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夜更かしの社会史 近森 高明(編集) -  吉川弘文館
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夜更かしの社会史 (ヨフカシノシャカイシ) 安眠と不眠の日本近現代 (アンミントフミンノニホンキンゲンダイ)

歴史・地理
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A5判
266ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-642-03931-4   COPY
ISBN 13
9784642039314   COPY
ISBN 10h
4-642-03931-7   COPY
ISBN 10
4642039317   COPY
出版者記号
642   COPY
Cコード
C3036  
3:専門 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年2月10日
書店発売日
登録日
2023年11月8日
最終更新日
2024年6月12日
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書評掲載情報

2024-03-30 朝日新聞  朝刊
評者: 藤野裕子(早稲田大学教授・日本近現代史)
2024-03-17 読売新聞  朝刊
評者: 清水唯一朗(慶應義塾大学教授・政治学者)
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紹介

夜間も積極的に生産・消費をするようになり、不眠化した都市の活動。人びとはいかに夜を明かし、眠りについてどんな認識や習慣を生み出してきたか。夜の活用に対する志向や動き、安眠グッズ・睡眠学習器・眠気覚ましなどの商品の変遷を取り上げ、眠る/眠らないことの両方を同時に要請する産業社会の特性を追究。私たちの生活と睡眠の関係史に迫る。

目次

 序章 安眠/不眠を欲望する社会…右田裕規

Ⅰ部 眠らない工場の出現―生産領域の不眠化
 第一章 規範化する睡眠とロマン化する不眠―二〇世紀初頭における睡眠言説のマッピング―…近森高明
  はじめに―「この俺の不眠」と「みんなの睡眠」
  一 睡眠言説のマッピング―睡眠はいかに語られたか
  二 規範化される睡眠―睡眠言説の構造分析
  三 ロマン化される不眠―例外者の括り出し
  おわりに―現代に続く「よき睡眠」と「よき人生」のループ
 第二章 「夜なべ」の近代史…右田裕規
  はじめに
  一 近世の夜業
  二 村から都市への移行
  三 照明技術の変化
  四 夜業に対する社会的忌避の変化
  おわりに
 第三章 夜業と興奮剤の二〇世紀…―ヒロポンからコーヒーへ―…右田裕規
  はじめに
  一 近代興奮剤の略史
  二 ヒロポンと「機械」
  三 機械燃料のイメージ
  四 ドリンク剤・コーヒーの「稀釈」
  おわりに
 
Ⅱ部 眠らない街の出現―消費領域の不眠化
 第一章 夜の消費文化と商業照明…右田裕規
  はじめに
  一 一九世紀末の夜の東京
  二 夜の消費文化の成長
  三 商業照明のシンボル作用
  四 戦時経済下の夜の東京
  おわりに
 第二章 盛り場と安眠妨害―夜間レジャー施設の営業音の問題化過程―…右田裕規
  はじめに
  一 カフェー征伐
  二 都市住人の夜間騒音被害の実態
  三 戦後の営業音規則
  おわりに

Ⅲ部 安眠を支えるモノたち―睡眠の商品化
 第一章 寝床を電化する―「電気あんか」の技術社会史―…近森高明
  はじめに―一枚の広告ポスターを読み解く
  一 電気あんかの出現―大正・昭和初期
  二 電気あんかの増殖―高度経済成長期
  三 電気あんかの衰退―ポスト高度経済成長期
  おわりに
 第二章 時間の再魔術化と呪術的なモノの蘇り―「寝かしつけ」をめぐって―…竹内里欧
  はじめに―「睡眠中学習」から「睡眠後学習」へ
  一 「睡眠力」の時代
  二 「寝かしつけ」にまつわる新聞記事の言説
  三 「寝かしつけ」に役立つとうたうモノの氾濫
  四 時間にかんするアンビバレントな願望と願望に応えるモノたち
  おわりに―時間をめぐる「力」の奪還

Ⅳ部 眠りの人工的制御という夢―睡眠の資源化
 第一章 覚醒と睡眠のあいだを生きる―坂口安吾の覚醒剤と睡眠薬―…西村大志
  はじめに
  一 規律・勤勉・集中
  二 覚醒剤と過覚醒
  三 睡眠薬と人工睡眠
  四 意志
  おわりに
 第二章 夢の勉強法としての睡眠学習…井上義和
  はじめに―一九八二年の「明け方のつぶやき」
  一 睡眠学習への欲望
  二 第一号機〈SLミラクル〉の誕生
  三 睡眠学習器の仕組みとモデルチェンジ
  四 空想科学小説と録音再生技術
  五 「悪夢の洗脳法」か「夢の勉強法」か
  おわりに

 終章 眠りのコントロールからマネジメントへ―二〇〇〇年代以降の睡眠言説―…近森高明
  一 睡眠をめぐる「問題―解決」の転換
  二 「質」へのフォーカス―「最高の睡眠」へ
  三 可視化・数値化―スリープテックの世界
  四 ライフハック化―「超一流」の誘惑
  五 脱規範化と超管理化のゆくえ
   
 あとがき

著者プロフィール

近森 高明  (チカモリ タカアキ)  (編集

1974年生まれ。現在、慶應義塾大学文学部教授、博士(文学) ※2024年1月現在
【主要著書】『ベンヤミンの迷宮都市』(世界思想社、2007年)

右田 裕規  (ミギタ ヒロキ)  (編集

1973年、島根県に生まれる。1998年、京都大学文学部卒業。2004年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、山口大学時間学研究所准教授、博士(文学) ※2024年1月現在
【主要編著書】『天皇制と進化論』(青弓社、2009年)、「ラーメン史を「夜」から読む」(西村大志編『夜食の文化誌』青弓社、2010年)、「近代都市民衆の天皇実写映画の鑑賞体験」(『新しい歴史学のために』294、2019年)、『近現代の皇室観と消費社会』(吉川弘文館、2020年)

上記内容は本書刊行時のものです。