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アジア・アフリカの都市コミュニティ 城戸 哲夫(著/文 | 編集) - 学芸出版社
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アジア・アフリカの都市コミュニティ (アジアアフリカノトシコミュニティ) 「手づくりのまち」の形成論理とエンパワメントの実践 (テヅクリノマチノケイセイロンリトエンパワメントノジッセン)

工業・工学
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発行:学芸出版社
A5判
208ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-7615-2613-9   COPY
ISBN 13
9784761526139   COPY
ISBN 10h
4-7615-2613-0   COPY
ISBN 10
4761526130   COPY
出版者記号
7615   COPY
Cコード
C0052  
0:一般 0:単行本 52:建築
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2015年11月10日
最終更新日
2015年11月25日
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紹介

世界の都市人口が激増する現代、人口の受け皿ともなっているインフォーマル市街地は、真摯に居住環境と向き合うコミュニティがつくるエネルギッシュな「手づくりのまち」だ。気鋭の研究者たちが、アジア・アフリカ9都市の綿密なフィールドワークから近代都市計画の限界を超えた新たなまちづくりの可能性を示す。

目次

はじめに

序章 アジア・アフリカのまちづくり:論点 城所哲夫
1 インフォーマル市街地と手づくりのまち
1.1 インフォーマル市街地とは?
1.2 手づくりのまちの可能性
2 アジア・アフリカにおけるまちづくりの潮流と論点
2.1 貧困緩和政策と居住政策
2.2 居住政策とまちづくり:潮流と論点
3 成長するコミュニティ・ガバナンス

〈第1部 東アジア・東南アジア〉
第1章 ──インドネシア 志摩憲寿
「手づくり」の居住環境改善事業とその展開
1 カンポン改善プログラムの手法とその到達点
1.1 カンポン改善プログラムの手法
1.2 カンポン改善プログラムの到達点
2 インドネシアにおけるインフォーマル市街地の居住環境改善策の系譜
2.1 インフォーマル市街地の居住環境改善策の系譜
2.2 インフォーマル市街地の居住環境改善策の現在
3 「手づくりのまち」の展開可能性:インドネシアの経験から

第2章 ──タイ 柏崎梢
都市コミュニティをめぐる組織化と地域化
1 バンコク・メガシティの誕生とスラムの生成
1.1 城壁からの都市化
1.2 膨らむスラム人口
1.3 スラム政策とコミュニティの萌芽
1.4 タイ的なる「コミュニティ」主義の影響
2 「スラム」から「都市コミュニティ」へ
2.1 コミュニティの登録開始
2.2 テーマ型グループおよびネットワーク化の拡大
2.3 投資先としてのコミュニティへ
3 新たな変容としての地域化
3.1 コミュニティのフォーマル化
3.2 バンコクのコミュニティ組織協議会
3.3 コミュニティ組織協議会の実態分析
3.4 事例の紹介
4 コミュニティの組織化と地域化プロセスから見える展望と課題

第3章 ──フィリピン 小早川裕子
セブ市における土地取得事業導入過程
1 インフォーマル市街地の拡大と土地取得事業
1.1 都市インフォーマル市街地と貧困層削減政策の変遷
1.2 国家の都市貧困削減政策
2 都市インフォーマル市街地、バランガイ・ルス
2.1 バランガイ・ルスの誕生とスラム形成過程
2.2 土地取得事業導入前のルス住民の経済状況
3 土地取得事業の導入と住民の行為選択
3.1 コミュニティ抵当事業導入までの経緯
3.2 CMP導入当時の住民の行為選択と社会性
3.3 関係アクター間の隠れた目論み
4 コミュニティ開発の考察

第4章 ──中国 孫立
城中村現象とその住環境整備
1 城中村現象の出現
1.1 農民工の急増と城中村の出現
1.2 城中村の特質
2 城中村形成のメカニズム
2.1 改革開放以来の急速な都市化
2.2 都市・農村分割の二元体制
2.3 城中村形成のメカニズム
3 城中村の住環境上の課題
3.1 賃貸住宅市場における城中村の役割
3.2 住環境悪化の要因
4 城中村の住環境整備事業の課題と展望
4.1 無形改造(制度上の改善)
4.2 無形改造(制度上の改善)の評価
4.3 有形改造(再開発)
4.4 有形改造(再開発)の評価

〈第2部 南アジア〉
第5章 ──バングラデシュ ナンディニ・アワル、北原玲子
ダッカにおけるスラムの空間・社会・文化
1 メガシティの貧困
1.1 都市化とスラム
1.2 人口増加とスラム
1.3 ダッカのスラム
1.4 スラムの生活状況
1.5 スラムへの取り組み
1.6 バシャンテック・スラム
1.7 カライル・スラム
2 スラムの空間と社会
2.1 住宅の空間と生活
2.2 オープンスペースの役割
2.3 住宅の空間構成
2.4 住宅の事例紹介
3 スラムの空間と文化
3.1 住宅の材料と配置
3.2 生活と生業の空間
3.3 近隣との関係性
4 スラムの持続可能性
4.1 スラムの役割
4.2 スラムの改善
4.3 低コスト住宅の改善
4.4 スラムの再開発

第6章 ──インド 鳥海陽史、城所哲夫
ムンバイ・ダラービーの社会生態空間
1 社会生態空間の捉え方
2 インフォーマル市街地形成の制度的要因と改善策
2.1 インフォーマル市街地形成の制度的要因
2.2 インフォーマル市街地の改善政策の変遷
3 ダラービーの社会空間の特徴
3.1 ダラービー地区の概況
3.2 棲み分けと共生の論理
4 ダラービーにおける交流の場の生成と特徴
4.1 住民間交流の場の類型
4.2 交流の場の生成と共生の論理
5 ダラービーの社会生態空間の形成論理

第7章 ──パキスタン 森川真樹
インフォーマル市街地における住環境改善
1 インフォーマル市街地での住環境改善
2 学習する組織とアプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
2.1 組織学習論の概略
2.2 学習する組織
2.3 アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
3 住環境改善におけるAI活用事例の考察
3.1 フィールドの概要
3.2 二つの住民組織での事例から
4 そこに「在る」ものを活かす

〈第3部 アフリカ〉
第8章 ──ザンビア 梶原悠
ルサカのインフォーマル市街地における空間マネジメント
1 インフォーマル化する都市
1.1 都市の起源
1.2 都市空間構造
2 インフォーマル市街地の改善施策
2.1 (法定および改良地区)住宅法の制定
2.2 改良地区における開発規制
3 インフォーマル市街地における空間マネジメントの実態
3.1 調査の概要
3.2 居住空間の特質
3.3 土地所有と権威の所在
3.4 外部空間の利用
3.5 開発行為の規制
4 持続的な空間マネジメントの構築に向けて

第9章 ──ケニア 井本佐保里
ナイロビにおけるノンフォーマルスクールの
空間生成プロセスと近隣との関係
1 ナイロビのスラムとノンフォーマルスクール
1.1 ノンフォーマルスクールの位置づけと本章の目的
1.2 ナイロビ・ムクルスラムの概要と調査手法
2 ムクルスラムにおける学校の空間生成プロセスの実態
2.1 設立経緯と所有関係
2.2 立地条件と建物配置
2.3 教室のしつらえと工夫
2.4 その他の設備・サービスとその整備
3 ノンフォーマルスクールと近隣との関係
4 学校と近隣との新しい関係

結章 志摩憲寿、柏崎梢
「手づくりのまち」の論理
1 各章事例に読む「手づくりのまち」の到達点
論点1 マス・ハウジングvs. セルフ・ヘルプ・ハウジング
論点2 エンパワメントvs. 市場活力
論点3 コモンズvs. 私的土地所有権
2 「手づくりのまち」の論理

索引
おわりに

著者プロフィール

城戸 哲夫  (キドコロ テツオ)  (著/文 | 編集

1958年生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授。博士(工学)。東京大学大学院修士課程修了、国連ESCAP Associate Expert、国連地域開発センター専門研究員、チュラロンコン大学客員講師を経て、1996年4月より現職。国連大学高等研究所客員教授、世界銀行・アジア開発銀行コンサルタント、OECD専門家等。専門分野は、都市・地域計画、アジア都市計画。主な著作に『復興まちづくり最前線』(編著、学芸出版社)、『広域計画と地域の持続可能性』(共著、学芸出版社)、『Understanding African Urbanization: Discourse, Representation and Actuality』(編著、東京大学都市持続再生研究センター)、『Sustainable City Regions: Space, Place and Governance』(編著、Springer)、『Vulnerable Cities: Realities, Innovations and Strategies』(編著、Springer)など。

志摩 憲寿  (シマ ノリヒサ)  (著/文 | 編集

1977年生まれ。東洋大学国際地域学部准教授。博士(工学)。東京大学大学院博士課程修了、東京大学都市持続再生研究センター特任講師などを経て2014年より現職。国連ハビタット、アジア開発銀行でコンサルタント、国連大学でリサーチフェローなども兼任。専門分野は都市計画・まちづくり。近年は東南アジアに加えサブサハラアフリカも研究対象としている。主な著作に『Understanding African Urbanization: Discourse, Representation and Actuality』(編著、東京大学都市持続再生研究センター)、『世界のSSD100:都市持続再生のツボ』(編著、彰国社)など。

柏﨑 梢  (カシワザキ コズエ)  (著/文 | 編集

1981年生まれ。東洋大学国際地域学部特任講師。博士(工学)。アジア工科大学院(Asian Institute of Technology)修士課程修了、東京大学大学院博士課程修了。横浜国立大学男女共同参画推進センターみはるかす研究員、東京大学大学院都市持続再生学コース(東大まちづくり大学院)特任助教などを経て、2015年5月より現職。専門分野は、アジア都市計画、コミュニティ開発。主な論文に「タイの都市中間層による地域コミュニティ開発活動の実施状況および制度的課題に関する一考察」(『日本都市計画学会都市計画論文集』49-3号、2014年)など。

小早川 裕子  (コバヤカワ ユウコ)  (著/文

東洋大学国際地域学部特任講師兼海外研修コーディネーター。博士(国際地域学)。豪州ニューサウスウェルズ州立大学(University of New South Wales)文学部卒業、東洋大学大学院修士課程国際地域学研究科国際地域学専攻および同博士課程国際地域学研究科修了。専門分野は、フィリピン地域研究、コミュニティ開発。

孫 立  (ソン リ)  (著/文

1974年生まれ。北京建築大学都市計画系副主任、副教授、中国認定都市計画師。博士(工学)。専門分野は、都市・地域計画。主な著作に『中国城中村の現状とその住環境整備』(中国建築工業出版社)、『北京建築大学教師計画作品集』(編著、中国建築工業出版社)など。

北原 玲子  (キタハラ レイコ)  (著/文

1969年生まれ。名古屋女子大学家政学部生活環境学科専任講師。博士(工学)。日本女子大学大学院修士課程修了後、東 環境・建築研究所にて設計・施工監理。その後、東京大学大学院博士課程修了、日本女子大学・早稲田大学・東洋大学非常勤講師を経て、2015年4月より現職。専門分野は、建築計画、建築設計、住居学、居住文化論。

ナンディニ・アワル  (アンディニ アワル)  (著/文

1980年生まれ。BRAC University, Department of Architecture准教授。博士(工学)。BUET (Bangladesh University of Engineering and Technology) 卒業、東京大学大学院博士課程修了。2013年6月より現職。専門分野は、建築計画、建築設計。

鳥海 陽史  (トリウミ ヨウジ)  (著/文

1987年生まれ。独立行政法人国際協力機構(JICA)職員。修士(工学)。東京大学大学院修士課程修了、2012年4月より現職。専門分野は、都市・地域計画。国際協力機構においてパキスタンの円借款案件を担当した後、現在はモンゴル、東ティモール、ブータンなどの都市・地域開発案件や、ネパールにおける地震災害復旧・復興案件を担当。

森川 真樹  (モリカワ マキ)  (著/文

1969年生まれ。独立行政法人国際協力機構(JICA)国際協力専門員。博士(工学)。東京大学大学院博士課程単位取得退学、ユネスコ・アジア文化センター、立教大学アジア地域研究所研究員、在パキスタン日本国大使館専門調査員、国際協力銀行専門調査員、(株)国際開発アソシエイツ等を経て、2015年8月より現職。専門分野は、都市・地域開発計画。主な著作に『世界のSSD100:都市持続再生のツボ』(共著、彰国社)、『現代パキスタン分析:民族・国民・国家』(共著、岩波書店)など。

梶原 悠  (カジハラ ハルカ)  (著/文

1983年生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程。主な研究テーマは、アフリカの都市計画、都市のインフォーマリティ。主な著作に『Understanding African Urbanization: Discourse, Representation and Actuality』(共著、東京大学都市持続再生研究センター)。

井本 佐保里  (イモト サオリ)  (著/文

1983年生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻・復興デザイン研究体助教。博士(工学)。(株)藤木隆男建築研究所、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。2014年7月より現職。専門分野は建築計画、特に災害後の生活再建、スラムにおける子ども施設に関連する研究・実践。主な著作に『保育環境のデザイン』(共著、全国社会福祉協議会)、『Understanding African Urbanization: Discourse, Representation and Actuality』(共著、東京大学都市持続再生研究センター)。

上記内容は本書刊行時のものです。