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三国志を歩く 中国を知る 坂本信博(著/文) - 西日本新聞社
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三国志を歩く 中国を知る (サンゴクシヲアルク チュウゴクヲシル)

文芸
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四六判
縦188mm 横130mm 厚さ25mm
368ページ
並製
定価 1,700円+税
ISBN
978-4-8167-1015-5   COPY
ISBN 13
9784816710155   COPY
ISBN 10h
4-8167-1015-9   COPY
ISBN 10
4816710159   COPY
出版者記号
8167   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年11月8日
書店発売日
登録日
2024年9月24日
最終更新日
2024年11月8日
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書評掲載情報

2024-11-23 西日本新聞    朝刊
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紹介

今の中国を見つめる冒険の書

三国志好きの著者(新聞記者)がゆかりの史跡・名勝、
緊張走る国境地帯や新疆ウイグル自治区などを歩き、
現代中国の深部に迫った渾身のルポルタージュ

三国志は大好きだけど、今の中国はよく知らない、興味がない、という人は多い。とはいえ、今や世界第2位の経済大国であり、日本にとって最大の貿易相手国である隣人・中国について知ることは、これからの日本の活路を考える上で欠かせない。
そこで、日本人に身近な存在である三国志の舞台となった地を巡り、中国の今を見つめる旅に出たいと考えた。

2020年8月から3年間、コロナ禍の中国に赴任した著者が30省・自治区・直轄市を訪れ、のべ114都市を踏破した。

本書は、2022年9月から2023年8月まで西日本新聞で連載した長期企画「三国志を歩く 中国を知る」を再構成し、書き下ろしも含めて大幅に加筆したものを軸としている。
三国志と三国志演義の基礎知識をおさらいする「正史と演義」、現代中国に残る三国志の聖地を巡った「三国志聖地巡礼」、現代中国の国境地帯を中心としたルポ「三国志の周縁地を歩く」に、コラム「意外と知らない中国の素顔」を織り交ぜている。
巨大で奥深い中国で、著者が直接見聞きし体感したことを一冊にまとめた。

桃園の誓い、赤壁の戦い、そして五丈原─。三国志ゆかりの地を巡り、中国と日本の過去と現在と未来が交錯する旅へ。いざ、ご一緒に。

目次

8P 旅のはじめに

15P 第一章 正史と演義――三国志と中国のガイド
16P 【1】始まりの物語―黄巾の乱と三国志の成り立ち(184年)
21P 【2】権謀術数の10年―董卓の乱~官渡の戦い(184~200年)
25P 【3】三国時代の幕開け―赤壁の戦い~三国鼎立(200~229年)
30P 【4】終わりの物語―諸葛亮の北伐~蜀漢・魏・呉の滅亡(222~280年)

37P コラム 意外と知らない中国の素顔1

51P 三国志聖地巡礼――中国を知る旅
52P 【1】教祖張角の墓を探し宗教政策の闇を見る(定州)
64P 【2】桃園の誓いの村で中国の義理人情を学ぶ(涿州)
74P 【3】臥龍青春の里で現代の皇帝の悲哀を思う(襄陽)
100P 【4】孫呉の古都で郷土愛と外交力に感じ入る(南京、武漢)
111P 【5】趙雲獅子奮迅の坂で理想の人物像を探る(長坂坡、常山)
123P 【6】関羽の三つの墓を巡り神誕生の謎を追う(運城、平遙、洛陽、当陽)
137P 【7】曹魏ゆかりの地で日中のつながりに驚く(亳州、邯鄲)
148P 【8】曹操が眠る陵で英傑の足跡と功績を仰ぐ(安陽)
160P 【9】赤壁の古戦場で現代の大戦の爪痕を知る(赤壁)
172P 【10】孔明南征の地で異民族支配の策略を読む(雲南、ラオス)
185P 【11】蜀漢が拠った大盆地で伸びしろを感じる(洛陽、成都、鶴壁)
199P 【12】孔明北伐の道を辿り日本の活路を考える(剣閣、昭化古城、蜀桟道、漢中)
215P 【13】丞相終焉の台地で日中の行方を見つめる(五丈原)

229P コラム 意外と知らない中国の素顔2

239P 第三章 三国志の周縁地を歩く――ルポ・ディープチャイナ
240P 【1】新疆ウイグル自治区
280P 【2】内モンゴル自治区
292P 【3】青海省
301P 【4】平潭島
311P 【5】開封
317P 【6】ロシア・北朝鮮国境地帯
332P 【7】核兵器・原発

343P コラム 意外と知らない中国の素顔3

349P 解説 三国志の舞台 渡邉 義浩(早稲田大学)

356P 旅のおわりに

364P 参考文献

前書きなど

人生に必要な知恵は、すべて三国志で学んだ。
そう言いたいほど、三国志を愛してきた。
小学校の図書館で友達と奪い合うように借りた横山光輝の漫画。両親の本棚に並んでいた吉川英治の小説。デスクトップPC用の初代版から遊び倒してきたコーエーテクモゲームス(旧コーエー)の歴史シミュレーションゲーム。漫才コンビ「紳助・竜介」が時代に翻弄される庶民役で登場し、毎週欠かさず見たNHKの人形劇。大人になってその味わいを知った陳舜臣版や柴田錬三郎版、北方謙三版、宮城谷昌光版の歴史小説…。私の「三国志歴」は40年以上になる。

三国志は大好きだけど、今の中国は嫌い、よく知らない、興味がない、という人は多い。とはいえ、今や世界第2位の経済大国であり、日本にとって最大の貿易相手国である隣人・中国について知ることは、これからの日本の活路を考える上で欠かせない。そこで、日本人に身近な存在である三国志の舞台となった地を巡り、中国の今を見つめる旅に出たいと考えた。2020年8月から3年間、西日本新聞の21代目の北京特派員として中国に赴任することが決まった時から、三国志の「聖地」を巡る連載企画を構想してきた。

ただ、三国志の連載をするのは、任期の最後の1年にと決めていた。北京で暮らしながら中国各地を巡り、政治や経済、文化、科学技術、社会問題など多方面の取材を重ねて、自分なりの「中国観」を培ってからでなければ、表層的な「三国志ツアー」の紀行文で終わってしまうと思ったのだ。実際に3年間で、中国本土の全31省・自治区・直轄市のうち、外国人記者の立ち入りが厳しく制限されたチベット自治区を除く30省・自治区・直轄市をすべて訪れ、のべ114都市を踏破して記事を書いた。

本書は、2022年9月から2023年8月まで西日本新聞で私が連載した長期企画「三国志を歩
く 中国を知る」を再構成し、書き下ろしも含めて大幅に加筆したものを軸としている。旅の準備として三国志と三国志演義の基礎知識をおさらいする「正史と演義」、現代中国に残る三国志の聖地を巡った「三国志聖地巡礼」、現代中国の国境地帯を中心としたルポ「三国志の周縁地を歩く」を鼎(古代中国の金属製の器)の3本足に、コラム「意外と知らない中国の素顔」を織り交ぜている。巨大で奥深い中国で、私自身が直接見聞きし体感したことをその鼎に注ぎ込んだ。本書の解説は、日本の三国志研究の第一人者である渡邉義浩・早稲田大学教授に執筆していただいた。

桃園の誓い、赤壁の戦い、そして五丈原─。三国志ゆかりの地を巡り、中国と日本の過去と現在と未来が交錯する旅へ。いざ、ご一緒に。

著者プロフィール

坂本信博  (サカモトノブヒロ)  (著/文

1972年福岡市生まれ。マレーシアの邦字紙記者、日本の商社勤務を経て、1999年に西日本新聞社入社。長崎総局、宗像支局、社会部、東京支社報道部などで医療・教育・安全保障の取材や調査報道に従事。
2015年に長期連載「戦後70年 安全保障を考える」で平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞。2017年に外国人労働者との共生を考えるキャンペーン報道「新 移民時代」で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞。2018年にオンデマンド調査報道「あなたの特命取材班」(日本記者クラブ特別賞受賞)を創設。
2020年から中国総局長(北京特派員)。2022年に中国新彊ウイグル自治区の強制不妊疑惑を巡る調査報道で調査報道大賞選考委員特別賞受賞。2023年に帰国後、社会部次長を経て2024年8月から報道センター総合デスク。
主な共著に「医療崩壊を超えて」(ミネルヴァ書房)、「安保法制の正体」(明石書店)、「新 移民時代」(同)など。

上記内容は本書刊行時のものです。