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カンボジアは変わったのか 小林 知(編著) - めこん
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カンボジアは変わったのか (カンボジアハカワッタノカ) 「体制移行」の長期観察1993~2023 (タイセイイコウノチョウキカンサツイチキュウキュウサンニゼロニサン)

社会一般
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発行:めこん
A5判
縦216mm 横153mm 厚さ34mm
重さ 915g
580ページ
上製
定価 5,000円+税
ISBN
978-4-8396-0338-0   COPY
ISBN 13
9784839603380   COPY
ISBN 10h
4-8396-0338-3   COPY
ISBN 10
4839603383   COPY
出版者記号
8396   COPY
Cコード
C3030  
3:専門 0:単行本 30:社会科学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年5月30日
書店発売日
登録日
2024年5月9日
最終更新日
2024年11月6日
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紹介

1993年、カンボジアでは内戦が終結し、統一選挙が実施されました。それから30年。国際社会が後押しした民主化の道はカンボジアの人びとに何をもたらしたのでしょうか。政治、経済、社会、文化における変化を現地経験の豊富な気鋭の研究者12名が力を込めて描き出します。

目次

序論 カンボジアは変わったのか  小林知
第1章 カンボジアの空間と人口  小林知

【第1部 政治と市民社会】
第2章 民主主義を装う独裁――体制移行後のカンボジア政治の展開  山田裕史
第3章 政府と市民が相克するメディア――カンボジアにおける表現の自由をめぐる軌跡
                                 新谷春乃
第4章 カンボジア市民社会――市民社会組織の誕生、増加と課題 米倉雪子

【第2部 経済と資源】
第5章 復興からの経済成長――さらなる発展を目指して  初鹿野直美
第6章 カンボジア農漁業の30年――自然資源活用・資本集約化による発展とその限界
                            矢倉研二郎
第7章 止められない消失と維持されている影の構造――カンボジアと森林資源をめぐる 
    30年  倉島孝行
    
【第3部 社会】
第8章 少子高齢化時代を迎えたカンボジアの家族・世帯   高橋美和
第9章 「外国人」区分と国籍に見られる継続性と変化――ベトナム人を中心に                    
                             松井生子
第10章 学校教育をめぐる援助依存、国内化、多様化――国際支援下の教育復興を振り返    
    る  千田沙也加
  
【第4部 文化】
第11章 カンボジア仏教の現在地と将来像――サマイの拡張・深化と新たな担い手の登場  
                                    小林 知
第12章 カンボジア古典舞踊ロバム・ボラーンの継承と変容――王立芸術大学とディアス
    ポラ民間舞踊学校の比較から   羽谷沙織
第13章「アンコール・モデル」の成功と呪縛――体制移行後のカンボジアにおける文化遺 
    産  田畑幸嗣

あとがき
索引
略語索引

前書きなど

はじめに
本書は、カンボジアを取り上げて、1993年から2023年の30年間の変化を総合的に検討する。カンボジアという1つの国の環境と社会、そこで生きる住民がつくり出した経済や文化の近年の状況を、1990年代の過去の状況を念頭において俯瞰し、「カンボジアは変わったのか」という問いを複数の分野・方向から考えてゆく。30年という年月を経れば、当然ながら、その国、社会、文化の多くの部分で眼に見える形の変化が生じている。ただ、明らかな変化の裏に変わっていない部分があったり、外形的には変わっていないように見える特徴の裏に内的な変化が見られたりする場合もある。そのように見過ごされがちな事実を、マクロな状況の変化と共に丁寧にたどり直し、1つの歴史経験の総体を考えてゆく。
           ・・・・・・
カンボジアは、東南アジアの大陸部にあり、日本の半分ほどの国土面積の、比較的小さな国である。世界遺産アンコール・ワットの存在で知られるように、古くは王権が栄えた。また、19世紀後半から20世紀半ばにかけて、隣国ベトナム、ラオスとともにフランスの植民地支配を受けた。独立は、1953年である。その後の一時期は、他のアジア諸国と同様に経済開発と近代化の時代を謳歌した。しかし、1970年代初頭から1990年代まで、戦火と孤立につつまれた。
このようなカンボジアの現代史を考える際のキーワードが「体制移行」である。体制移行とは、政治体制、つまり国家権力が敷いた統治制度の転換を意味する。20世紀のカンボジアの歴史には、封建制(伝統的王権)から民主制へ、民主制から独裁へ、独裁から共和制へ、共和制から共産制へといった具合に、政治体制の転換がいくつも見られた。その中でも、特に興味深く、同時代的な視点から見ていま改めて注目されるべきだと考えられるのは、1993年に生じた体制移行である。
          ・・・・・・
19世紀末にフランスの植民地支配下に置かれたカンボジアでは、王が、少数のエリートと共に政治を行ない、人民を統治していた。それが、20世紀の半ば過ぎに新しい形へ変化した。第2次世界大戦の終結後の世界に、民族自決の動きが拡大したのである。カンボジアでも国王のノロドム・シハヌーク(Norodom Sihanouk)が外交を進め、独立を勝ち取った。独立後の国内には、議会が設けられ、民主制の政治体制が敷かれた。しかし、それは短命に終わった。つまり、王位を父に譲って、自らを国家元首としたシハヌークが独裁的な統治を開始した。シハヌークは、冷戦構造下の国際政治の中で中立外交を展開し、国内では経済開発と国民統合に力を入れた。最初は順調に見えたが、1960年代には内政が行き詰まり、汚職や不正義が社会に横行するようになった。そして、1970年3月、隣国ベトナムで共産主義勢力を相手に戦っていたアメリカを後ろ盾としたロン・ノル(Lon Nol)らのクーデタが起こり、シハヌークが失脚した。それ以後、首都プノンペンに建てられた共和制の政府と、シハヌーク支持者に共産主義勢力を加えて組織された民族統一戦線との間で、内戦が始まった。この内戦は、ポル・ポト(Pol Pot)らを指導者とする共産主義勢力の勝利で終結した。後にクメール・ルージュと呼ばれるようになった共産主義者らは、1975年4月17日の勝利の後に、民主カンプチアという共産制の国家を建設し、既存の社会の改造を試みる急進的な政策を次々に打ち出した。よく知られるように、その統治は、飢餓や病気、大規模な粛清殺人を原因として170万人とも言われる大量の死者を生み出し、1979年1月に崩壊した。同政権内で吹き荒れた粛清を逃れた民主カンプチアの幹部らに救国戦線を結成させ、それを支援する形でベトナムがカンボジアに侵攻したのである(民主カンプチアはそれ以前、ベトナム領内への侵攻を繰り返していた)。クメール・ルージュの幹部は、タイとの国境地帯へ逃げた。その後、1980年代のカンボジアでは、ベトナムを後ろ盾として社会主義を掲げた国家と、クメール・ルージュら反政府勢力との対立の下で、内戦が続いた。この時期のカンボジアは、冷戦構造の中、国際的に孤立し、外部者には国内の状況がよく分からなかった。一方で、1980年代の後半に、冷戦構造の崩壊という世界秩序の転換が生じた。1989年にベルリンの壁が崩れ、東西対立の緩和が始まったのである。それが、カンボジアの紛争を終結に導いた。プノンペンの社会主義政権を支援していたソ連やベトナムなど東側の諸国も、タイ国境の反政府勢力側の難民の生活支援等をしていた西側諸国も、これ以上カンボジアの紛争を続けさせる意味が見出せなくなった。そこで、国際社会が呼びかけ、カンボジアの紛争の当事者である国内勢力によって1991年10月にパリ和平協定が結ばれた。さらに、紛争解決のための統一選挙を国連が計画し、加盟国に準備への協力を呼びかけた。今日のカンボジアは、このような形で実施された1993年の選挙の後に成立した国家のもとにある。
          ・・・・・・
UNTACは、「国連カンボジア暫定統治機構」と日本語で称される組織、UnitedNations Transitional Authority in Cambodiaの略称である。それは、カンボジア全国民の参加によって選挙が実施され、その結果に基づいて新しい政府が樹立されるまでの期間の国内統治を、カンボジア国内の政治勢力に代わって国連が暫定的に請け負うためにつくられた組織である 。組織のトップには、日本人の明石康氏が着任し、1992年から1993年までカンボジアで活動した。日本は、UNTACの平和維持活動に参加させるため、それまで海外に出ることがなかった自衛隊を、国会での激しい論争の後にカンボジアへ派遣した。日本人の警察官やボランティアも、選挙準備の支援に関わった。すなわち、1993年のカンボジアの「体制移行」は、国際社会が後押ししたものであった。それは、外部者が、カンボジアの国土に暫定的な統治体制を敷き、準備し、実現させた転換であった。日本も、官民を挙げてその実施を支援した。カンボジアでそれ以前に生じた体制移行にも、外国の影響を受けたケースがあった。しかしそれらは、冷戦下の大国の対立を背景としていた。それに対し、1993年の「体制移行」には、国連という国際社会の代表組織の存在が全く異なる特徴を与えていた。中国やロシア、アメリカが一国主義に向かい、世界が分断にさらされる今日からは想像し難いが、1980年代末から1990年代にかけて
の世界には、平和を希求するグローバルな気運があった。第2次世界大戦以降の世界秩序をつくってきた冷戦構造が雪解けを迎え、当時の世界では各地で、紛争の当事者による和平交渉が始まっていた。1990年代初頭のカンボジアの紛争解決は、そのような世界の動きに後押しされたものだった。しかし、カンボジアの今日の状況は、30年前に、大きな希望とともに人びとが羨望していた未来そのものなのだろうか。日本をはじめとした国際社会が「良きもの」として推進した政治制度や国家システム、経済原理の導入は、カンボジアの社会と人びとに、どのような幸せをもたらしたのだろうか。
        ・・・・・・
1993年の「体制移行」は、政治システムの転換というだけなく、市場経済の浸透という意味でも、カンボジア社会の歴史の大きな転換点であった 。社会主義を掲げた1980年代の同国にも、社会の様式と人々の生活の一部に、市場経済の原理が働いていた。1989年に国名が変更され、社会主義が政策として放棄されると、市場経済の制度の導入が少しずつ進んだ。しかし、市場経済の制度化を広い範囲で国家が推進するようになったのは、1993年以降である。紛争終結によりその社会と人々の生活が、グローバルな経済につながり、市民の生活や自然環境の管理など、様々な方面で急速な変化が生じた。
1980年代のカンボジアの社会主義は、建前と実態のギャップが大きく、旧ソ連や中国、ベトナムのように社会の末端にまでその統治の様式を浸透させたものではなかった 。そして1993年以降、政府は、市場経済を積極的に導入し、その力で社会の復興を進めようとした。海港と首都を結ぶ主要な国道など、物流を担う道路インフラの整備が急がれ、外国投資を呼び込むための制度の整備が進められた。1998年にクメール・ルージュが消滅し、治安状況が大きく改善すると、地方の村々でも市場向け商品作物の栽培が拡大した。同時に、首都近郊に建てられた工場や、国外の労働市場を目指し、農村人口の出稼ぎが増加した。
       ・・・・・・
本書は、市場経済を基礎とする国家制度の導入が1990年代以降のカンボジアの社会、住民生活、自然環境などの変容とどう関わるのかという問題も、複数の視点から検証する。現代日本のように、市場経済が既に生活の基礎となってしまった社会に暮らすと、そのルールが社会をどう変えたのかという問題を実体験を持って振り返ることができない。しかし、「体制移行」以後のカンボジアの事例では、そのプロセスを進行形の変化として確認することができる。本書の各章から、近代化・グローバル化の普遍的な特徴を再検討し、また21世紀の東南アジアという地域と世界の文脈の中で、カンボジアが見せる独自の展開を確認してゆこう。

著者プロフィール

小林 知  (コバヤシサトル)  (編著

京都大学東南アジア地域研究研究所教授
地域研究、文化人類学、比較社会学
主な著作に、『カンボジア村落世界の再生』(京都大学学術出版会、2011年)、「生業からみた開発体制下のカンボジアの農村変容――ポーサット州での広域調査に基づく一考察」(『東南アジア研究』59(1)、2021年)、「地域という専攻――存在理由、ジレンマ、可能性」(『地域学――地域を可視化し、地域を創る』古今書院、2024年)など。

山田裕史  (ヤマダ ヒロシ)  (

新潟国際情報大学国際学部教授
カンボジア政治、比較政治学
主な著作に、「カンボジア――シハヌークによる政治権力の独占と王政の成立」(『アジアの脱植民地化と体制変動――民主制と独裁の歴史的起源』白水社、2022年)、「体制維持に資する選挙機能の多様性とその限界―人民党支配下のカンボジアにおけるコミューン評議会選挙」(『権威主義体制にとって選挙とは何か――独裁者のジレンマと試行錯誤』ミネルヴァ書房、2024年)、『強化されるフン・セン体制――2023年カンボジア総選挙と世襲内閣の誕生』(アジア経済研究所、2024年)など。

新谷春乃  (シンタニ ハルノ)  (

日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員
地域研究(カンボジア、近現代史)
主な著作に、「クメール共和国期(1970-75年)における自国史の再編――体制転換後の政治と言論環境に着目して」(『東南アジア 歴史と文化』47、2018年)、「若年層に対する人民党の諸戦略――締め付け、取り込み、記憶の政治」(『カンボジアの静かな選挙――2018年総選挙とそれに至る道のり』(情勢分析レポートNo.31)アジア経済研究所、 2020年)など。

米倉雪子  (ヨネクラ ユキコ)  (

昭和女子大学国際学部国際学科准教授
開発研究
主な著作に、「貧困削減支援――カンボジアNGOを事例とした一考察」(『学苑』835、2010年)、「カンボジア農村女性の出稼ぎによる生計と乳幼児の栄養・成長への影響に関する一考察――現状と課題」(『農村計画学会誌』37(1)、2018年)、「カンボジア農家の移住労働に代わる生計改善策に関する一考察」(『国際開発研究』31(1)、2022年)など。

初鹿野直美  (ハツカノ ナオミ)  (

日本貿易振興機構アジア経済研究所副主任研究員
地域研究、国際協力学
主な著作に、「きこえるのは誰の声──ラタナキリ州の先住民と土地問題を支援する人たち」(『開発援助がつくる社会生活――現場からのプロジェクト診断』大学教育出版、2010年)、「カンボジアの移民労働者政策―─新興送出国の制度づくりと課題」(『東アジアにおける移民労働者の法制度―─送出国と受入国の共通基盤の構築に向けて』アジア経済研究所、2014年)など。

矢倉研二郎  (ヤグラ ケンジロウ)  (

阪南大学経済学部教授
農業経済学、開発経済学
主な著作に、“Why Illness Causes More Serious Economic Damage than Crop Failure in Cambodia (Development and Change 36(4)、2005年)、『カンボジア農村における貧困と格差拡大』(昭和堂、2008年)、「カンボジア・ポーサット州における農業の変化とそのメカニズム――未利用資源の活用と外部からの資金調達――」(『東南アジア研究』59(1)、2021年)など。

倉島孝行  (クラシマ タカユキ)  (

大東文化大学国際関係学部准教授
東南アジア地域研究、自然資源管理、地球環境問題
主な著作に、『タイの森林消失――1990年代の民主化と政治的メカニズム』(明石書店、2007年)、「カンボジアにおける熱帯林管理の失敗とグローバル化・多元化の逆説」(『東南アジア研究』58(1)、2020年)など。

高橋美和  (タカハシ ミワ)  (

実践女子大学人間社会学部教授
文化人類学、東南アジア地域研究
主な著作に、「カンボジア稲作農村における家族・親族の構造と再建――タケオ州の事例」(『カンボジアの復興・開発』アジア経済研究所、2001年)、「現代カンボジアにおける老年者と仏教実践――アビダンマ教学の学びに着目して」(『生活學論叢』35、2019年)、「家族のつながり方――婚姻と世帯」他5章(『カンボジアを知るための60章 第3版』明石書店、2023年)など。

松井生子  (マツイ ナルコ)  (

日本女子大学学術研究員
地域研究、文化人類学
主な著作に、「メコン河の水辺に生きるベトナム人――カンボジア南東部の村のフィールドワークから」(『史學研究』289、2015年)、「他者化された人々と公共的なるもの――カンボジア農村部のベトナム人の事例から」(『転換期のミャンマーを生きる――「統制」と公共性の人類学』風響社、2020年)、「カンボジア在住ベトナム人の結婚と民族間関係――クメール人との通婚を中心に」(『グローバリゼーションとつながりの人類学』七月社、2021年)など。

千田沙也加  (センダ サヤカ)  (

中京大学教養教育研究院講師
比較教育学、教育人類学、地域研究
主な著作に、「カンボジア――国際援助に支えられる未熟な専門職」(『アジアの教員――変貌する役割と専門職への挑戦』ジアース教育新社、2012年)、「現代カンボジアの歴史教材記述にみるポル・ポト政権期」(『アジア教育』16、2022年)、『カンボジア「クルー・チャッタン」の時代――ポル・ポト時代後の初等教育』(東信堂、2023年)など。

羽谷沙織  (ハガイ サオリ)  (

立命館大学国際教育推進機構准教授
比較教育学、教育人類学
主な著作に、「フランス植民地期におけるカンボジア宮廷舞踊と舞踊継承の学校教育化」(『アジア教育』15、2021年)、「カンボジア古典舞踊ロバム・ボランの継承にみる芸道的徒弟教育――王立芸術大学とディアスポラ民間舞踊学校の比較から」(『比較教育学研究』63、2021年)、Citizenship Education in Cambodia: National and Regional ASEAN Citizenship Education in Post-Conflict Contexts(Citizenship Education in the ASEAN Community. Governance and Citizenship in Asia. Springer. 2023)など。

田畑幸嗣  (タバタ ユキツグ)  (

早稲田大学文学学術院教授
東南アジア考古学、文化遺産論
主な著作に、『クメール陶器の研究』(雄山閣、2008年)、「前近代カンボジアにおける陶器生産」(『中近世陶磁器の考古学 第5巻』雄山閣、2017年)、「祭儀の器としてのクメール陶器」(『アジア仏教美術論集 東南アジア』中央公論美術出版、2019年)、「東南アジアの古代国家」(『岩波講座世界歴史 第4巻』岩波書店、2022年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。