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日本古代典籍研究
史書・法制史料・儀式書・説話
- 初版年月日
- 2024年11月7日
- 書店発売日
- 2024年11月14日
- 登録日
- 2024年9月9日
- 最終更新日
- 2024年11月8日
紹介
文献調査で何がわかるのか、校訂とはどのような行為なのかなど、調査での経験・成果をふまえ、文献を扱うあらゆる学問に不可欠な「史料学」の重要性を説いた実証研究の集大成。
【内容説明】
●宮内庁書陵部、国立歴史民俗博物館、東京大学史料編纂所での勤務を通して数々の文献調査を経験し、古典籍の写真複製事業に参画するなど、実証研究を積み重ねた著者の論文集、待望の刊行。
●なぜ史料そのものの研究が必要なのか、写本系統を解明する意義とは何か、校訂とはどのような営為なのかなど、歴史学に限らず、文学・法制史・文化史など、文献を扱うあらゆる学問分野の研究者必読の書き下ろし論考「序―歴史学研究と史料―」(全63頁)を収録。
●著者がこれまでに調査した主な機関は、前田育徳会尊経閣文庫・京都御所東山御文庫・名古屋市蓬左文庫・宮内庁書陵部・国立歴史民俗博物館・宮内庁正倉院事務所など、貴重な典籍資料を多数所蔵している。その成果として、史書(続日本紀・類聚国史)・法制史料(交替式・延喜式・延喜式覆奏短尺草写・法曹類林・政事要略)・儀式書(本朝月令要文・年中行事秘抄)・説話(日本霊異記・江談抄)の書目を個別に取り上げ、図版約100点をまじえて論究。
●すでに失われた三条西家本『続日本紀』の系統を引く高松宮家伝来禁裏本・東山御文庫本を調査し、筆跡や付箋などのわずかな痕跡を手掛かりに、三条西家本の内容復原の糸口を見つけるなど、文献調査だからこそわかる実例を具体的に例示。
●三条西家旧蔵『延喜式』(国立歴史民俗博物館所蔵)、および『延喜式』の平安時代の編纂過程を克明に記録した東山御文庫本『延喜式覆奏短尺草写』について、原本写真(影印)・翻刻・解説等を付し、活用できるようにした。
目次
序―歴史学研究と史料―
一 史料研究の意義/二 古代史料の編纂とその伝来/三 文献史料群の形成と伝来/四 写本研究とは/おわりに
第一部 史 書
第一章 蓬左文庫本『続日本紀』の伝来とその意義
はじめに/一 蓬左文庫本の現状とその形成/二 蓬左文庫本の伝来―蔵書目録の追跡―/三 蓬左文庫本の伝来―家康以前―/四 蓬左文庫本伝来の意義/おわりに
第二章 高松宮家伝来禁裏本『続日本紀』の筆跡
はじめに/一 グループ筆跡の検討/二 グループ相互の筆跡の関係/おわりに
第三章 東山御文庫本『続日本紀』の周辺
はじめに/一 付箋の内容/二 付箋に見える諸本/三 付箋の意義/四 近世初期宮廷の写本作成/おわりに
第四章 類聚国史
一 概要/二 書名と本書の性質/三 撰者と本書の成立/四 体裁/五 構成/六 諸本と伝来
第五章 尊経閣文庫本『類聚国史』
はじめに/一 古本/二 明応本/三 大永本/四 『類聚国史』抄出紙片/五 模写本/おわりに―『類聚国史』と壬生家・三条西家―
第二部 法制史料
第一章 尊経閣文庫本『交替式』
一 概要/二 書誌/三『貞観交替式』巻下/四『延喜交替式』
第二章 三条西家旧蔵『延喜式』巻五〇の書誌と影印・翻刻
はじめに/一 概要/二 書誌/三 内容の特徴/影印・翻刻
第三章 『延喜式覆奏短尺草写』の研究―翻刻・訓読・影印篇― 付一字索引・主要語句索引
はじめに/翻刻/訓読/影印
第四章『延喜式覆奏短尺草写』をめぐって
はじめに/一 『短尺草』の〝発見〟/二 『短尺草』研究の本格化/三 研究上の困難―その1/四 研究上の困難―その2/おわりに
第五章 尊経閣文庫本『法曹類林』
一 概要/二 伝来/三 本書第一紙について/四 箱および包紙/五 本書の体裁等
第六章 尊経閣文庫本『政事要略』
一 概要/二 前田家と『政事要略』/三 金沢文庫本の書誌
第三部 儀式書
第一章 尊経閣文庫本『本朝月令要文』
一 概要/二 尊経閣文庫本
第二章 尊経閣文庫本『小野宮故実旧例』
一 概要/二 内容・体裁・書名/三 伝本/史料対照表
第三章 尊経閣文庫本『年中行事秘抄』
はじめに/一 研究の現状―撰者・成立・伝来―/二 尊経閣文庫本/三 尊経閣文庫本の新写『年中行事秘抄』概観
第四部 説 話
第一章 尊経閣文庫本『日本霊異記』
一 概要/二 尊経閣文庫本
第二章 尊経閣文庫本『江談抄』
一 概要/二 尊経閣文庫本/三 「尊経閣文庫本『江談抄』言談一覧」について
跋/索引
上記内容は本書刊行時のものです。