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翻刻・影印 天平諸国正税帳 鈴木 靖民(編集) - 八木書店
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翻刻・影印 天平諸国正税帳 (ホンコクエイイン テンピョウショコクショウゼイチョウ)

歴史・地理
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発行:八木書店
A5判
縦216mm 横152mm 厚さ40mm
重さ 1100g
546ページ
定価 15,000円+税
ISBN
978-4-8406-2267-7   COPY
ISBN 13
9784840622677   COPY
ISBN 10h
4-8406-2267-1   COPY
ISBN 10
4840622671   COPY
出版者記号
8406   COPY
Cコード
C3021  
3:専門 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年11月1日
書店発売日
登録日
2024年9月9日
最終更新日
2024年11月8日
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紹介

全国の地方財政・特産物・交通手段・産業、さらにはパンデミックによる救済措置・被害状況まで、奈良時代の社会情勢が全国規模でわかる貴重史料
長らく品切で、復刊が期待されていた林陸朗・鈴木靖民編『天平諸国正税帳』(1985年、現代思潮社)を全面改訂。

【正税帳(収支決算書)からわかること】
●奈良時代の全27通の正税帳 正税帳は毎年国ごとに作成され、中央政府に提出されたその国の一年間の正税(田租や出挙利稲の蓄積による穎稲・稲穀)の収支決算書で、今日でいえば都道府県の一般会計の歳入歳出決算書にあたる。平城京左京と20ヶ国の計27通の正税帳(大税帳5・郡稲帳3・正税出挙帳1を含む)の断簡が正倉院文書として伝来する。すべて天平期(730~739年)のもので、本書に全27通を翻刻・影印で収録。
●全国規模での地方財政 27通の内訳は、畿内4、東海道6、北陸道4、山陰道3、山陽道4、南海道3、西海道3で、東山道を除いて全国に分散しており(本内容見本表紙の地図参照)、古代社会の指標の一つとなる天平期の地方財政の実情を全国規模で知ることができる。同時に、地域間や年度間の比較もできる貴重な史料群。
●交通や産業・流通の実情 各国内を通過した使者・防人のほか、平城京に貢進された全国各地の特産物から、当時の交通や産業・流通の実情を知ることができる。
●モノの価格や度量衡、神社の存在まで 貢納物や材料の価格、その度量衡、貢納物の製造手段、さらには各国の年間行事とその経費・従事者、国司や郡司の構成、郡ごとの正倉の種類と数、天平期の神社の存在など、地方情勢を伝える。
●正史を補完し、法令の運用実態も 奈良時代の正史『続日本紀』の記事と比較することで、正史を補完することができるばかりでなく、地方における法令の運用実態までもがわかる。
●天然痘での被害対策や被害状況 近年、災害史の観点から注目されるのは、天平期の天然痘のパンデミックにおける各地の様相で、救済対策としての公費投入(正税支出)や死亡者・困窮者への租税減免措置や、各地の被害状況も推測される。
●さまざまな分野で活用できる史料 多方面の記載をもつ正税帳の記事は、歴史学・考古学に限らず、文学・経済史・法制史・災害史・建築史など、さまざまな分野での活用が期待され、諸分野での研究が活発となる。

【翻 刻】
①厳密に校訂した翻刻本文
②最新成果を踏まえた脚註
③語句解説
④詳細な史料語句索引
⑤正倉院文書(正税帳)断簡整理・表裏対照表も併載

【影 印】
①正税帳全27点の写真
②カラー口絵5点:正税帳類全27点から5点を厳選し主要部分を収録
③透過光写真4点を収録:影印本文では確認できなかった箇所の4点について透過光写真を併載。

【2分冊】
翻刻編・影印編は別冊とし、行番号を付しているので、2冊を並べて瞬時に見比べることができる。

目次

【翻刻編】(312頁)
はじめに 鈴木靖民
凡例/用語解説
01左京職正税帳 天平十年度  02大倭国大税帳 天平二年度
03摂津国正税帳 天平八年度  04和泉監正税帳 天平九年度
05伊賀国大税帳 天平二年度  06尾張国大税帳 天平二年度
07尾張国正税帳 天平六年度  08駿河国正税帳 天平九年度
09駿河国正税帳 天平十年度  10伊豆国正税帳 天平十一年度
11越前国大税帳 天平二年度  12越前国郡稲帳 天平四年度
13佐渡国正税帳 天平四年度  14佐渡国正税帳 天平七年度以降
15但馬国正税帳 天平九年度  16隠岐国郡稲帳 天平二年度
17隠岐国正税帳 天平四年度  18播磨国郡稲帳 天平四年度以前
19周防国正税帳 天平六年度  20周防国正税帳 天平十年度
21長門国正税帳 天平九年度  22紀伊国大税帳 天平二年度
23淡路国正税帳 天平十年度  24伊予国正税出挙帳 天平八年度
25筑後国正税帳 天平十年度  26豊後国正税帳 天平九年度
27薩摩国正税帳 天平八年度
正倉院文書(正税帳)断簡整理・表裏対照表
索  引(人名/官職名/地名/公文書日付/件名/年)
おわりに  佐藤長門

【影印編】(234頁+カラー口絵4頁)
カラー口絵5点
05伊賀国大税帳 天平二年度  08駿河国正税帳 天平九年度
16隠岐国郡稲帳 天平二年度  17隠岐国正税帳 天平四年度
21長門国正税帳 天平九年度

01左京職正税帳 天平十年度  02大倭国大税帳 天平二年度
03摂津国正税帳 天平八年度  04和泉監正税帳 天平九年度
05伊賀国大税帳 天平二年度  06尾張国大税帳 天平二年度
07尾張国正税帳 天平六年度  08駿河国正税帳 天平九年度
09駿河国正税帳 天平十年度  10伊豆国正税帳 天平十一年度
11越前国大税帳 天平二年度  12越前国郡稲帳 天平四年度
13佐渡国正税帳 天平四年度  14佐渡国正税帳 天平七年度以降
15但馬国正税帳 天平九年度  16隠岐国郡稲帳 天平二年度
17隠岐国正税帳 天平四年度  18播磨国郡稲帳 天平四年度以前
19周防国正税帳 天平六年度  20周防国正税帳 天平十年度
21長門国正税帳 天平九年度  22紀伊国大税帳 天平二年度
23淡路国正税帳 天平十年度  24伊予国正税出挙帳 天平八年度
25筑後国正税帳 天平十年度  26豊後国正税帳 天平九年度
27薩摩国正税帳 天平八年度

著者プロフィール

鈴木 靖民  (スズキ ヤスタミ)  (編集

鈴木靖民(すずきやすたみ)
國學院大學名誉教授。日本古代史、東北アジア古代史。
〔主な著作〕
『倭国史の展開と東アジア』(岩波書店、2012年)
『古代日本の東アジア交流史』(勉誠出版、2016年)
『古代の日本と東アジア 人とモノの交流史』(勉誠出版、2020年)

佐藤 長門  (サトウ ナガト)  (編集

佐藤長門(さとうながと)
國學院大學文学部教授。日本古代史。
〔主な著作〕
『日本古代王権の構造と展開』(吉川弘文館、2009年)
『蘇我大臣家―倭王権を支えた雄族―』(山川出版社、2016年)
『古代東アジアの仏教交流』(編、勉誠出版、2018年)

荒井 秀規  (アライ ヒデキ)  (著/文

荒井秀規(あらいひでき)
明治大学兼任講師・駒澤大学大学院非常勤講師。日本古代史。
〔主な著作〕
『覚醒する〈関東〉』(吉川弘文館、2017年)
『古代日本と渡来系移民』(共編著、高志書院、2021年)

榎 英一  (エノキ エイイチ)  (著/文

榎 英一(えのきえいいち)
元愛知文教大学教授。日本古代史。
〔主な著作〕
『律令交通の制度と実態―正税帳を中心に―』(塙書房、2020年)
「古事記の素材― 「国記」再論―」(犬飼隆・和田明美編『語り継ぐ古代の文字文化』
青簡舎、2015年)

早川 万年  (ハヤワカ マンネン)  (著/文

早川万年(はやかわまんねん)
元岐阜大学教授。日本古代史。
〔主な著作〕
『美濃国戸籍の総合的研究』(共編著、東京堂出版、2003年)
『壬申の乱を読み解く』(吉川弘文館、2009年)

山﨑 雅稔  (ヤマサキ マサトシ)  (著/文

山﨑雅稔(やまさきまさとし)
國學院大學准教授。日本古代史。
〔主な著作〕
「日本における加耶史研究」(韓国古代史研究会編『加耶史研究の現況と展望』周
留城出版社、2018年)
「九世紀の海外交通―円仁を中心に―」(木村茂光・湯浅治久編『旅と移動―人流と
物流の諸相―』竹林舎、2018年)

上記内容は本書刊行時のものです。