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水文学〔原著第2版〕 Wilfried Brutsaert(著/文) - 共立出版
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水文学〔原著第2版〕 (スイモンガクゲンチョダイニパン)

自然科学
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発行:共立出版
B5判
576ページ
定価 12,000円+税
ISBN
978-4-320-04741-9   COPY
ISBN 13
9784320047419   COPY
ISBN 10h
4-320-04741-9   COPY
ISBN 10
4320047419   COPY
出版者記号
320   COPY
Cコード
C3044  
3:専門 0:単行本 44:天文・地学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年6月28日
最終更新日
2024年7月18日
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紹介

原著者のWilfried Brutsaert(ウィルフリード・ブルッツァールト)教授は、2022年には「水のノーベル賞」とも称されるストックホルム水大賞(Stockholm Water Prize)を受賞している、水文学分野の重鎮である。
本書は、コーネル大学における長年の講義の資料を基にして書かれた、自然界の水の分布および移動に関する様々な概念とそれらの相互作用を論理的に解説した、水文学のテキストの改訂版の邦訳である。初版同様、大気中、地表面、地下、それぞれにわたる水循環について、一貫した論理の流れ、同一の提示の方法に従ってわかりやすい記述がなされている。それに加えて、初版刊行からの十数年における新たな知見、例えば気候変化に対する地球規模水循環の応答、地表面熱収支のクロージャー問題、融雪、地下水貯留量変化や乱された大気境界層を伴う地表面の統計的変動性などを盛り込んだ内容となっている。
また、水文学とその周辺分野とのつながりも記述されているため、関連する分野の研究者や技術者にとっても利用しやすい書籍となっている。水文学を志す学生や水文学の研究者のみならず、環境科学、気象学、農学、地質学、気候学、海洋学、雪氷学や他の地球科学分野の研究者や技術者にとっても、大変有益な書となるだろう。

[原著: Hydrology: An Introduction, 2nd Edition, Cambridge University Press, 2023]

目次

第1章 はじめに
1.1 定義と対象
1.2 水循環
1.3 地球規模水収支の推定値
1.4 方法と手順
1.5 保存則:運動方程式


第I部 大気中の水

第2章 大気中の水:下部大気の流体力学
2.1 空気中の水蒸気
2.2 流体静力学と大気安定度
2.3 水蒸気の乱流輸送
2.4 大気境界層
2.5 乱流の相似則
2.6 地表面での境界条件:熱収支の制約
2.7 地表面の変動性と乱された境界層を伴った統計的均質性

第3章 降 水
3.1 降水の形成
3.2 大きな降水をもたらす天気組織
3.3 地表面での降水分布
3.4 遮断
3.5 融雪
3.6 ルーチン的な降水量測定の信頼性

第4章 蒸 発
4.1 蒸発のメカニズム
4.2 質量輸送式
4.3 熱収支および関係する式
4.4 水収支法
4.5 蒸発の気候値


第II部 地表面の水

第5章 地表面上の水:自由水面流れの流体力学
5.1 自由水面の流れ
5.2 水理解析法理論:浅水方程式
5.3 摩擦勾配
5.4 一般的考察と自由水面流れの性質

第6章 地表流
6.1 標準的な定式化
6.2 キネマティックウェーブの方法
6.3 集中型キネマティック解析

第7章 河流追跡
7.1 大きな洪水波の伝搬における両極端の事例
7.2 集中型キネマティック法:マスキンガム法
7.3 マスキンガム法のパラメータの推定


第III部 地表面下の水

第8章 地中の水:多孔体中の流体力学
8.1 多孔体
8.2 空気存在下の間隙水の流体静力学
8.3 多孔体中の水の輸送
8.4 質量と運動量保存場の方程式

第9章 浸透および関連する不飽和流
9.1 浸透現象の一般的性質
9.2 重力のない場合の浸透能:吸水
9.3 浸透能
9.4 降雨浸透
9.5 集水域スケールでの浸透と他の「損失」
9.6 毛管上昇と土壌表面での蒸発

第10章 地下水流出量と基底流量
10.1 河畔域の不圧帯水層中の流れ
10.2 自由水面を有する流れ:第1の近似
10.3 地下水に対する水理解析法理論:第2の近似
10.4 地下水に対する線形化水理解析法理論:第3の近似
10.5 傾斜した帯水層中のキネマティックウェーブ:第4の近似
10.6 集水域スケールでの基底流のパラメタリゼーション


第IV部 降水への応答としての流域スケールの水の流れ

第11章 水流発生機構:メカニズムとパラメタリゼーション
11.1 河畔域と源流域
11.2 河畔域における洪水流出メカニズム
11.3 メカニズムとパラメタリゼーションの選択肢に関するまとめ

第12章 集水域スケールでの河川流の応答
12.1 定常線形応答:単位図
12.2 線形応答関数の決定
12.3 定常で非線形な集中型応答
12.4 非定常な線形応答
12.5 平均年降水量からの年集水域流出量

第13章 水文学における頻度解析の基本
13.1 確率変数と確率
13.2 確率分布関数の記述子
13.3 離散型変数に対する確率分布
13.4 連続変数に対する確率分布
13.5 利用できるデータの拡張

第14章 おわりに:水循環の認識の歴史
14.1 初期の概念:大気の水循環
14.2 古代ギリシャ
14.3 古代ローマ時代
14.4 哲学から実験による科学へ
14.5 おわりに


付録 役に立つ数学概念
A.1 積分の微分操作
A.2 線形定常システムの一般応答
A.3 非線形システムの一般応答

上記内容は本書刊行時のものです。