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建具の手がかり 藤田 雄介(著/文) - 学芸出版社
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建具の手がかり (タテグノテガカリ) 境界を操作する39の手法 (キョウカイヲソウサスルサンジュウキュウノシュホウ)

工業・工学
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発行:学芸出版社
B5変型判
縦257mm 横182mm 厚さ15mm
188ページ
定価 2,800円+税
ISBN
978-4-7615-2904-8   COPY
ISBN 13
9784761529048   COPY
ISBN 10h
4-7615-2904-0   COPY
ISBN 10
4761529040   COPY
出版者記号
7615   COPY
Cコード
C0052  
0:一般 0:単行本 52:建築
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年9月25日
書店発売日
登録日
2024年7月7日
最終更新日
2024年9月26日
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紹介

建具は空間を仕切りながら、つなぐものでもある。自らの設計の軸に建具を活かし、建具メーカーも運営する著者が、近代建築の巨匠から気鋭の若手までの26作と、著者自身による13作を充実の図面・写真とともに紐解く。距離、構え、環境、ディテール、再利用の5つの観点から、境界と空間を操作する建具の可能性を見出す一冊。

目次

序 すべては建具である──閉てながらつながる空間モデルへ

1章 距離
──建具と構成の組み合わせによる複雑な距離感
1-1 スカイハウス(菊竹清訓)・・・かけがえのない空間を守る「自在な結界」
1-2 那須の山荘(宮晶子)・・・身体と環境を溶け合わせる門型壁と建具
1-3 T house(藤本壮介)・・・動かない建具としての薄い壁
1-4 ササハウス(矢部達也)・・・特別な「外」を生む軒下
1-5 藤村記念堂(谷口吉郎)・・・近いことと遠いことを内包する2本の境界線
著者事例1-1 ジャジャハウス・・・建具と柔軟な架構が支える、家であり公民館のような場の活動
著者事例1-2 柱の間の家・・・在来構法と建具による可変的な住み方
コラム1 感染症と建具

2章 構え
──建具が表情をつくり、また一変させる
2-1 旧前川國男邸(前川國男)・・・「日本的なもの」と「モダニズム」が混成した素朴で開放的な建具
2-2 Small House(畝森泰行)・・・都市に近づくふるまいを喚起する建具
2-3 SHAREyaraicho(篠原聡子+内村綾乃)・・・コモンズを成り立たせるための2つの構え
2-4 家と道(中山英之)・・・異なる度合いで内部化された道の並列
2-5 KITAYON(寳神尚史+太田温子)・・・個の存在を街に表す、細やかな境界
2-6 house/studio O+U(木村吉成+松本尚子)・・・FRP板ファサードと軸組のずれによる「構え直し」
著者事例2-1 花畑団地27号棟プロジェクト・・・建具が再編する団地風景
著者事例2-2 傘と囲い・・・耐震補強と敷地への応答を兼ねた「建具的」な構え
コラム2 生産と建具

3章 環境
──建具の重なりから生まれる多元的な快適性
3-1 聴竹居(藤井厚二)・・・境界の重なりから環境を制御する
3-2 反住器(毛綱毅曠)・・・奇抜な形の中に配慮が垣間見える室内窓
3-3 牛久のギャラリー(堀部安嗣)・・・「調整する」という建具のコモンセンス
3-4 白馬の山荘(仲俊治+宇野悠里)・・・自然との戯れを楽しむエコロジカルな境界
3-5 小杉湯となり(樋口耕介+瀧翠)・・・「銭湯的」な現象を生み出す建具と環境層
著者事例3-1 AKO HAT・・・サンルームと多面窓により熱と空気を調整する家
著者事例3-2 公園上の家・・・開放感と安堵感を自在に選び取れる家
著者事例3-3 羽根木の住宅・・・光を灯し、建築の手触りを取り戻すための部品
コラム3 衣服と建具

4章 ディテール
──受け継がれつつ、積み重ねられる工夫
4-1 旧猪股邸(吉田五十八)・・・明朗性の中の「見えない境界」
4-2 井の頭の家(吉村順三、増築:日高章)・・・吉村障子と貸し室のある住み方に通ずる「緩やかな形式」
4-3 私たちの家(林昌二+林雅子、改修:安田幸一)・・・「空間の骨格」の中を自由に動く建具たち
4-4 ZIG HOUSE / ZAG HOUSE(古谷誠章)・・・壁と同化させた開きつつ遮る「間戸」
4-5 小石川の家(手嶋保)・・・「道理」に沿った建具と建築の一体化
著者事例4-1 東松山の住宅・・・框の見付けと面材による境界面の諧調
著者事例4-2 白と黒の家・・・必要な要素だけがある家と建具
著者事例4-3 山手の住宅・・・「通り」と「路地」、それぞれの建具の設え
コラム4 工芸と建具

5章 再利用
──エレメントから空間を変え、広域と結びつく
5-1 豊崎長屋(大阪市立大学 竹原・小池研究室+ウズラボ)・・・都市の規範が編み出すフレキシブルな境界の操作
5-2 須栄広長屋(大阪市立大学 小池研究室+ウズラボ)・・・境界面の移動によって街との関わりしろをつくる
5-3 SAYAMA FLAT(長坂常)・・・残された建具が予期させる向こう側
5-4 真鶴出版2号店(冨永美保+伊藤孝仁)・・・建築と場所を縫い合わせる建具
5-5 &Form スタジオ兼ギャラリー(中村竜治)・・・間仕切りとしてのアルミサッシが生み出す「外」
著者事例5-1 芦花公園の住宅・・・空間の連続性と可変性を取り戻す布框戸
著者事例5-2 糸帳(いとばり)・・・建具の小さな改修から生まれる、街との適度な関係性
著者事例5-3 野縁の家・・・野縁を再構成した光天井と木枠建具による明るい部屋

あとがき
建築データ・図版クレジット

著者プロフィール

藤田 雄介  (フジタ ユウスケ)  (著/文

1981年兵庫県生まれ。2005年日本大学生産工学部建築工学科卒業。2007年東京都市大学大学院工学研究科修了。手塚建築研究所を経て2010年Camp Design設立。2015~19年明治大学兼任講師。
現在、東京都市大学、日本大学、工学院大学、東京電機大学非常勤講師。明治大学大学院理工学研究科後期博士課程在籍。
主な受賞歴に「花畑団地27号棟プロジェクト」でUR団地再生デザインコンペ最優秀賞、アジアデザイン賞Bronze Award、住まいの環境デザインアワード優秀賞、グッドデザイン賞、「柱の間の家」でグッドデザイン賞、「ジャジャハウス」でSD Review 2022入選、「傘と囲い」で日本建築学会作品選集などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。