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日本の〈メロドラマ〉映画
撮影所時代のジャンルと作品
- 初版年月日
- 2021年2月
- 書店発売日
- 2021年2月26日
- 登録日
- 2021年2月8日
- 最終更新日
- 2021年2月8日
書評掲載情報
2021-12-25 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 川崎賢子(文芸評論家) |
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紹介
ローカル・ジャンルとしての〈メロドラマ〉
戦前・戦後を通じて国民的人気のあった日本映画のジャンル〈メロドラマ〉は、どのように成立し、どこへ行ってしまったのか。
『愛染かつら』『君の名は』をはじめ、スタジオ・システムのなかで量産されていた作品を分析し、現代のフィルム・スタディーズにおける概念を参照しながら、日本的〈メロドラマ〉の歴史的・文化的特殊性を浮かび上がらせる。
目次
序論 日本映画における〈メロドラマ〉の発掘
1 なつかしの面影
2 メロドラマ映画研究の現在──標準化された概念の明と暗
3 ローカル・ジャンルと範例的作品──本書の対象と理論的背景
4 〈メロドラマ〉からメロドラマを再考する──構成と要旨
第一章 プロトタイプ・メロドラマ 批評用語から映画ジャンルへ
1 『愛染かつら』の神話から〈メロドラマ〉の歴史化に向けて
2 「メロドラマ」の映画言説への浸透
3 日本映画を対象とする「メロドラマ」批評の実践
4 プロトタイプとしての「松竹大船調メロドラマ」の誕生──「もっとメロドラマティックに」
5 〈メロドラマ〉の停滞、そして復活へ──戦中・戦後
第二章 『新道』(一九三六) 転覆的な女性映画
1 女性映画として読む──モダンガールの誘惑とまなざし
2 受難と天罰──死のモンタージュという過剰
3 「女性的男性」としての上原謙のスター・イメージ
4 折衝する視覚的快楽と道徳規範
第三章 すれ違い映画 戦後大衆文化のファンタジー
1 「戦後最大のメロドラマ」──『君の名は』とその影響
2 『君の名は』の模造品たち
3 映画・ラジオ・週刊誌の連携
4 ロマンティックな帝国、植民地としての異国
5 階級論争から「通俗」言説へ
第四章 映画『君の名は』三部作(一九五三─一九五四) 欲望と道徳のマゾヒスティック・メロドラマ
1 通俗的で感傷的なものの再評価に向けて
2 結びつきの絶対的宙吊りとしての「すれ違い」
3 「倒れること」と「待つこと」
4 夢と現実のパラドクス
5 「虚脱」という現実
6 「すれ違い」の超越的な力
第五章 文芸メロドラマ 「よろめき」ブームと〈メロドラマ〉の新しい波
1 女性向け文芸映画の流行
2 中間小説と文芸映画
3 よろめきブームとジャンルの成熟
4 松竹女性映画の変容
5 モラル・パニックと男性観客性
6 『妻は告白する』(一九六一)──例外的な文芸メロドラマとして
第六章 『猟銃』(一九六一) 権力と背信の洗練されたファミリー・メロドラマ
1 文芸メロドラマとハリウッド・ファミリー・メロドラマ
2 権力の表象とその主題化
3 「壺」と「銃」
4 イデオロギー的矛盾と批評言説
5 サーク的スタイル、あるいは五所的スタイル
第七章 リバイバル・メロドラマ 〈メロドラマ〉の復活と斜陽
1 〈メロドラマ〉のリメイクの流行
2 再映画化ブーム(一九五四─一九六〇)──「メロドラマ復活の波」
3 リバイバル・ブーム(一九六二~一九六七)──メディア循環的なジャンルへの変容
4 ゴシップの快楽──『三百六十五夜』(一九六二)の場合
第八章 『続・愛染かつら』(一九六二) 自己言及的でグロテスクなバックステージ・メロドラマ
1 『愛染かつら』四度目のリメイク
2 再現とアップデート──すれ違うオリジナルとリメイク
3 バックステージ・メロドラマとして読む
4 自己言及性と不可逆性
5 グロテスク美とリバイバルの不可逆性──ジャンルの死としての再生
結論 〈メロドラマ〉映画の身体
1 〈メロドラマ〉の歴史化──日本映画史と女性映画
2 ローカル・ジャンルからクラスター・ジャンルへ
3 日本映画とメロドラマの現在──〈メロドラマ〉はどこへ行ったか?
上記内容は本書刊行時のものです。