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みんなで考えよう! 体罰のこと 神原 文子(編著) - 解放出版社
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みんなで考えよう! 体罰のこと (ミンナデカンガエヨウタイバツノコト)

社会一般
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発行:解放出版社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ16mm
重さ 322g
280ページ
並製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-7592-2044-5   COPY
ISBN 13
9784759220445   COPY
ISBN 10h
4-7592-2044-5   COPY
ISBN 10
4759220445   COPY
出版者記号
7592   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年9月1日
発売予定日
登録日
2024年6月19日
最終更新日
2024年7月8日
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紹介

体罰はなぜ起こるのか、どのような社会構造や環境で発生するのか、なぜ許されないのか、どうすればなくせるのか。教育、スポーツ、子育ての分野で体罰を考えてきた専門家がさまざまな視点からアプローチする。

目次

第1部 学校における体罰
なぜ学校で体罰が起こるのか、どうすればなくせるのか――自死遺族であり教員でもあった立場から体罰を考える/内海千春
子どもを熱中症から守るには――娘の学校事故に寄り添って/重富秀由

第2部 スポーツと体罰
桜宮高校事件のあと、学校とスポーツ界の体罰防止はどこまで進んだか/島沢優子
スポーツと体罰の関係史――高校・大学野球を中心に/中村哲也
体罰はなぜ許されないか――学校教育法第11条を子どもの権利から考える/田村公江

第3部 子育て中の体罰
たたかないしつけを広めるために――高校生調査の結果から/神原文子
虐待について今日からできる10のこと――子育て支援の現場から/九門りり子
非行の背景にあるもの―少年鑑別の現場から見た「体罰」と虐待/定本ゆきこ

前書きなど

 本書は「体罰をみんなで考えるネットワーク」という団体の定例会での講演をまとめたものです。この団体について、まず説明しておきましょう。
 2012年12月23日、大阪市立桜宮高校体育科2年生、バスケットボール部のキャプテンをしていた少年が、顧問からの度重なる暴力・暴言を受けて自らの命を断つという痛ましい事件がありました。なぜ、そのようなことになってしまったのか。多くの人が、「体罰」という問題に真剣に向き合わなければならないと考えました。
 そうしたなか、2013年2月に設立されたのが「反体罰NPO・研究者連絡会」です。子どもの権利擁護にとりくむ研究者や市民活動団体などが参加しました。同連絡会は、体罰のない社会づくりにむけて、関東で1回、関西で2回、計3回の集会を開催しました。その後、持続可能かつ発展的な活動を展開するために、関西在住のメンバーを中心に新しい団体を設立しようということになり、2015年1月11日に設立されたのが「体罰をみんなで考えるネットワーク」です。子どもへの体罰防止に関心を寄せる市民が社会的立場や専門分野などの垣根を越えて集う場にしたいという思いを込めて、団体の名称に「みんなで考える」という言葉を入れました。15年から5年間にわたって、年間3~4回の定例会を開催しました。
 残念なことに、新型コロナの流行のため、2020年以降は休眠状態になってしまいました。ようやく感染症法の位置づけが5類に変更されたのが2023年5月8日です。2023年10月の臨時総会で、これまでの活動の総括として過去の定例会の講演録をもとに書籍化するプロジェクトが提案されました。
 2012年12月の桜宮高校事件から10年以上が経っていますが、部活における「体罰」(体罰という名の暴力)は、根絶には程遠い状況です。学校や部活における体罰だけではありません。児童虐待防止法、児童福祉法に体罰禁止を盛り込む改正が2019年6月19日に成立し(施行は2020年4月1日から)、2022年には、親権者による懲戒権の規定を削除する民法改正も行われましたが、「いくら言って聞かせてもダメなときは体罰もやむをえない」という考え方が根強く残っています。たたかない子育てについての啓発が遅れているといわざるをえません。
 このような状況を鑑みると、2015年から2019年の講演を、いま、書籍にする価値は十分にあると考えました。

著者プロフィール

神原 文子  (カンバラ フミコ)  (編著

社会学者(博士:社会科学)(講演当時は大学教員)
京都大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程満期退学。
専門は、家族社会学、教育社会学、人権問題。長年、生活者の視点から差別、暴力、人権課題に取り組む。主な近著に、『子づれシングルの社会学―貧困・被差別・生きづらさ』(晃洋書房、2020)、『部落差別解消への展望―人権意識調査結果から人権啓発の課題がみえた』(解放出版社、2023)、『ひとり親のエンパワメントを支援する―日韓の現状と課題』(共編著、白澤社、2023)など。

田村 公江  (タムラ キミエ)  (編著

龍谷大学名誉教授(講演当時は龍谷大学社会学部教授)
精神分析学、フェミニズムの研究を経て、弱者の自己決定の問題について考えてきた。
〔論文〕「性の商品化―性の自己決定権とは」(飯田隆ほか編集『岩波講座 哲学12 性/愛の哲学』岩波書店、2009)、「子どもに権利意識をもたせよう―『若いアスリートのための権利の章典』のススメ」(神谷拓監修『部活動学―子どもが主体のよりよいクラブをつくる24の視点』ベースボール・マガジン社、2020)

中村 哲也  (ナカムラ テツヤ)  (編著

高知大学准教授
1978年大阪府生まれ。京都府立大学卒業、一橋大学大学院博士後期課程修了、博士(社会学)。
早稲田大学助手を経て、現職。専門は日本スポーツ史。著書に『学生野球憲章とはなにか―自治から見る日本野球史』(青弓社、2010)、『体罰と日本野球―歴史からの検証』(岩波書店、2023)など。

上記内容は本書刊行時のものです。