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ロシア 奪われた未来
ソ連崩壊後の四半世紀を生きる
- 書店発売日
- 2023年12月4日
- 登録日
- 2023年9月29日
- 最終更新日
- 2023年12月8日
書評掲載情報
2024-03-02 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 下斗米伸夫(法政大学名誉教授) |
2023-12-09 | 毎日新聞 朝刊 |
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紹介
ソ連崩壊後の4半世紀の間、とりわけ長期にわたって支配が続くプーチン時代の激変、クリミア併合からウクライナ戦争に至る底流にはなにがあるのか?
1980年代に生まれ、プーチン時代に成人したジャーンナ(父親ボリス・ネムツォフ)、マーシャ、セリョージャ(祖父アレクサンドル・ヤコヴレフ)、リョーシャの男女4人の人生と家族の群像が活写される。そして精神分析医アルトゥニャン、世論調査機関レヴァダ・センターの社会学者グドコフ、プーチン時代に頭角を現す極右思想家ドゥーギン(3人はロシア社会を理論的に分析する役割)の軌跡を加え、波乱の時代を紡ぎ出す。
プーチン政権を歓迎した多くのロシア人は、安定と権威を渇望するようになった。プーチン時代は法が恣意的に運用され、人びとは恒常的な不安状態に置かれる。市民をそのような状態に置いておくのは、全体主義の要諦なのだ。それはソ連時代の「ホモ・ソヴィエティクス」(思考停止・体制依存型人間)が死滅していなかったことを示している。まさに「再発性全体主義」が支配する社会になったのだ。
ハンナ・アーレント賞受賞ジャーナリストによる、渾身のノンフィクション!
目次
登場人物
プロローグ
第1部 ソ連に生まれて
第1章 一九八四年に生まれて
第2章 試された人生
第3章 特権
第4章 ホモ・ソヴィエティクス
第2部 革命
第5章 白鳥の湖
第6章 ホワイトハウスの処刑
第7章 だれもが富豪になりたがる
第3部 ほころび
第8章 抑圧された悲しみ
第9章 懐かしの歌
第10章 再び振り出しに
第4部 復活
第11章 死後の生
第12章 オレンジ色の脅威
第13章 家族・性・権力
第5部 抗議
第14章 奪われた未来
第15章 ブードゥシェヴォ・ニエト
第16章 白いリボン
第17章 マーシャ 二〇一二年五月六日
第6部 弾圧
第18章 セリョージャ 二〇一三年七月一八日
第19章 リョーシャ 二〇一三年六月一一日
第20章 分断された国民
第21章 ジャーンナ 二〇一五年二月二七日
第22章 永久戦争
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
人名索引/原注/本書に関係する時代の主な出来事(一九八五~二〇一五年)
上記内容は本書刊行時のものです。