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動物×ジェンダー 村井 まや子(編著) - 青弓社
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動物×ジェンダー (ドウブツジェンダー) マルチスピーシーズ物語の森へ (マルチスピーシーズモノガタリノモリヘ)

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ17mm
重さ 428g
242ページ
上製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-9275-9   COPY
ISBN 13
9784787292759   COPY
ISBN 10h
4-7872-9275-7   COPY
ISBN 10
4787292757   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年2月28日
書店発売日
登録日
2023年12月25日
最終更新日
2024年4月8日
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紹介

人間と動物を対立させる価値観を退け、ポストヒューマンやクィアの思想を取り込んで、動物表象に潜むジェンダー力学を浮き彫りにする。動物や人間、精霊やウイルスをめぐる物語に分け入り、マルチスピーシーズとジェンダーの視野で作品の可能性を浮上させる。

目次

序 文 マルチスピーシーズ物語の森のマッピング 村井まや子/熊谷謙介

第1部 記された〈動物〉と〈性〉

第1章 共苦による連帯とその失敗――大江健三郎「泳ぐ男」における性差と動物表象の関係を手がかりに 菊間晴子
 1 大江作品にみられる動物表象
 2 想像力の挫折の物語としての「泳ぐ男」
 3 女性の犠牲者に対するまなざし
 4 動物としての男性
 5 非‐動物としての女性
 6 共苦から生まれる動物との連帯
 7 共苦する想像力、その限界と暴力性
 8 「わからなさ」の先の共同性

第2章 多和田葉子の動物演劇の試み――『夜ヒカル鶴の仮面』から『動物たちのバベル』へ 小松原由理
 1 両テクストにおける動物の役割
 2 言葉遊びから始まる――人間と動物の「重なり」
 3 「穴アキ(ルビ:アナーキー)演劇」として?――動物演劇のアンガージュマン

第3章 皮膚感覚的快楽の果てをめざして 熊谷謙介
――松浦理英子『犬身』論
 1 熱い触れ合い――『犬身』前後
 2 人間―犬―狼の異種間コミュニケーション
 3 スキンシップと性的快楽のあわい

第4章 マルチスピーシーズ・フェアリーテール研究序説 村井まや子
 1 ATUインデックスと人間中心的バイアス
 2 「マルチスピーシーズ・フェアリーテール」の分類法
 3 マルチスピーシーズ・フェアリーテール・ライブラリー

第2部 多様な種の文化表象へ

第5章 銃を持つダイアナ――二十世紀転換期アメリカにおける狩猟とジェンダーをめぐる言説 信岡朝子
 1 狩猟する女性の「発見」
 2 アメリカの祖先としてのハンター
 3 文明的な狩猟の創造
 4 安全装置としての女性ハンター
 5 象を撃つダイアナ――デリア・エイクリーの狩猟記
 6 男性らしい(manly)白人女性の自意識

第6章 オーストラリア児童文学におけるアボリジナル文化――精霊の表象を手がかりに 鈴木宏枝
 1 パトリシア・ライトソンの試み
 2 スー・マクファーソン――共生と抱擁

第7章 モクモク村のQちゃん――「野性」と「男性性」のクィア・リーディング 菅沼勝彦
 1 『モクモク村のけんちゃん』
 2 セジウィックと「クィア・パフォーマティヴィティ」
 3 けんちゃんと魔王の男性性
 4 モクモク村のQちゃん
 5 「クィア・パフォーマティヴィティ」と「フェロックス」の実践

第8章 ワクチンとしての物語――章夢奇のドキュメンタリー作品における女性の語りを手がかりに 秋山珠子
 1 幼女たち
 2 少女たち
 3 老女たち


【お詫びと訂正】
本書に以下の誤りがありました。

24ページの注(3)
【誤】『動物の権利』(一九七五年)という書名のとおり動物の権利を主張する
【正】『動物の解放』(一九七五年)という書名のとおり動物の解放を主張する

ご指摘くださった方にお礼を申し上げるとともに、読者のみなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫びし訂正します。

熊谷謙介/青弓社編集部 2024年4月8日

版元から一言

民話やおとぎ話の動物と人間の関係、寓話やファンタジーに登場する精霊、狩猟と男性性、冒険物語を脱構築する動物――それらを文学や芸術はどのように描いてきたのか。大江健三郎、多和田葉子、松浦理英子たちの現代の「動物作品」は何を表象しているのか。

動物が人間よりも劣位に置かれる文化・構造を踏まえ、人間中心の視点を脱し、複数種(マルチスピーシーズ)の絡まり合いから作品や表象を読み解く。これに加えて、女性が男性から差別される非対称性に基づき、ジェンダーの視点も重ね合わせて多角的に分析する。

人間と動物を対立させる価値観を退け、エコクリティシズムやポストヒューマンの思想の潮流に棹さしながら、動物表象に潜む力学を浮き彫りにする。動物や人間、精霊をめぐる物語の森に分け入り、マルチスピーシーズやジェンダーなどの複合的な視野で作品の可能性を浮上させる新たなリーディングの地平。

著者プロフィール

村井 まや子  (ムライ マヤコ)  (編著

神奈川大学外国語学部教授、おとぎ話文化研究所所長。専攻はおとぎ話文化、比較文学。著書にFrom Dog Bridegroom to Wolf Girl、共編著にRe-Orienting the Fairy Tale(ともにWayne State University Press)、共著にThe Fairy Tale World(Routledge)、A Cultural History of Fairy Tales(Bloomsbury)、『男性性を可視化する』(青弓社)など。

熊谷 謙介  (クマガイ ケンスケ)  (編著

神奈川大学国際日本学部教授。専攻はフランス文学・文化、表象文化論。著書にLa Fête selon Mallarmé(L'Harmattan)、編著に『男性性を可視化する』『破壊のあとの都市空間』、共著に『〈68年〉の性』『〈悪女〉と〈良女〉の身体表象』(いずれも青弓社)、共訳書に『古典BL小説集』(平凡社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。