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ハイン 地の果ての祭典 アン・チャップマン(著/文) - 新評論
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ハイン 地の果ての祭典 (ハイン チノハテノサイテン) 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死 (ナンベイフエゴショトウセンジュウミンセルクナムノセイトシ)

歴史・地理
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発行:新評論
A5判
280ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7948-1067-0   COPY
ISBN 13
9784794810670   COPY
ISBN 10h
4-7948-1067-9   COPY
ISBN 10
4794810679   COPY
出版者記号
7948   COPY
Cコード
C0039  
0:一般 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年2月25日
最終更新日
2017年4月4日
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書評掲載情報

2017-12-24 朝日新聞  朝刊
評者: 宮田珠己(エッセイスト)
2017-06-11 読売新聞  朝刊
評者: 土方正志
2017-06-04 朝日新聞  朝刊
評者: 山室恭子(東京工業大学教授・歴史学)
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紹介

尖った円錐形の仮面、裸身を覆う大胆な模様、不思議なポーズ─。人類学者M・グシンデが1923年に撮影した一連の写真を初めて見る人は、古いSF映画の一場面か、またはボディペインティング・アートかと思うかもしれない。実はこれは、セルクナムという部族が脈々と続けてきた祭典「ハイン」の扮装のひとつなのだ。
 セルクナム族と呼ばれる人々は、南米大陸の南端に点在するフエゴ諸島(ティエラ・デル・フエゴ)に住んでいた。そこは人間が定住した最も南の土地、「地の果て」だった。この地域には四つの異なる部族が暮らしていたが、セルクナムはそのなかでも最大のグループだった。
 主島のフエゴ島とそこに住む人々の存在は、1520年、マゼランの世界周航によって初めて西洋社会に知られた。以後多くの者がこの地を訪れる。「海賊」ドレーク、キャプテン・クック、ダーウィンを乗せたビーグル号、貿易船やアザラシ猟の船、金鉱探索者、キリスト教の伝道師たち、牧場経営者たち─。島民との間に様々な軋轢が生まれ、やがて一九世紀末に至ってフエゴ島は生き地獄と化す。公然と大虐殺が行われ、伝道所に強制収容された人たちの間に伝染病が蔓延し、そこから生きて出た者はわずかだった。フエゴ島民は短期間のうちに絶滅への道を辿り、生粋のセルクナムは1999年に絶えた。
 多くの西洋人の目に、フエゴ島民の生活は「野蛮」で「惨め」で、自分たちの「文化的生活」とはかけ離れたものと映った。酷寒の地で裸同然で暮らす人々のなかには、拉致され、見せ物にされた者も多くいた。だが、彼らは世界のどこにも似たものの無い独自の文化をもっていた。部外者にはほとんど明かされることのなかった祭典「ハイン」はその白眉だ。本書は、この驚くべき祭典の姿を、残された記録や往時を知る数少ない人たちの証言から丹念に描き出し、「消えた」部族の姿を生き生きと伝えている。(編集部)

著者プロフィール

アン・チャップマン  (アンチャップマン)  (著/文

Anne CHAPMAN(1922-2010) アメリカの人類学者。生き残っていたわずかなセルクナムと親交をむすび、生涯を通じてフエゴ島民の社会・文化を研究した。

大川豪司  (オオカワタケシ)  (翻訳

訳者 大川豪司 1961年生まれ。国際基督教大学卒。現在、英語の学習塾講師。

上記内容は本書刊行時のものです。