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ナターシャの踊り(下)
ロシア文化史
発行:白水社
四六判
508ページ
定価
5,000 円+税
5,500 円(税込)
- 書店発売日
- 2021年8月3日
- 登録日
- 2021年5月31日
- 最終更新日
- 2021年7月14日
書評掲載情報
2021-09-04 |
毎日新聞
朝刊 評者: 沼野充義(名古屋外国語大学副学長・スラブ文学) |
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紹介
ロシア文化を主人公とした一大叙事詩
「ロシアは頭ではわからない」――「ロシア」をめぐるイメージ=神話の典型のひとつだ。本書では、そうした「ロシア」という「神話」が生み出してきた豊饒たるロシア文化の歴史が、国家や社会を主体とするマクロな歴史を縦糸、個人の生に関わるミクロな歴史を横糸として織りなされる。文学、音楽、美術、演劇、バレエといった大文字の文化のみならず、宮廷の様子や農村の習慣、食や入浴文化、フォークロアまで、ロシア史のさまざまな局面における日常生活を垣間見られるのも本書の魅力だ。
本書が射程に入れるのは、1703年のピョートル大帝による新都建設から、1962年のストラヴィンスキーの亡命先からの一時帰還という250年を超える時間であり、さらに亡命ロシア人社会にもその筆は及んでいるため、膨大な時空間にわたる「ロシア文化」を読者は旅することになる。「ロシア文化」において「ロシア」という「神話」がいかに大きな問題として底流にあったのか、また逆に「ロシア」という「神話」を支えるのにいかに「文化」が重要な役割を担ったのかを、本書で描かれる人物たちを追体験しながら感得することになるだろう。
上記内容は本書刊行時のものです。