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作家の文章はなぜ人の心に響くのか
ヴィゴツキー学者による文学心理学の試み
原書: СТАЛАЛСЯ ПИСАТЬ ТОЛЬКО ИЗ СЕРДЦА. Писательская книга, или Загадка художственного мышления.
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2024年12月15日
- 書店発売日
- 2024年12月19日
- 登録日
- 2024年11月14日
- 最終更新日
- 2024年12月13日
紹介
人間には、なぜ芸術的思考が必要なのか。
想像的思考(芸術的思考)と論理的思考(言語的思考)など右脳・左脳の機能を解説した上で、トルストイやチェーホフなど具体的なロシア文学の作品を対象に芸術的思考と作家による創作の本質を検証する。さらに、芸術的なことばがもたらす催眠療法的な効果とサイコセラピー(心理療法)への応用なども紹介。
音楽や美術と同様、芸術的文章――文学にも人間の心を揺さぶる力があることを心理学的視点から解明する。
目次
まえがき(日本のみなさんに)
著者より
第1章 「左」脳・「右」脳と、人間の思考の二つのストラテジー
①ノーベル賞に輝いた分離脳の研究
②左半球と右半球は、どのように「考える」のか
③論理的思考の裏側
④神経心理学者が解く左右脳半球の非対称性
第2章 文学の鏡に映った芸術的思考
①見えざる手
②ことばで表現された思想は、ひどく退行してしまう……
③ヴィゴツキーの例にならって
④芸術文学のパン
⑤美的知覚の「不思議」
⑥多義性、言わずじまい、意味のまだら模様
⑦創造の過程と論理的思考の退行
第3章 自分は書き方を知っている、ということを忘れる
①決してプランは作成しない
②論理的思考と想像的思考との間
③「かくて神は我に与え給うた」
④自分の作品で言いたいことは何か
第4章 本を読んでくれる人が見つかれば、毎晩眠れるのだが……
①この重苦しい静けさ
②チュコフスキーの催眠薬
第5章 最後にたどり着いた思考
①チュコフスカヤとアフマータヴァ
②生活それ自体が暗示している「実験」
③音楽と映画
④芸術の、だまし絵的な効果
⑤『死せる魂』と線的な思考
⑥超思想とトルストイ・チェーン(トルストイの鎖)
⑦読み返し(再読)
⑧朝、目覚める前に
⑨仮説
終章 未来の作家たちのために
①パステルナークの場合
②言わずじまい、余白と間について
③書き出し
④滑らかな筆
⑤スキュラとカリスの間
⑥何から始めるか
⑦インスピレーション
訳者あとがき
著者・訳者紹介
前書きなど
著者より
(…前略…)
本書の内容と構成について、二、三述べておきたいと思います。第1章で述べられているのは左・右の脳半球間は機能上、非対称であること、私たち人間の思考には二つのタイプ、想像的思考(芸術的思考)と論理的思考(言語的思考)があることの二つです。
第2章と第3章は本書の中核を成しているのですが、芸術的思考と作家による創作の本性について語られます。
第4章で検討されているのは芸術的思考を実用化する視点です。芸術的なことばが響かせる催眠療法的な効果は、サイコセラピー(心理療法)の場において応用されうることを記しました。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。