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実証・仮設住宅 大水 敏弘(著/文) - 学芸出版社
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実証・仮設住宅 (ジッショウ カセツジュウタク) 東日本大震災の現場から (ヒガシニホンダイシンサイノゲンバカラ)

工業・工学
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発行:学芸出版社
A5判
236ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-7615-2556-9   COPY
ISBN 13
9784761525569   COPY
ISBN 10h
4-7615-2556-8   COPY
ISBN 10
4761525568   COPY
出版者記号
7615   COPY
Cコード
C0052  
0:一般 0:単行本 52:建築
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2015年8月13日
最終更新日
2015年8月13日
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紹介

東南海地震など大災害が予想される現在、仮設住宅建設の下準備は自治体等の喫緊の課題だが、資料があまりに乏しい。本書では岩手県で仮設住宅建設の陣頭指揮にあたった著者が、東日本大震災における仮設住宅の建設状況を振り返りながら、大規模な災害時における課題と今後のあり方を率直に語っている。関係者待望の書。

目次

まえがき


序章 仮設住宅とは
    応急仮設住宅の所管は厚生労働省
    仮設住宅の基本的な基準
    仮設住宅の建設態勢
    仮設住宅の歴史

1章 被災直後から仮設住宅建設初期の対応まで──現場から
 1 震災直後の混乱の中で
    仮設住宅の着工準備へ
    岩手県では役に立たなかった「建設可能地リスト」
    とても役に立った「阪神・淡路大震災の記録資料」
    プレハブ建築協会への建設要請
    第1弾着工
    着工は被災規模の大きい市町村から
    一躍知れ渡った「陸前高田」
    先例の学習
    途中で足りなくなった阪神・淡路の仮設住宅
 2 どこにどれだけ建てればいいのか
    仮設住宅の用地はどれだけ必要か
    仮設はどこに建てたらよいか
    被災市町村以外という選択肢
    被災市町村以外を避けたいもう一つの理由
    めざせ現地復興
    岩手県から始まった民有地活用
    厚生労働省の通知で民有地活用にはずみ
    学校の校庭に建てるべきか
    県と市町村の二人三脚
    やむを得ず被災市町村以外に建設するケース
    郊外に建ててうまくいかなかった阪神・淡路
    必要戸数が少なすぎる
    必要戸数の見直しは早めに行うべし
 3 動き出さない建設工事
    軌道に乗らない仮設住宅建設工事
    ガソリンがない、資材がない、宿がない
    資材をめぐる混乱
    寒冷地仕様の断念
    水がない、道がない、電気がない
 4 いよいよ入居開始
    第1弾入居
    契約書の作成
    入居期間の問題
    入居者選定のあり方
    抽選なし入居の実現
    被災者自らが用地を確保する事例も
    被災者への情報発信、相談対応
    人員の増強
 5 開けた地元発注への道
    プレハブ建築協会とは
    規格建築部会と住宅部会
    仮設住宅大量供給の流れ
    リースと買取り
    一大産業となった仮設住宅建設
    地元工務店等に発注するという道
    公募による建設事業者の選定
    被災3県による対応の違い
    地元工務店等による仮設住宅の特徴
    輸入住宅を導入すべきか

2章 仮設住宅の完成・避難所の閉鎖まで──俯瞰して見てみる
 1 仮設住宅建設の遅れと政府の対応
    1か月経っても進まない仮設住宅建設
    4月中旬からようやくエンジン全開
    5月末までに全国で3万戸
    「5月末3万戸」の影響
    「お盆の頃までに入居」という目標
 2 民間住宅借上げというもう一つの選択肢
    民間賃貸住宅の借上げによる応急仮設住宅
    東日本大震災における民間賃貸住宅活用の拡大
    一気に広がった「みなし仮設」
    デメリットもある「みなし仮設」
    「みなし仮設」は情報過疎になりやすい
    いつまで入居可能か分からない
    事務処理に追われる県
    安くつくのかは分からない
    家賃補助化ができるか
 3 仮設住宅の完成と避難所の閉鎖
    減少した建設仮設の需要
    必要戸数1万4千戸の算出の仕方
    1万4千戸の早期完成に向けて
    最後の苦しみ
    相次ぐトラブル
    「お盆の頃までに入居」に向けて
    避難所が解消されなかった阪神・淡路
    岩手県内の避難所の閉鎖
    避難所の解消に苦慮した気仙沼、石巻
    みなし仮設で減少した建設仮設の需要
    建設仮設の空き家問題

3章 東日本大震災における仮設住宅の達成点と問題点
 1 様々な仮設住宅
    被災3県の提案型木造仮設
    鉄骨造の提案型仮設
    住田町独自の仮設住宅
    地元建設の道を切り開いた住田の仮設住宅
    遠野市からの仮設住宅建設の提案
    遠野市でも実現した木造仮設住宅
 2 バリアフリーやコミュニティに配慮した仮設住宅
    バリアフリーへの配慮
    コミュニティケア型仮設住宅
    仮設住宅団地におけるコミュニティ配慮
    集会所の設置、バリアフリー化
    遊具、プランター等の設置
    サポートセンターの設置
    グループホーム型仮設住宅の必要性
    東日本大震災におけるグループホーム型仮設住宅の建設
    南入り仮設住宅の実現
    みんなの家
 3 完成後の追加対策
    数々の苦情
    暑さ対策、寒さ対策
    その他の追加工事
    畳について
    凍結の発生
    追い焚き機能の追加
    振り返るに

4章 得られた教訓と将来への展望
 1 東日本大震災における対応から学べること
    多様な建設事業者の活用
    県と市町村の役割分担
    災害救助法所管部局との関係
    重要となる住宅確保のための総合対策
    部局間連携不足による問題
    そのほか特に反省すべきこと
    特に改善が図られたこと
 2 平時から災害に備える
    住宅確保全般
    仮設住宅建設関係
    公営住宅関係
    民間住宅関係
    訓練の実施
    仮設のまちづくりシミュレーション
    首都直下地震・南海トラフ巨大地震が起きたらどうなるか
    災害対応で心がけるべきこと
 3 仮設住宅と被災地のこれから
    被災地の仮設住宅の今後
    復興に向けて
    災害公営か自宅再建か
    高台か現地復興か
    住宅だけでない復興を
 〈コラム〉 仮設住宅に居住してみて

終章 災害救助法について思う

著者プロフィール

大水 敏弘  (オオミズ トシヒロ)  (著/文

1970年生まれ。大槌町副町長。技術士(建設部門(都市及び地方計画))。
1993年東京大学工学部建築学科卒業後、建設省(現国土交通省)入省。関東地方整備局建政部住宅整備課長、岩手県県土整備部建築住宅課総括課長、国土交通省都市局市街地整備課企画専門官等を歴任。地域振興整備公団在任時に、沖縄市や防府市の市街地再開発事業に携わり、その後水戸市都市計画部長として都市整備を担当するなど、地方都市の市街地整備に長く関わっている。東日本大震災時には、岩手県庁に勤務しており、以降1年間、災害対応の最前線で仮設住宅建設等の業務に当たる。平成24年度の1年間は国土交通省本省で復興事業の担当官となり、平成25年4月から現職。

上記内容は本書刊行時のものです。