/尼彦/尼彦入道/尼彦入道(海神)/(参考)天彦入道/左立領/天彦大神(天彦神)/天彦/あま彦/絵尼彦/鈴厄彦/尼彦入道/(参考)三本足の猿の像・老人の面に鳥の足の付いたゑたいの分らぬ絵/(参考)人面鳥形十足のもの・猿面三足のもの/(参考)三本足の猿/(参考)面ハ人にて体ハ鳥の形にて十足あるもの・猿の三足あるもの/尼彦/尾彦/(参考)阿磨比古
[コラム]新聞記者と予言獣 ●岩間理紀
第八「山童」系
[山中に現れる三本足の獣人]
[解説] 化物/山童/(参考)あま彦(異本)/(参考)あま彦(異本)/神霊
第九「蜑人」系
[アマビコ? いいえアマビトです バリエーション豊かな姿に注目]
[解説] 海土/蟹人/人魚/人貝/海出人/人貝/海中に住む人/蜑人/海土人/蜑人/かいし人/海中にすむ人/亀女
[コラム]「ヨゲンノトリ」繁盛記 ●峰守ひろかず
第十「きたいの童子」系
[人か鬼神か 神田明神に現れた不思議な童子]
[解説] きたいの童子/(参考)妻恋稲荷大明神/(参考)産子/(参考)きたいの童子/(参考)きたいの童子/奇稀の童子
第十一「豊後国に出で候もの」系
[童か女か、はたまた文字絵か 詳細不明の謎の予言者]
[解説] 豊後国へ出申す者/豊後国へ出候もの/(参考)豊後の国にあらわれしもの/豊後国へ出申候者
第十二 その他
[解説] 形は飛龍のごとく顔は蟒蛇のごとし(恐山の予言獣)/(参考)戸隠山の霊怪/人間にもあらず魚にもあらず(備後のおじさん)/霊鳥/あやしき鬼人(海神の仕)/比叡山に怪しげな光/アリエ/アリエ/天狗
[コラム]アマビエ=変容する妖怪? ●峰守ひろかず
第二部 予言獣論
件(クダン)の予言●笹方政紀
はじめに
一 予言をしないクダン
二 予言をし始めたクダン
三 吉兆と予言のクダン
四 農村部に広がる予言
五 農村部から広がる予言
六 予言の変容
七 戦時の予言
まとめにかえて
予言から疫病退散へ
─刊行物・報道から見るアマビエの属性の変質と定着─●峰守ひろかず
はじめに
一 コロナ禍以前のアマビエ(1)─予言する幻獣「予言獣」─
二 コロナ禍以前のアマビエ(2)─神に近い人魚型妖怪─
三 コロナ禍のアマビエの流行と変質
四 流行後のアマビエの姿
五 新聞報道に見るアマビエの変質過程
おわりに
「予言獣の探し方」メモランダム
─記者のデジタル利活用の事例から─●岩間理紀
はじめに
一 予言獣探し・ケーススタディ─「海彦」と「備後の予言獣」を通して─
二 予言獣探し・実践編─デジタル利活用と近所の文書館のすすめ─
むすびに代えて 調査中間報告
繰り返す人魚の流行●笹方政紀
一 文政二年の神社姫など
二 文化二年の悪魚など
三 宝暦九年の龍魚などと宝暦七年の人魚
四 繰り返す人魚の流行
五 流行正月における予言
付表 繰り返す人魚の一覧
あとがき
参考文献
資料図版出典/掲載文献
編者・著者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。