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出版者情報
室町幕府の成立基盤
- 初版年月日
- 2024年11月20日
- 書店発売日
- 2024年11月19日
- 登録日
- 2024年9月7日
- 最終更新日
- 2024年11月2日
紹介
鎌倉幕府の枠組みを継承し開創した室町政権だが、京都を拠点とする支配環境は複雑多様で、新たな試みや工夫が必要であった。課役の賦課や所領経営にみる経済基盤に加え、将軍親裁機関の推移や室町殿と諸機関構成者の結びつきなど組織制度を焦点に室町時代像を追究。義満~義政期に実現した安定的な幕府運営とその背景にある特異な政治秩序に迫る。
目次
序論
第一部 経済基盤の継承と展開
第一章 室町幕府初期の財政基盤
第一節 新恩地年貢
第二節 将軍家政所本役所・本御領の年貢
第三節 五十分一年貢
第四節 室町幕府財政基盤の再整理
補論 定率賦課の系譜
第一節 建武政権の二十分一役
第二節 室町期の定率賦課
第三節 戦国大名による定率賦課
第四節 徳川家康による五十分一役
第二章 太良荘に賦課された室町幕府地頭御家人役
はじめに
第一節 賦課の実態
第二節 賦課の契機
第三節 賦課の変遷
第四節 地頭御家人役徴収体制の変化
第三章 上総守護宇都宮持綱―根本所領の記憶―
第一節 素材
第二節 分析―満済―
第三節 追究―上総―
第四節 結語
〈附論〉 三浦氏と尊氏
第四章 駿河国大岡荘と足利満詮―北条氏所領の記憶―
第一節 頼印と地蔵院
第二節 紀良子を経て地蔵院へ
第三節 将軍近親者の所領の相伝
第二部 幕府関係所領の意義
第一章 禅僧への所領寄進―禅院領からみた室町幕府―
第一節 経済的側面
第二節 政治的側面
第三節 嶋頭荘をとりまく環境
第四節 禅院領と室町幕府
第二章 室町幕府前期における奉行人の所領―所領からみた奉行人の本質―
第一節 禅院領や御料所との関わり
第二節 領有と継承
第三節 給物と所領
むすびにかえて―奉行人の経済における所領―
第三章 室町幕府関係所領の様相
第一節 室町幕府と加賀国
第二節 室町幕府関係所領の重なり合い
第三部 組織の継承と展開
第一章 室町幕府訴訟機関の将軍親裁化
序節
第一節 引付方の変遷
第二節 御前沙汰の変遷と恩賞方
終節
補論 合議と親裁をめぐって
第一節 合議について
第二節 『御前落居奉書』『御前落居記録』試論
第三節 内談について
第四節 仁政方について
第五節 御判御教書を出す場
第二章 室町幕府政所と伊勢貞継
第一節 南北朝期の御所奉行
第二節 伊勢氏と政所執事
第三節 伊勢氏職掌の複合性
第四部 安定を生む基本的枠組み
第一章 安定期室町幕府の政治秩序
第一節 ふたつの中心点
第二節 階層的なかたち(秩序)の構築
第三節 階層的なかたち(秩序)の本質
第二章 室町幕府運営にみる多様性と一貫性
第一節 収支にみる一貫性と多様性
第二節 仲介者の多様性と一貫性
第三章 室町幕府の賦と奉行人
第一節 ふたつの賦
第二節 室町幕府の訴訟処理の方式
第三節 奉行人の職掌
第四節 賦の意義
結論
第一節 経済基盤の継承・展開と新たな工夫
第二節 組織の継承・展開と新たな秩序
第三節 階層的なかたちを支える通念としての本路、そして奉行人の意義
初出一覧
あとがき
索引
上記内容は本書刊行時のものです。