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資本主義と奴隷制
経済史から見た黒人奴隷制の発生と崩壊
原書: CAPITALISM & SLAVERY
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2004年2月
- 書店発売日
- 2004年2月4日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2012年5月28日
紹介
近代イギリス資本主義の展開と奴隷制の関係を分析し,歴史学,社会学などの近現代社会研究に決定的な影響を与え続けている現代の古典,待望の新訳。
目次
解説(コリン・パーマー)
第1章――黒人奴隷制の起源
第2章――黒人奴隷貿易の発展
第3章――イギリスの商業と三角貿易
第4章――西インド諸島勢力
第5章――イギリス産業と三角貿易
第6章――アメリカ独立革命
第7章――イギリス資本主義の発展 一七八三~一八三三年
第8章――新しい産業体制
第9章――イギリス資本主義と西インド諸島
第10章――実業界と奴隷制
第11章――〈聖人〉と奴隷制
第12章――奴隷と奴隷制
第13章――結論
監訳者あとがき/原注/参考文献
索引(事項/地名/人名)
前書きなど
本研究は、イギリスを例とする初期の資本主義と黒人奴隷貿易、奴隷制および一七、一八世紀の植民地貿易一般との関係を探るものである。時代は常に歴史を書き換えるが、とりわけ私たちの生きる現代こそ、これまでの歴史的、経済的、政治的発展に関する概念を再評価すべき時代なのである。産業革命の進展については、数多くの書物で質量ともにほぼ適格に扱われており、その教訓は知識階級一般、とくに見識を創造したり指導したりする責務を担う人々の意識の中に十分に浸透している。ところが、産業革命以前については資料が収集され、本が次々と出版されている反面、世界的規模での、あるいはその時代の商業の相互関連性が産業革命に対して直接どう作用したのか、そして今でも現代社会にどう作用し続けているのかについては、十分に位置づけられてはいないし、また明確に説明されてもいない。まさにその位置づけこそが本研究の目的であり、周知の社会的、政治的潮流、さらには学術的潮流さえも生み出した経済的起源がいったいどこにあるのかを示唆しようとするものである。しかし、本書は思想や解釈をまとめたエッセイではない。イングランドにおける産業革命のための資金供給に果たした黒人奴隷制および奴隷貿易の役割と、その奴隷制を崩壊させることになった成熟した産業資本主義そのものに対する厳密な経済学的研究なのである。したがって、それは第一にイングランドの経済史の研究であり、第二に西インド諸島〔=カリブ海地域〕および黒人の歴史研究ということになる。それはまた奴隷制の制度的研究ではなく、イギリスの資本主義の発展に奴隷制がどう貢献したかについての研究である。(後略)
上記内容は本書刊行時のものです。