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地衣類、ミニマルな抵抗 ヴァンサン・ゾンカ(原著) - みすず書房
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地衣類、ミニマルな抵抗 (チイルイミニマルナテイコウ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
46
重さ 505g
392ページ
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-622-09651-1   COPY
ISBN 13
9784622096511   COPY
ISBN 10h
4-622-09651-X   COPY
ISBN 10
462209651X   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年10月10日
書店発売日
登録日
2023年8月28日
最終更新日
2023年12月26日
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書評掲載情報

2024-02-03 毎日新聞  朝刊
評者: 中島岳志(政治学者)
2023-12-23 朝日新聞  朝刊
評者: 椹木野衣(美術評論家)
2023-12-16 朝日新聞  朝刊
評者: 椹木野衣(多摩美術大学教授・美術評論家)
2023-11-25 日本経済新聞  朝刊
評者: 平出隆(詩人)
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紹介

「本書は、地衣類を通じて、時や空間を超えて異なる世界あるいは文化を繋げようとしている。扉の先には、地衣類が紡ぎ出す様々な世界が広がっている。さあ、異国への旅が始まる。」
(大村嘉人)

「この本が打ち出したのは、一種の生物学的コミュニズムだった。時に「レプラ性」「膿疱性」「結節性」の生物として描かれ、植物でも、動物でもなく、単一体ですらない地衣類は、アイデンティティの分配規則を見直すように強いてくる。」
(エマヌエーレ・コッチャ)

「ヴァンサン・ゾンカは、まさに共生的な親密さのポプリを編み上げた。欲望と絶望のかさこそする表現が、ゆっくりと、控えめに、空気を呼吸するように、どのページにも忍び寄る。これほど題材に忠実な文学作品があっただろうか。地衣類の世界へようこそ!」
(ティム・インゴルド)

「地衣類は科学者のみならず、「共生」──ないし「寄生」──について考えるためのさまざまなきっかけを思想家たちに提供してきた。本書はそうした過去の言説にも立脚しつつ、人新世の時代における共生の問題をあらためて俎上に載せた、詩情豊かなエッセイである。」
(星野太)

目次

地衣類が紡ぎ出す世界――大村嘉人
序 種の区分を超えて――エマヌエーレ・コッチャ

第一部 ファーストコンタクト
はじまり

憎まれ役
科学への挑発――地位の保全、横並びの脱却
慣習と迷信
地衣類のエロス

第二部 記載し、命名し、表象する
具象化への挑発
  自然のイメージ/具象表現/『夢の植物相』
Music=mushroom
極東、コケとワビ-サビ

第三部 環境詩学――生の力と抵抗
荒地性
ルソーの散歩
センチネル種
「太陽の地衣と蒼穹の鼻汁」
「スバルバロの国」の土蛍
生態学的予兆
弱さ、抵抗
現代の「詩的倫理」
  ハイメ・シレス――実存の風景とゴンゴラ的衒飾/ヌーノ・ジューディスーー地衣の竪琴に乗せて/アントワーヌ・エマーズ――耐えよ、さすればいつか/オルビード・ガルシア・バルデス――緑の微光/ジャック・ラカリエール――熱狂と廃滅
「弱者の蜂起」
微小生育地

第四部 共生の思考に向けて
地衣類のポリティクス――共生の起源に戻って
キマイラ、吸血鬼、その他よくある怪物
「第三の場所」
共に住まう

反歌 小さな胞子

謝辞
訳者あとがき

原注
図版について
地衣類名索引
人名索引

著者プロフィール

ヴァンサン・ゾンカ  (ヴァンサンゾンカ)  (原著

(Vincent Zonca)
1987年ディジョン生まれ。作家、美術評論家。リヨン高等師範学校で比較文学の博士号を得る。現在、在カナダ・フランス大使館書籍・グローバル討論部門の文化アタッシェ。2021年1月、本書を出版。文化や知識(哲学、人類学、植物学、都市計画、文学、現代アートなど)を組み合わせることで、エコロジーと人新世の現状を考察している。とりわけ「無視された生物多様性」、共生、里山、野生種、都市の自然に関心を持っている。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

大村嘉人  (オオムラヨシヒト)  (解説

(おおむら・よしひと)
1970年静岡県生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士後期課程修了。博士(理学)。専門は、植物分類学(地衣類)。地衣類の進化、多様性、生態の研究とその学際的応用。現在、国立科学博物館植物研究部菌類・藻類研究グループ長。筑波大学グローバル教育院教授。地衣類研究会編集幹事。学術誌、専門書への寄稿多数、『街なかの地衣類ハンドブック』(文一総合出版、2016)など一般書も著している。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

エマヌエーレ・コッチャ  (エマヌエーレコッチャ)  (解説

(Emanuele Coccia)
1976年生まれ。イタリアの哲学者。フィレンツェ大学で中世哲学の博士号を得る。現在、パリの社会科学高等研究院(EHESS)准教授。著書にLa trasparenza delle immagini(2005)や、Angeli(ジョルジョ・アガンベンとの共編、2012)など中世の哲学・神学研究、近年は『植物の生の哲学 混合の形而上学』(勁草書房、2019)『メタモルフォーゼの哲学』(勁草書房、2023)など独自の生命哲学で注目を浴びている。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

宮林寛  (ミヤバヤシカン)  (翻訳

(みやばやし・かん)
1957年生まれ。慶應義塾大学文学部教授を経て同大学名誉教授。専門は19世紀フランス詩とベルギー仏語文学。主な訳書にジル・ドゥルーズ『記号と事件 1972-1990年の対話』(河出文庫、2007)、マリ・ゲヴェルス『フランドルの四季暦』(河出書房新社、2015)、シャルル・ペギー『クリオ 歴史と異教的魂の対話』(河出書房新社、2019)、ナタリー・スコヴロネク『私にぴったりの世界』(みすず書房、2022)がある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

上記内容は本書刊行時のものです。