書店員向け情報 HELP
出版者情報
問いのデザイン
創造的対話のファシリテーション
- 初版年月日
- 2020年6月10日
- 書店発売日
- 2020年6月4日
- 登録日
- 2020年4月25日
- 最終更新日
- 2024年1月24日
書評掲載情報
2020-07-25 | 朝日新聞 朝刊 |
2020-07-19 | 産經新聞 朝刊 |
MORE | |
LESS |
紹介
課題解決のためのチームの話し合いにおいて「良いアイデアが生まれない」「チームの一体感がない」と感じるとき、それはチームのメンバーやマネージャーの能力不足ではなく、チームで向き合っている「問い」がうまくデザインされていないからだ。
そもそも何を解決すべきなのか、「本当に解くべき課題」を正しく設定できなければ、その後、どんなにワークショップやファシリテーションの工夫を重ねても、根本的に解決の方向性がずれてしまい、関係者に「創造的な対話」は生まれない。
本書は、企業の商品開発・組織変革・人材育成などの複雑な課題解決の現場において、問題の本質を見抜き、解くべき課題を正しく設定し、関係者を巻き込み、課題解決のプロセスをデザインするための思考法・スキルについて体系化。
人とチームのポテンシャルを引き出し、組織や事業の創造性、イノベーションを促すための必読書。
目次
序論 なぜ今、問いのデザインなのか
1. はじめに
2. 「認識」と「関係性」の固定化の病い
3. 企業、学校、地域を揺さぶる問いの技法
4. 本書の構成:課題とプロセスのデザイン
PartⅠ 問いのデザインの全体像
1章 問いのデザインとは何か
1.1. 問いとは何か
問いの基本性質を探る
問いかけによって刺激される思考と感情
1.2. 創造的対話とは何か
問いが誘発するコミュニケーションタイプ
対話によって揺さぶられる個人の認識
共通の意味づけを探るなかで、関係性が編み直される
新たなアイデアを創発する創造的対話
問いは新たな問いを生みだす
1.3. 基本サイクルとデザイン手順
問いの基本サイクル
問いのデザインの手順
PartⅡ 課題のデザイン:問題の本質を捉え、解くべき課題を定める
2章 問題を捉え直す考え方
2.1. 問題と課題の違い
問題とは何か?
洞察問題の解決を阻む固定観念
当事者の認識によって、問題の解釈は変化する
関係者の視点から問題を捉え直す
問題と課題の違い
2.2. 課題設定の罠
課題設定の罠(1)自分本位
課題設定の罠(2)自己目的化
課題設定の罠(3)ネガティブ・他責
課題設定の罠(4)優等生
課題設定の罠(5)壮大
2.3. 問題を捉える思考法
問題を捉える思考法(1)素朴思考
問題を捉える思考法(2)天邪鬼思考
問題を捉える思考法(3)道具思考
問題を捉える思考法(4)構造化思考
問題を捉える思考法(5)哲学的思考
3章 課題を定義する手順
3.1. 目標を整理する
課題を定義する手順
STEP1:要件の確認
STEP2:目標の精緻化
3.2. 目標のリフレーミング
STEP3:阻害要因の検討
STEP4:目標の再設定
3.3. 課題を定義する
STEP5:課題の定義
PartⅢ プロセスのデザイン:問いを投げかけ、創造的対話を促進する
4章 ワークショップのデザイン
4.1. ワークショップデザインとは何か
現代社会とワークショップ
ワークショップの本質的特徴
なぜ、ブレストからアイデアが生まれないのか?
ワークショップデザインにおける問いの重要性
ワークショップとは経験のプロセスをデザインすること
プログラムの基本構造
4.2. ワークショップの問いをデザインする
ワークショップの問いをデザインする手順
手順(1)課題解決に必要な経験のプロセスを検討する
手順(2)経験に対応した問いのセットを作成する
手順(3)足場の問いを組み合わせてプログラムを構成する
プログラムのタイムテーブルの調整
4.3. 問いの評価方法
ワークショップにおける良い問いとは何か
問いの「深さ」を設定する
問いを因数分解する
アイスブレイクこそ問いが肝心
5章 ファシリテーションの技法
5.1. ファシリテーションの定義と実態
ファシリテーションとは何か
ファシリテーションはなぜ難しいのか?
ファシリテーションを妨げる六つの要因
プログラムデザインとファシリテーションの補完関係
ファシリテーターの本当の役割とは何か
5.2. ファシリテーターのコアスキル
ファシリテーターのコアスキルとは
コアスキル(1)説明力
コアスキル(2)場の観察力
コアスキル(3)即興力
コアスキル(4)情報編集力
コアスキル(5)リフレーミング力
コアスキル(6)場のホールド力
5.3. ファシリテーターの芸風
ファシリテーターの芸風とは何か
芸風(1)場に対するコミュニケーションスタンス
芸風(2)場を握り、変化を起こすための武器
芸風(3)学習と創造の場づくりに関する信念
5.4. 対話を深めるファシリテーションの技術
「導入」のファシリテーション
「知る活動」のファシリテーション
「創る活動」のファシリテーション
「まとめ」のファシリテーション
5.5. ファシリテーションの効果を高める工夫
4タイプの即興の問いかけを駆使する
チームによるファシリテーション
組織内のファシリテーターを育てる
空間のレイアウトの工夫
対話を可視化するグラフィックレコーディング
ファシリテーションの技術を磨き続けるために
PartⅣ 問いのデザインの事例
6章 企業、地域、学校の課題を解決する
ケース1 組織ビジョンの社員への浸透:資生堂
ケース2 オフィス家具のイノベーション:インスメタル
ケース3 三浦半島の観光コンセプトの再定義:京浜急行電鉄
ケース4 生徒と先生で考える理想の授業づくり:関西の中高生とナレッジキャピタル
ケース5 ノーベル平和賞受賞者と高校生の対話の場づくり:京都の公立高校生とインパクトハブ京都
ケース6 博物館での問いの展示:京都大学総合博物館
おわりに
上記内容は本書刊行時のものです。