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収納され続ける収納 生活者のデザイン史 北田 聖子(著/文) - 雷鳥社
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収納され続ける収納 生活者のデザイン史 (シュウノウサレツヅケルシュウノウ セイカツシャノデザインシ)

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発行:雷鳥社
四六変形判
縦188mm 横122mm 厚さ18mm
重さ 288g
240ページ
並製
価格 1,900円+税
ISBN
978-4-8441-3805-1   COPY
ISBN 13
9784844138051   COPY
ISBN 10h
4-8441-3805-7   COPY
ISBN 10
4844138057   COPY
出版者記号
8441   COPY
Cコード
C0077  
0:一般 0:単行本 77:家事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年8月8日
書店発売日
登録日
2024年6月14日
最終更新日
2024年8月5日
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紹介

桑沢デザイン研究所でデザイン史を教える著者がつむぐ「収納」の歴史

誰もがあたりまえに行っている行為「収納」。おもに住まいに関する収納を取り上げた書籍や雑誌の刊行はあとをたちません。なぜ収納の話題は尽きないのか。また、どうして私たちは物をどうにか収納しようとし続けるのか。
本書では、「住まいにおける収納がどのように語られてきたか」をテーマに、収納の歴史を3つの章と10のパートにわけて編成しています。私たちになじみのある現代から、過去にさかのぼるかたちで、時代ごとに変わっていく収納の意味や、それらがあらわれた文脈を、ことばを手がかりに取り上げます。
私たちは日々、デザインの所産である物を住まいのどこかに置いたり、隠したり、飾ったり、ときにはそのための収納用品を自らつくったりして、生活をかたちづくっています。収納の歴史は、名もなき人々のデザインの歴史でもあるのです。

目次

はじめに

第一章 二〇〇〇年代
・終わりなき暮らしの実験──ブロガーの収納
(ブログからの出発/ほどよく「生活感」は避けたい/収納の文脈である「暮らし」/資格取得の活発化と「暮らし」への関心/自分の問題を他者のための仕事に)
・コラム 商品パッケージの悲哀
・収納の逆説──ミニマリストの収納 
(「ミニマリスト」とは/「収納」を捨てることの意味/物を手放す系譜/ミニマリストを可能にする社会/透明な箱のその後)
・日常と地続きの創造のありか──クリエイターの収納
(「クリエイター」への期待/職・住のスイッチ/収納にひそむ可能性/物の延命/創造である日常、日常にある創造)
・収納を語ることへのアンチテーゼ──ズボラニストの収納
(減らすのは物ではなく家事/理想は高いが、がんばらない/「見えない場所」は所詮みえない/「暮らし」の死角/語らなくていいかもしれない「収納」)

第二章 戦後から九〇年代
・ファイリング・システムから問う過去の未来──研究者の収納
(「物」の整理学/ファイリング・キャビネットの収納/「代謝系」と「愛着系」/これまでにない物の増殖/「家事整理」のゆくえ)
・子ども部屋という「夢」と手づくり──ティーンの収納
(ティーン向けインテリア誌/「空間演出」のための収納/あこがれを内包する子ども部屋/子ども部屋の個室化/「私の部屋」という夢)
・コラム  魅惑のワイヤーネット
・「収納ベタ」への救いの手──プロの収納
(引越しのプロから収納のプロへ/マニュアルになることとならないこと/収納のエンタメ化/「間」の仕事/収納に重ねられる成長)
・コラム 廃物利用の収納グッズはどこへいった

第三章 明治後期から戦中
・「収納」を語ることのプロローグ──主婦の収納
(「家庭」での女性と家事/方法である収納/収納を語るのは誰か/家事で多忙な女性たち/収納を語る場の形成)
・理想的な「生活」からみた収納の領分──建築家の収納
(建築家・川喜田煉七郎の家具/標準化という課題/今和次郎の「品物調査」との比較/「とびはなれ」ない生活/合理性に貫かれる住まい)
・コラム A4書類がカバンにおさまるわけ
・繰り返されない日常での収納──国民の収納
(主婦から「国民」へ/非常時の工夫/戦時体制下の「簡素」という価値/「最低生活」のための「家」とは/収納がつなぎとめるもの)

おわりに

前書きなど

「収納」には歴史があります。
「収納する」、つまり、なにかをなにかの中にしまうという行為は、誰もが行っ
ていることだといってよいでしょう。誰もが行っているからこそ、普段意識され
ない行為かもしれません。そんな誰もが行いながら、目立たない行為である収
納について、おもに住まいに関することを取り上げた書籍の刊行はあとをたち
ません。雑誌の記事になることもたびたびあります。今では収納系YouTuber
と呼ばれる人たちもいるようです。
なぜ収納の話題は尽きないのか。また、どうして私たちは物をどうにか収
納しようとし続けるのか。あるとき、そんな疑問がわいてきました。
収納に関する書籍や雑誌記事を過去にさかのぼって調べていくと、およそ百
年前にはすでに、現在に通じるような物のしまい方について語っている人がいた
ことがわかりました。そして、そこに、物の置き場所やしまい方を決め、住ま
いでの行動に指針をもたらし、「生活」によりよいかたちを与えようとしてき
た人たちの営みが、ぼんやりみえてきたのです。収納をとおして生活を主体的
にかたちづくろうとしてきた人たちに、光をあてたい。そう考えるようにな
りました。
本書でいう歴史とは、「住まいにおける収納がどのように語られてきたか」
をたどることで浮かび上がってくる歴史のことです。誰が、どのように収納を
話題にし、語ってきたのかを、私たちに馴染みのある現在から過去に時代を
さかのぼるかたちで、三つの章と、一〇のパートに分けて断片的に述べています。
コラムには、収納にまつわるこぼれ話を書きました。──「はじめに」より抜粋

著者プロフィール

北田 聖子  (キタダ セイコ)  (著/文

1975年大阪府生まれ。博士(美術)。日本学術振興会特別研究員(DC2、PD)、関西の専門学校や大学・大学院での非常勤講師を経て、2011年に専門学校桑沢デザイン研究所専任教員着任。同校でデザインに関わる教養科目群を運営するデザイン学分野に所属し、デザイン史や、デザインの発想、提案に必要な文章の読み書きの授業を担当。個人の研究活動で、デザイン史研究の射程を探るべく「規格化・標準化」や「収納」「片づけ」というテーマに取り組んでいる。

上記内容は本書刊行時のものです。