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北東アジア、ニーチェと出会う
19世紀末~20世紀初頭の精神史的地平
- 初版年月日
- 2024年7月26日
- 発売予定日
- 2024年7月26日
- 登録日
- 2024年5月24日
- 最終更新日
- 2024年7月8日
紹介
19世紀末から20世紀への転換期、ニーチェの思想はロシアから日本へ、さらに中国や朝鮮へと伝わり、西洋帝国主義やアジア旧社会からの自立・独立を望む知識人層に受容され、支持された。高山樗牛や浮田和民、梁啓超や魯迅、朝鮮の若き思想家たちは、当時先端の進化論や道徳理論と対峙しつついかにニーチェを読み、精神の革命を夢見たか? 東アジア近代に新たな発見をもたらす、韓国発の出色の受容史。
目次
出版にあたって 【金正鉉】
第一章 十九世紀末ロシアの思想地形図とニコライ・グロットのニーチェおよびトルストイ解釈 【文俊一】
1 ロシア、北東アジアのニーチェ言説の始原
2 ロシアのニーチェ受容史
3 ロシアの社会状況とニーチェ受容の特徴
4 プレオブラジェンスキー、ニーチェに対する最初の回答
5 ニコライ・グロットのニーチェおよびトルストイ解釈
6 グロットと北東アジアのニーチェ受容の典型
第二章 小西増太郎のニーチェおよびトルストイ受容と日本精神史的意味 【趙晟桓】
1 北東アジアにおけるニーチェ受容史に関する韓国の研究
2 日本ニーチェ受容史の先行研究分析
3 明治期のトルストイ受容
4 小西増太郎のトルストイとニーチェ解析
5 小西以降のニーチェ解析
6 初期日本ニーチェ受容史の意味
第三章 高山樗牛「美的生活を論ず」とニーチェ思想 【岩脇リーベル豊美】
1 高山樗牛の評論活動の成立と個人主義
2 樗牛の「美的生活を論ず」以前のニーチェ像形成
3 「美的生活を論ず」の主旨
4 ニーチェ、ツィーグラーからの「美的生活論」解釈と結論
5 結 び
第四章 浮田和民の愛己/愛他解釈と倫理的帝国主義論 【柳芝娥】
1 日本におけるニーチェ哲学受容研究の現状
2 日清戦争以後、日本知識人のニーチェ哲学受容と批判
3 浮田和民の愛己/愛他解釈
4 日露戦争後、国家認識と倫理的帝国主義論
5 浮田和民の帝国主義への転移
第五章 梁啓超の社会進化論とニーチェ思想【金賢珠】
1 ニーチェと進化論
2 進化思想の主体
3 進化の動力
4 進化の過程
5 梁啓超とニーチェの進化思想
第六章 魯迅と沈従文のニーチェ解釈──一九二〇年代の文学経典化とニーチェの中国化を中心に 【高建惠】
1 一九〇二~一九〇八年──魯迅のニーチェに対する理論的解釈
2 一九一八~一九二五年──魯迅のニーチェ中国化の文学実践
3 一九一八~一九二五年──ニーチェの中国本土化と魯迅の経典化
4 魯迅から沈従文まで──ニーチェ中国化の拡大
5 結 論
第七章 一九一〇年代、植民地朝鮮におけるニーチェ思想の受容──『学之光』を中心に 【金正鉉】
1 植民地朝鮮の問題意識とニーチェ
2 『学之光』とニーチェ
3 一九一〇年代のニーチェ解釈──社会進化論と生命主義、新青年の自覚
4 植民地朝鮮におけるニーチェ受容の意味
注・参考文献
人名/著作・雑誌名/事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。