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ハプスブルク事典
- 初版年月日
- 2023年1月31日
- 書店発売日
- 2023年2月2日
- 登録日
- 2021年10月26日
- 最終更新日
- 2023年2月9日
紹介
ヨーロッパの歴史において中世以来600年にわたり、常にその中心にいたハプスブルク家.その歴史は神聖ローマ帝国、世界帝国スペイン、荒れ狂う諸国間の戦争の時代、啓蒙の時代、多民族帝国と現代の国民国家の行方に至る欧州史のあらゆるターニングポイントに、またスペインからバルカン半島に至る全土にかかわっている。文化・政治・経済などあらゆる面に多くの影響を与えたその家を軸にすると、欧州の文化と歴史はどのように見えるのか。日本ではスペインとオーストリアに分けて語られがちなハプスブルク家をあえて一体の流れとしてたどっていく、テーマごとの中項目事典。
目次
第1章 神聖ローマ帝国
神聖ローマ帝国/世襲選挙王政/帝国教会政策/イタリア政策/大空位時代/選帝侯/ルドルフ・フォン・ハプスブルク/ボヘミア王オタカル2世/アルブレヒト1世/バーベンベルク家/モルガルテンの戦い・ゼンパッハの戦い/カール4世の金印勅書/ルドルフ4世/大特許状/フリードリヒ3世/マクシミリアン1世/【コラム】アルブレヒト賢侯
第2章 ブルゴーニュ公国
「ブルゴーニュ」とハプスブルク家/ブルゴーニュ公国/ブルゴーニュの宮廷/シャルル・ル・テレメール(突進公)/ブルゴーニュ戦争/マリー・ド・ブルゴーニュ/ネーデルラントの獲得/ドイツ歩兵傭兵部隊(ランツクネヒト)/マクシミリアン1世による近代郵便制度の誕生/金羊毛騎士団/イタリア戦争/【コラム】帝国郵便と国際会議
第3章 カトリック両王のレコンキスタの終結とスペイン統一
カトリック両王/カトリック両王が求めた「カトリック王国」/レコンキスタ(国土再征服戦争)/カトリック両王の宗教政策(対イスラーム教徒)/カトリック両王の宗教政策(対ユダヤ教徒)/コムニダーデスの叛乱/シスネロスと『コンプルテンセ版多言語対照聖書』/コンキスタドール(征服者)/エンコミエンダ/イベリア半島の言語事情/ネブリハ/フアン・デ・バルデス/16, 17世紀のスペイン文学/ロマンセ(ロマンセ―ロ)/カンシオン(カンシオネーロ)/騎士道小説/スペイン・ルネサンスの建築と彫刻/サラマンカ大聖堂/トレド大聖堂/フアン・デ・エレーラーーエレーラ様式/カタリーナ・デ・アラゴン/フアナ・ラ・ロカとフェリペ1世/【コラム】コロンブス(クリストバル・コロン)/【コラム】コバルビアス『カスティーリャ語宝典』/【コラム】カルロス1世とコボスの政治手腕
第4章 カール5世(カルロス1世)
カール5世/「典型的な中世の騎士」カール5世/フッガー家/宗教改革/農民戦争/パヴィアの戦い/ローマ略奪(サッコ・ディ・ローマ)/第1次ウィーン包囲/ヴォルムス帝国議会/シュバイア―帝国議会/プロテスタント諸侯/シュマルカルデン戦争/アウクスブルクの「甲冑に覆われた帝国議会」/アウクスブルクの宗教和議/領邦教会制/陽の沈むことなき大帝国/大航海時代/大航海時代と戦国日本/日本人侍の末裔/ラス・カサス/イエズス会/ザビエル/インディアス新法/モンテマヨール『ディアナの七つの書』/ロハス『ラ・セレスティーナ』/ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガーー近代抒情詩の幕開け/ピカレスク文学の嚆矢,作者不詳の『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』/フライ・ルイス・デ・レオンーー詩人/カール5世の退位/【コラム】ラス・カサスと黒い伝説
第5章 フェリペ2世とフェルディナント1世
ハプスブルク家の系統分裂/ハプスブルク家,両系統の提携/フェリペ2世/イエズス会とドミニコ会の論争/異端審問/マドリード遷都/マドリードの旧王宮(レアル・アルカサル)/エル・エスコリアル修道院/無敵艦隊/ネーデルラントの叛乱(オランダ独立戦争)/マウリッツの軍制改革/フェリペ2世のポルトガル王位継承/天正少年使節/慶長遣欧使節/サンタ・テレサ・デ・ヘスス『霊魂の城』『自叙伝』--神秘主義文学/フアン・デ・ラ・クルス『カルメル山登攀』『暗夜』『霊の賛歌』--神秘主義文学/ルエダ、ロペ・デ・ルエダーー職業演劇人/エラスムス思想とその影響/セルバンテス/セルバンテス『模範小説集』『幕間劇』/『ドン・キホーテ』と『贋作ドン・キホーテ』/アカデミア/ゴンゴラーークルテラニスモ/ゴンゴラ『ポリフェモとガラテアの物語』『孤独』/ロペ・デ・ベーガーー大衆演劇を発展させた劇作家,詩人,小説家/ロペ・デ・ベーガ『オルメドの騎士』『フエンテ・オベフーナ』/フェルディナント1世/ホーフブルク/居城都市ウィーン/マクシミリアン2世/ルドルフ2世/コメニウス/マティアス/ハプスブルクと塩/ボヘミア兄弟団/フェルディナント2世/ドイツ三十年戦争/窓外放擲事件(第2次)/グスタフ二世アドルフ/フェルディナント3世/エッケンベルク城の大坂図屏風/再カトリック化/ウェストファリア条約/王太子ドン・カルロス/【コラム】ドン・フアン・デ・アウストリア(1545-78年)/【コラム】ベルゲーテ《聖セバスティアヌス》/【コラム】テルシオ
第6章 スペインの斜陽
スペインの斜陽/黄金世紀/フェリペ3世/レルマ公爵/フェリペ4世/オリバーレス伯公爵/カタルーニャの反乱(刈り取り人戦争)/リスボンの武装蜂起/エル・グレコ/ルーベンス/ベラスケス/ベラスケス「鏡のヴィーナス」「ラス・メニーナス」/カルロス2世/黄金世紀の2人の音楽家, エンシーナとサリナス/フエンリャーナとカヴェソンーー盲目の音楽家/教育事情--大学, 講座, コレヒオ・マヨール(学寮)/アルカラ大学/サラマンカ大学/16, 17世紀マドリードの中高等教育/シマンカス文書館/諷刺作家ケベード/ ケベード『ぺてん師ドン・パブロスの生涯』--本格的なピカレスク小説/ティルソ・デ・モリーナ/『セビーリャの色事師と石の招客』『不信心ゆえ地獄堕ち』/ルイス・デ・アラルコン『疑わしい真実』/カルデロンーーバロック演劇の巨匠/カルデロン『人生は夢』--世俗劇と聖体劇/ミラ・デ・アメスクアの宗教劇/グラシアンーー警世の士への模索と奇知主義/グラシアン『神のお告げの手引き』『エル・クリティコン』/常設劇場/宮廷劇場/演劇と観客/17世紀におけるスペイン文学のフランス文学への影響/スペイン・ハプスブルグ王朝の宮廷美術/フランドル, イタリア絵画のスペインへの影響/フランシスコ・デ・スルバラン《聖ヒエロニムスの誘惑》《聖ブルーノと食卓の奇蹟》/ムリーリョ/ムリーリョ《無原罪の御宿り》《蚤をとる少年》/リベーラ《聖ピリポの殉教》《エビ足の少年》/バルデス・レアルと二大ヴァニタス画/フアン・ルイス・ビーベス/クラウディオ・コエーリョ /サンチェス・コターンーースペイン静物画の創始者/パチェーコ『絵画芸術』/ブエン・レティーロ宮/アルハンブラ宮殿のカール5世宮殿/セビーリャのアルチーボ・ヘネラル・デ・インディアス/マドリードのプラサ・マヨール/マルティネス・モンタニェスーー《慈悲深いキリスト》/カーノ《無原罪の御宿り》/ハプスブルグ王朝の食--王様たちは何を食べていたか?/都市景観(町並み)/ハプスブルク時代の通貨/ハプスブルク時代の政治体制/貴族生活/職業(医者、商人、職人、農民)/女性たちの日常生活(立ち居振る舞い、衣裳、化粧など)/結婚・離婚/婚姻外の恋愛(不貞、愛人関係)/名誉感情/「血の純潔規約」/占い・迷信/十分の一税/農業経済/各種兄弟団(貧民の救済, 病人の扶助)/売春/旅行・旅籠/交通手段/二大祝祭(聖週間, キリスト聖体節)/闘牛(国民的娯楽)/遊び, 賭け事/テルトゥリア/治安・犯罪/病気・伝染病と「コロンブスの交換」/スペイン継承戦争/カルデロン・デ・ラ・バルカ『密かな恥辱には密かな復讐を』『名誉の医師』『不名誉の画家』/【コラム】アレマン『グスマン・デ・アルファラーチェの生涯』
第7章 バロックと啓蒙
ハプスブルクの18世紀/レーオポルト1世/近世のハプスブルクとハンガリー/トランシルヴァニア/第2次ウィーン包囲/大トルコ戦争/カルロヴィッツ条約/バロックの時代/ヨーゼフ1世/カール6世/オーストリア継承戦争/マリア・テレージア/政治遺言/フランツ1世/シェーンブルン宮殿/ハウクヴィッツ/啓蒙の時代/カウニッツ/七年戦争/マリー・アントワネット/ヨーゼフ2世/ガリツィア/ウィーン楽派/レーオポルト2世/フランス革命/フランツ1世(2世)/【コラム】ハプスブルクと音楽と日本
第8章 ハプスブルクの近代
複合国家としてのハプスブルク/オーストリア帝国の成立と神聖ローマ帝国の終焉/ナポレオン戦争/大司教領ザルツブルクの世俗化/ライン連盟/ウィーン会議/ウィーン体制/三月前期/ビーダーマイアー/ハプスブルク帝国の鉄道と汽船/ハンガリーのナショナリズム/リストとハンガリー音楽/多民族の統一体国家の模索/帝国摂政ヨハン大公/ヨハン・シュトラウス/リソルジメント/メキシコ皇帝マクシミリアン1世/アメリカへの移民/プロイセン=オーストリア戦争(普墺戦争)/アウスグライヒーー帝国の再編/ナゴドヴァの中のクロアチア/ハプスブルク支配下のスロヴェニアと日本/マサリクとオーストリア=ハンガリー/皇妃エリーザベト/ハンガリー王国/ハンガリー王国の自治/ハンガリー王国建国一千年祭/ジャーナリズム/ユダヤ人/ロマ(「ジプシー」)/翻訳文化/ウィーン市大改造/リングシュトラーセ/ウィーン万国博覧会/ハプスブルクの世紀末文化--ウィーン・プラハ・ブダペシュト/ハプスブルク家の食卓/ウィーンの食文化/世紀末建築/世紀転換期ウィーンの文化運動/世紀末絵画/世紀転換期の音楽/ウィーンの音楽堂/ハプスブルクとチェコ音楽/スメタナ/オペレッタ/世紀末文学/ホフマンスタール/ハプスブルクの《ばらの騎士》/ツヴァイク/カフカ『変身』/オーストリア学派経済学/フロイト/シュタイナー教育の世界的影響/ウィトゲンシュタイン(弟)/ウィトゲンシュタイン(兄)/ボヘミア内国博覧会/皇太子ルドルフ/フランツ・フェルディナント/カール・ルエーガーと世紀末ウィーン/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ併合/トリエステ/東アジアの常駐艦/バルカンの戦争/クーデンホーフ光子/ハプスブルクと映画/オーストリア植民地主義/オーストリア科学と遠征/サライェヴォ事件/セルビア王国/ヨーロッパ平和運動の母,ベルタ・フォン・ズットナー/ハプスブルクと第一次世界大戦/サンジェルマン条約, トリアノン条約/巡洋艦「カイゼリン・エリーザベトと第一次世界大戦ーー日本におけるオーストリア=ハンガリー兵捕虜/【コラム】カフェ文化/【コラム】ウィーンの大観覧車/【コラム】日本のブルックナー受容/【コラム】伊藤博文のハプスブルク/【コラム】ウィーン楽友協会ホール
第9章 帝国の後で
ポスト・ハプスブルク・ダイバーシティ/帝国の清算/カカーニエン/ウィーン・ミュージカル/ウィーン・ハプスブルクの文化遺産/ハプスブルクの世界遺産/ポスト・ハプスブルクのファシズム/大ドイツ主義からの分離/ハプスブルクとEU(欧州連合)/オットー・ハプスブルク/【コラム】最後の皇妃ツィタ/【コラム】カプツィーナ納骨堂/【コラム】ボスニア・ムスリムのその後
上記内容は本書刊行時のものです。