書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
長島愛生園 神谷書庫所蔵目録
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年11月20日
- 書店発売日
- 2024年11月8日
- 登録日
- 2024年8月1日
- 最終更新日
- 2024年11月7日
紹介
わが国最大のハンセン病関連文献の宝庫の全貌を明らかにする、最新・最大のハンセン病文献関連書誌
岡山県瀬戸内市の小島に位置する国立ハンセン病療養所・長島愛生園。その構内に、同園で働いていた精神科医・神谷美恵子(1914-1979)の名前を冠した「神谷書庫」という小さな図書室がある。長島愛生園に開園以来在所していた歴代の患者有志が全国のハンセン病療養所から集めた機関誌(約8500点)や書籍など(約4000点)を所蔵しており、ハンセン病関連の文献に特化して同分野では国立ハンセン病資料館の蔵書を超える日本随一のコレクションといえる。
しかしながら、冊子体の蔵書目録は存在しておらず、これまでは同書庫を管理する長島愛生園の機関誌「愛生」の編集部に直接問い合わせをするよりほかなかった。本書は同編集部から所蔵データの提供を受け、のちに寄贈された神谷自身の蔵書(和書・洋書合わせて約450点)も含めて、神谷書庫の全貌を初めて明らかとする。
また、県内に二つのハンセン病療養所を持つ岡山県立図書館が収集した「ハンセン病関係資料目録」(約1600点)も併載し、これら三つの所蔵を併せて引ける「書名」「著者名」「出版者名」の3つの索引を付す。
【収録内容】
・神谷書庫蔵書目録(機関誌約8500点、書籍など約4000点、2022年10月21日現在)
・神谷美恵子旧蔵和洋書目録(和書約200点、洋書約250点、2022年10月21日現在)
・岡山県立図書館所蔵ハンセン病関係資料目録(約1600点、2023年5月31日現在)
前書きなど
ハンセン病療養所長島愛生園の神谷書庫は、入所者側の資料の一大宝庫である。1930年に開設された最初の国立療養所である長島愛生園の入所者たちは、開園当初から「ハンセン病の歴史は入所者自身の資料によって入所者自身の手で書かれなくてはならない」という問題意識で、代々の入所者が組織的かつ継続的に資料の収集を行ってきた。その資料は各園の機関誌から、放置すれば確実に失われてしまったに違いない仲間内だけで読まれた発行部数数十部の文芸同人誌まで目配りされている。またその収集範囲も国内にとどまらず当時植民地であった台湾の療養所にまで及んでいる。明石海人の生原稿などもこうした入所者の手で保存されてきた。
しかし、今まで神谷書庫はハンセン病関係の資料の宝庫であると知られてはいたが、実際に何があるのかは、出向いて確認する必要があった。この目録はその渇を癒すべく、資料を管理する「愛生」編集部の協力を得て刊行される。
また岡山県立図書館の御厚意によって「岡山県立図書館所蔵ハンセン病関係資料目録」も併載することができた。
本目録によって、入所者自身の手によって書き残された、過酷な隔離政策下において営まれた多様な生活と活動と思索の記録が明らかになり、被害と加害という二項対立が脱構築されて、ハンセン病史に新しいページが加えられていくことを期待します。
2024年9月1日
皓星社編集部
上記内容は本書刊行時のものです。