書店員向け情報 HELP
植物の多次元コミュニケーションダイナミクス
分子メカニズムから農業応用の可能性まで
- 初版年月日
- 2025年2月16日
- 書店発売日
- 2025年2月6日
- 登録日
- 2025年1月20日
- 最終更新日
- 2025年2月2日
紹介
◆植物が見せるさまざまな生存戦略、多次元コミュニケーション(植物-植物間、植物-動物間、植物-菌類間、植物-微生物間)の驚きの仕組みを包括的に詳解した、本邦初の専門書!
◆未来のエコシステムに向けた農業応用の可能性も検証する!
静かに生きているように見える植物、実は生存戦略のために揮発性物質や超音波、電気信号などを発して情報伝達を行っていることが近年研究で明らかになりつつあり、世界中で注目を浴びている。
本書は、昆虫や微生物など他の生き物や地上⇔地下界など、ヒトには捉えきれない様々な垣根を超える植物のダイナミックな多次元コミュニケーションと、その知られざる相互作用の能力に関する最新研究を包括した、国内では初めての専門書である。
応用が期待される農業分野での最新知見も掲載、植物や生態学をはじめ、農業や農作物、園芸、農薬、堆肥、種苗、食品や青果物などに関わる方、ほか植物同士や植物とその他の生き物との関係に興味関心のある全ての方に。
【主な目次】
第1章 揮発性物質が媒介する地上部植物間コミュニケーション
第2章 地下部における植物間コミュニケーション
第3章 植物-動物間における相互作用
第4章 植物-微生物間の情報・相互作用ネットワーク
第5章 植物の多次元コミュニケーション力を支える分子メカニズム
第6章 植物の多次元コミュニケーション力の農業への応用
目次
第1章 揮発性物質が媒介する地上部植物間コミュニケーション
第1節 地上部植物間コミュニケーションとその特性
第2節 みどりの香りと植物間コミュニケーション
第3節 揮発性物質を介した植物間コミュニケーションの野外実証
第4節 森林における植物間コミュニケーション
第5節 植物の匂いを用いた血縁認識
第6節 植物間コミュニケーションが節足動物群集に与える影響
第2章 地下部における植物間コミュニケーション
第1節 地下部のコミュニケーションの多様性と機能
第2節 地下茎で繋がるラメット間コミュニケーション
第3節 ストリゴラクトンを介した隣接植物間のコミュニケーション
第4節 森林生態系における土壌微生物のネットワーク
第5節 雨後のキノコの電気的な会話を測定する
第3章 植物-動物間における相互作用
第1節 天敵が利用する植物由来の情報
第2節 植物と捕食性天敵間の相互作用
第3節 情報・相互作用ネットワークの多様性と可塑性をもたらす天敵昆虫類の学習能力
第4節 植物株上で繰り広げられる複雑な情報・相互作用ネットワーク
第5節 虫をだます花の適応放散
第6節 蜜や花粉を食べる動物と被子植物が織りなす送粉共生系~「花はよろず屋」という視点から考える
第7節 異端の花たち:まだ見ぬ植物と送粉者の相互作用
第8節 絶対送粉共生系における花の匂いの役割
第9節 虫瘤と植物
第4章 植物-微生物間の情報・相互作用ネットワーク
第1節 ダイズイソフラボンの根圏への分泌機構と生物間相互作用における役割
第2節 植物-微生物相互作用における揮発性低分子化合物の働き
第3節 地球規模での炭素循環に貢献する葉圏C1微生物-植物間相互作用
第4節 マメ科植物-根粒菌における共生系とその進化
第5節 微生物感染情報と栄養環境情報に基づく植物免疫の制御
第5章 植物の多次元コミュニケーション力を支える分子メカニズム
第1節 植物が食害誘導的に揮発性物質を生産するメカニズム
第2節 植物は大気中の揮発性物質を配糖化する
第3節 植物の揮発性化合物の受容と応答-カリオフィレンを例に
第4節 揮発性物質を介した植物間コミュニケーションの可視化
第6章 植物の多次元コミュニケーション力の農業への応用
第1節 植物のコミュニケーション力を活かした揮発性バイオスティミュラントの開発
第2節 植物が放出する天敵誘引物質による害虫管理の可能性
第3節 草刈りのかおりで作物の生産性の向上
第4説 天敵類の保護・強化等に有効な補助植物の活用
第5節 植物ホルモン処理による植物と昆虫のコミュニケーションの強化
第6節 花の香りでハナバチの受粉効率をアップする
上記内容は本書刊行時のものです。