版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
秋田 伊藤 俊治(著/文) - 亜紀書房
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:
注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
ト・日     書店
子どもの文化     書店(直)
直接取引:あり
返品の考え方: 返品は常時承ります。

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

秋田 (アキタ) 環日本海文明への扉 (カンニホンカイブンメイヘノトビラ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:亜紀書房
A5判
縦210mm 横150mm 厚さ29mm
重さ 492g
384ページ
並製
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-7505-1856-5   COPY
ISBN 13
9784750518565   COPY
ISBN 10h
4-7505-1856-5   COPY
ISBN 10
4750518565   COPY
出版者記号
7505   COPY
Cコード
C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2024年7月5日
最終更新日
2024年10月18日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2024-12-14 朝日新聞  朝刊
評者: 椹木野衣(多摩美術大学教授・美術評論家)
MORE
LESS

重版情報

2刷 出来予定日: 2024-12-25
MORE
LESS

紹介

【推薦】中沢新一さん
「列島の北の果て、日本の奥の奥へとつながっている秋田は、一つの独自の宇宙をつくりなしてきた。そこを原郷とする写真論の思想家は、愛情をこめて、土地の細かな襞々を克明にたどり、忘れられかけた歴史の記憶を呼び覚ましながら、広大にして深々とした、魂の秋田ジオラマを描き出した。」


**********

古来、蝦夷と大和朝廷の境界に位置した秋田は、松尾芭蕉が『奥の細道』で辿り着いた北の到達点にして、日本海特有の哀愁を漂わせる、歌枕の聖地であった。

北限の秋田。先は魑魅魍魎が跋扈する未開の地……
しかし、「文明」の行き止まりとされたその地こそ、日本海以北の海を挟んで、大陸や島々の人々が行き交う北方民族たちの文化ネットワークへの玄関口であった。

異国から来訪する「マレビト」が起動する文化変容。
厳寒の雪国で洗練されていく精神と美意識。
従来の枠を超えて美術/写真史を論じてきた美術史家が、故郷・秋田を歩きながら、その風土の深層へと分け入り、日本文化の底流にある異形の風景を鮮やかに現前させる。
日本のもうひとつのルーツを解き明かす「裏日本史」。

目次

第1章 旅する光陰 ──その奥の奥の細道──
 1.北限の岬
 2.循環する聖水
 3.松尾芭蕉と海に漂う島々
 4.集積する詩学
 5.旅に死すこと
 6.旅人の秋田
 7.蝦夷島の影 蝦夷島の影
 8.アイヌとの交流
 9.旅を揺り動かす
 10.フィールドワークの先駆者

第2章 北海の彼方へ ──流刑地民族学の視点から──
 1.日本海という孵化場
 2.秋田の登場
 3.渤海と粛慎
 4.樺太への道
 5.流刑地を延長する
 6.流刑地民族学へ
 7.鳥居龍蔵と源泉としての北方
 8.北緯40度ノート
 9.心は淋しき旅人

第3章 雪国の民俗 ──伝承の意味──
 1.蘇る写真
 2.ナマハゲと梵天
 3.民俗学写真の精髄
 4.風と土を彫る
 5.秋田パノラマを開く
 6.雪国の衝動
 7.日本の奇跡
 8.トンネルの向こう側

第4章 縄文の粒子 ──四次元の秋田──
 1.岡本太郎の秋田
 2.馬と牛、縄文と弥生
 3.雪の結晶と遮光土器
 4.ドキュマンを探して
 5.マルセル・モースの弟子たち
 6.縄文とアイヌ
 7.人種の波動
 8.蓑虫山人と縄文仮面
 9.ストーンサークルの秘密
 10.縄文のネットワーク
 11.四次元の秋田

第5章 宇宙から降るデザイン ──雪の家から秋田工芸まで──
 1.白井晟一の温泉建築
 2.郷土建築とモダニズム
 3.風土をかたちに
 4.白井晟一と縄文的なもの
 5.今和次郎と雪との戦い
 6.ペリアンのデザイン改革
 7.秋田から沖縄へ
 8.木地師たちの光跡
 9.原型の夢
 10.宇宙へ降り積もってゆく

第6章 秋田原郷 ──その風土と世界性──
 1.故郷と幼年時代の思い出
 2.日本海の文物交流
 3.黒水靺鞨からナナイへ
 4.ツングース系諸族のゆくえ
 5.謎のオホーツク文化
 6.菅江真澄とブルーノ・タウト
 7.冬を美的に解決する
 8.カントの風土
 9.人間学と自然地理学
 10.「世界=故郷」を愛するということ

第7章 秋田街道を超えて ──雪の果ての銀河──
 1.宮沢賢治が歩いた秋田街道
 2.銀河と月光
 3.セールスマンの哀しみ
 4.秋田蘭画への道
 5.漂泊の絵画
 6.角館の悲劇
 7.雪の涯の風葬
 8.組石からマタギへ
 9.旅マタギと漂流民

第8章 白い神々の憑依 ──オシラサマとシャーマニズム──
 1.「秋田風俗問状答」とネフスキー
 2.巫女のオシラ遊び
 3.イタコの口寄せ
 4.馬産と養蚕
 5.「遠野物語」から「捜神記」へ
 6.アイヌ文化との関わり
 7.オヒナサマを透視する
 8.白山信仰の源流
 9.ツングース民族大移動
 10.稲と白山信仰
 11.渡り神としてのオシラ様
 12.シャーマニズムの本源

第9章 春くる鬼 ──異人たちの饗宴──
 1.折口信夫と蝟集する霊
 2.マレビトの変容
 3.鬼神と鬼門
 4.漂流する仮面
 5.島から半島へ
 6.兄弟の半島
 7.日本海の龍神
 8.ホカヒビトとマレビト
 9.流浪する神

第10章 風の身体 ──土と光の記譜法──
 1.天空の不夜城
 2.蝦夷から武士へ
 3.踊る秋田
 4.闇から放たれた流星
 5.風土と神話
 6.亡者の舞踏
 7.黄金の穂波
 8.秋田の呪術師
 9.身体風土の記譜法

著者プロフィール

伊藤 俊治  (イトウ トシハル)  (著/文

1953年秋田県土崎生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了。東京藝術大学名誉教授。専門の美術史・写真史の枠を越え、アートとサイエンス、テクノロジーが交差する視点から多角的な評論活動を行う。『ジオラマ論』(リブロポート、ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞を受賞。展覧会企画に「日本の知覚」(グラーツ)、「移動する聖地」(ICC)、「記憶/記録の漂流者たち」(東京都写真美術館)など。著書に『写真都市』 (冬樹社)、『トランス・シティファイル』(INAX)、『生体廃虚論』(リブロポート)、『電子美術論』(NTT出版)、『バリ芸術をつくった男』(平凡社新書)、『増補 20世紀写真史』(ちくま学芸文庫)、『バウハウス百年百図譜』(牛若丸)ほか多数。

石川 直樹  (イシカワ ナオキ)  (写真

1977年東京世田谷生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学への関心を深め、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表する。2008年『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞、2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞、2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)、『地上に星座をつくる』(新潮社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。