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数の辞典
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2024年8月9日
- 登録日
- 2024年6月14日
- 最終更新日
- 2024年11月26日
紹介
【書籍紹介文】
いざ、目に見えない「数」の世界へ!
現代では「数」を見ない日はありません。朝起きたら時計を見て、昼食を買ったら支払金額を確認し、平均体重や平均年収の話題に一喜一憂し、暗証番号を入力してショッピングを楽しみ、「予測できない」スポーツの試合に胸を熱くします。
辞典シリーズ第12弾では、自然物から離れ、人間の営みともいえる「数」の世界に迫ります。0や1などの数字から、正負の数、三角関数、微分・積分、非ユークリッド幾何学、コンピュータ、現代の未解決問題に至るまで、私たちの生活をかげひなたに支える「数」にまつわる221項目を、小さな辞典にまとめました。
・学校で習ったけど忘れてしまった数学用語-「平方根」「関数」「虚数」など
・考えれば考えるほど不思議な数の概念-「0」「無限」「次元」「パラドックス」など
・耳にしたことのある言葉-「ベクトル」「指数関数」「アルゴリズム」など
・知ると面白い数学の知識-「ヒルベルトのホテル」「モンティ・ホール問題」など
数学をまなぶ楽しみは、数学者だけでなく、私たち1人1人にあります。「サワ☆博士の数楽たいそう」を主宰する数々(かずかず)企画代表・澤宏司さんの面白く、ときに考えさせられる解説と、グラフィックデザイナー・廣﨑遼太朗さんのウィットに富んだ挿絵も見どころです。一読してわからない項目も、少しだけ背伸びをして新しい知識に触れてみると、時間を経て、ひらめく瞬間が訪れるかもしれません。気になった項目は、より専門的な数学本へと歩みを進めてみてください。
先史時代から現代へと大まかに数学史をたどる構成。数学史/数学者に関する豆知識、関連語の掲載、数学をさまざまな視点で眺める章末コラム4編も収録。
★本書の324ページに登場するウサギのイラストは、あるルールに従ってページからページへとジャンプしていきます。ウサギのあとを追ってみると…?
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「数とは何か」の整備、発展は今も続いている。木の実を数えるところから始まった数は、現代においてそこから大きく離れ、それゆえに応用の先が広がった。「1個のリンゴ」は目に見え、よって絵に描けるが、「1」そのものの絵は観たことがない。これが数のもつ役割と宿命である。(「はじめに」より)
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目次
はじめに
Chapter1 先史時代
Chapter2 古代
Chapter3 中近世・近代前期
Chapter4 近代後期
Chapter5 現代
あとがき
索引
Column
#1 数学の苦手なこと
#2 作図の意義
#3 数学の純粋と応用
#4 数学の成立時期と検索ヒット数
前書きなど
数とはものやことの性質である。収穫した木の実を一族の皆に渡したい。足りるだろうか。あるいは、この先に渡らなければならないいくつもの川がある。約束の日までの昼と夜はあとこれだけ。間に合うか。木の実の数、仲間の数、川の数、残りの日数。賢い者がこれらのあいだの一致や過不足を見出した。目に見えるもの、見えないものと区別をせず、それらがもつ性質として認め、考え、伝えるための道具が「数」だ。
数とは、飛び飛びのきっちりしたものである。1個、2個、3個。リンゴと人の数が同じであれば1つずつ渡せる。ちょうど倍であれば2つずつ渡せる。このような数は今では「整数」と呼ばれる。では、5個を2人で分けてあまった1個をどうするか。ナイフで切って半分ずつ持っていけばよい。ある日、これも数と思えた者がいた。
こうして、数は比やわり算の商のこととなった。5個のリンゴを2人で分ける。100の距離に等間隔で8本の木を植える。5/2=2.5、100/(8+1)=11.111…。わり切れないこともあるけれど、どんな小数でも整数のわり算で表せるはず。だけどあれ? 正方形の対角線の長さは? 円の円周は? 比やわり算のみで表すことに限界を感じ、1辺が1の正方形の対角線は√2、直径が1の円の円周はπと、新しい表現をかたちにした者が数を発展させた。
√2もπも数。負の数、2乗して負になる数も認めよう。こうして数は発展し、その意味するところが広がった。1、2、 3、 …の整数をもとに、そこからなんでも作ることができる。それだけでなく、古代エジプトで円や三角形の性質をかたち作ったときのように、「数とは何か」が整理され、数はルール化された産物になった。
「数とは何か」の整備、発展は今も続いている。木の実を数えるところから始まった数は、現代においてそこから大きく離れ、それゆえに応用の先が広がった。「1個のリンゴ」は目に見え、よって絵に描けるが、「1」そのものの絵は観たことがない。これが数のもつ役割と宿命である。
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本書の執筆では、2つのことに留意した。
1つは本書をお読みいただいた方が、数学を自分のこととして感じていただけるように心を砕いた。数学に数や方程式は必ずしも必要でなく、ふと気になったことに向き合ったときに数学は始まっている。知識や経験にかかわらず、私たち1人1人と数学のあいだに渡らなければならない川はない。
もう1つとして、本書が数学に親しむためのよいカタログになることを目指した。個人的な話で恐縮だが、私が小学校高学年のころ、3歳上の兄から借りた保健体育の副読本に載っている、スポーツ競技の紹介を読むのが好きだった。見開き2ページで1競技、野球やサッカーだけでなく、数あるマイナーなスポーツのルールや競技場の大きさ、技術や戦略の簡単な説明を読んではドキドキした。のちにそのうちの1つに挑戦することになったが、この本を手に取った方にとっても、本書が同じような機会になることを願っている。
本文は全221項目、あれがあるのにこれがない、その分野は多過ぎと、項目の選択にご異論があろうことは了解している。また一部の項目は数学の範疇にないものもある。これはひとえに私の興味やなじみ具合が影響しているとご了承いただきたい。
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いつかの未来、未知の宇宙人と交流することになったときのことを想像してみる。そのときにはきっと数が役に立つだろう。SF映画『コンタクト』(監督:ロバート・ゼメキス)では、数学が通信の役割を担う。役に立つだけではない。そこで私たちは宇宙人と私たちの「数」の違いを知るであろう。過去と現在、それぞれの時代の数学にずれがあるのと同じだ。数とは何か。便利に使い、時々の必要に応じて発展させたものが数である。ほかに代わりがなく、あまりに身近なそれを言い換えるとすれば、数とは、私たちの営みそのものである。
版元から一言
いざ、目に見えない「数」の世界へ!
現代では「数」を見ない日はありません。朝起きたら時計を見て、昼食を買ったら支払金額を確認し、平均体重や平均年収の話題に一喜一憂し、暗証番号を入力してショッピングを楽しみ、「予測できない」スポーツの試合に胸を熱くします。
辞典シリーズ第12弾では、自然物から離れ、人間の営みともいえる「数」の世界に迫ります。0や1などの数字から、正負の数、三角関数、微分・積分、非ユークリッド幾何学、コンピュータ、現代の未解決問題に至るまで、私たちの生活をかげひなたに支える「数」にまつわる221項目を、小さな辞典にまとめました。
・学校で習ったけど忘れてしまった数学用語-「平方根」「関数」「虚数」など
・考えれば考えるほど不思議な数の概念-「0」「無限」「次元」「パラドックス」など
・耳にしたことのある言葉-「ベクトル」「指数関数」「アルゴリズム」など
・知ると面白い数学の知識-「ヒルベルトのホテル」「モンティ・ホール問題」など
数学をまなぶ楽しみは、数学者だけでなく、私たち1人1人にあります。「サワ☆博士の数楽たいそう」を主宰する数々(かずかず)企画代表・澤宏司さんの面白く、ときに考えさせられる解説と、グラフィックデザイナー・廣﨑遼太朗さんのウィットに富んだ挿絵も見どころです。一読してわからない項目も、少しだけ背伸びをして新しい知識に触れてみると、時間を経て、ひらめく瞬間が訪れるかもしれません。気になった項目は、より専門的な数学本へと歩みを進めてみてください。
先史時代から現代へと大まかに数学史をたどる構成。数学史/数学者に関する豆知識、関連語の掲載、数学をさまざまな視点で眺める章末コラム4編も収録。
★本書の324ページに登場するウサギのイラストは、あるルールに従ってページからページへとジャンプしていきます。ウサギのあとを追ってみると…?
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「数とは何か」の整備、発展は今も続いている。木の実を数えるところから始まった数は、現代においてそこから大きく離れ、それゆえに応用の先が広がった。「1個のリンゴ」は目に見え、よって絵に描けるが、「1」そのものの絵は観たことがない。これが数のもつ役割と宿命である。(「はじめに」より)
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上記内容は本書刊行時のものです。