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出版者情報
ハダニの科学
知っておきたい農業害虫の生物学
- 初版年月日
- 2024年11月1日
- 書店発売日
- 2024年11月8日
- 登録日
- 2024年9月13日
- 最終更新日
- 2024年10月24日
紹介
◆農業ダニ類のなかでもっとも重要な位置を占めるハダニについて,基礎科学と応用科学の両面からわかりやすく解説する,「ハダニ類のすべてがわかる」一冊.
◆防除のために重要となるハダニの行動・生態・天敵などの生物学的な基礎知識をしっかりカバー.
◆モデル生物としての重要性,外来種問題,遺伝子解析技術の向上による新しい知見,実験手法を盛り込むことなどの最新の情報を提供.
【主な目次】
第1章 Q&A
第2章 分類と系統進化
2.1 ハダニ上科の特徴
2.2 各属の紹介
2.3 系統進化
第3章 形 態
3.1 概 説
3.2 顎体部
3.3 胴 部
3.4 脚
3.5 皮 膚
3.6 感覚器
3.7 神経系
3.8 呼吸器系
3.9 消化器系
3.10 生殖器系
3.11 出糸腺
第4章 生活史
4.1 生活ステージ
4.2 発育と増殖
4.3 性決定と性比
4.4 共生微生物
4.5 休 眠
第5章 生理・生化学
5.1 食性と消化酵素
5.2 寄主植物の誘導抵抗性と制御機構
5.3 情報化学物質
5.4 ホルモン
5.5 糸
5.6 農薬作用機構
第6章 行動・生態
6.1 集団構造と分散
6.2 天敵と捕食回避
6.3 繁殖行動
6.4 生活型と社会性
第7章 遺 伝
7.1 染色体と単為生殖
7.2 ゲノム
7.3 順遺伝学と逆遺伝学
第8章 農業被害と防除
8.1 野菜・花卉類における被害と防除
8.2 果樹類における被害と防除
8.3 薬剤抵抗性発達とその管理
第9章 外来種
9.1 ハダニにおける外来種の事例
9.2 植物防疫法と侵入を警戒するハダニ類
第10章 実験法
10.1 採集法と飼育法
10.2 標本作成法
10.3 SEM標本作成法
10.4 画像処理による食害解析
10.5 画像処理による行動解析
10.6 薬剤感受性の検定方法
10.7 非破壊・古い標本DNA抽出方法,標本の保存
10.8 RNA抽出
10.9 ゲノムDNA抽出
10.10 タンパク質抽出
付録 ハダニ分類表
目次
第1章 Q&A
●コラム1 我が国のハダニ学のあけぼの
第2章 分類と系統進化
2.1 ハダニ上科の特徴
2.1.1 ハダニ上科の概説
2.1 2 ハダニ科の概説
2.1 3 ヒメハダニ科の概説
2.1.4 ケナガハダニ科の概説
2.2 各属の紹介
2.2.1 ハダニ科
2.2.2 ヒメハダニ科
2.2.3 ケナガハダニ科
2.3 系統進化
2.3.1 ハダニ上科の系統的位置
2.3.2 ハダニ上科内の3科
2.3.3 ヒメハダニ科の分子系統解析
2.3.4 ハダニ科の分子系統解析の歴史
2.3.5 ハダニ科内の系統解析
●コラム2 ナミハダニの黄緑型と赤色型は同種か別種か?
第3章 形 態
3.1 概 説
3.2 顎体部
3.3 胴 部
3.4 脚
3.5 皮 膚
3.6 感覚器
3.6.1 眼(光受容器)
3.6.2 毛(嗅覚受容器,味覚受容器および機械受容器)
3.6.3 琴形器官(機械受容器)
●コラム3 ナミハダニの眼をレーザー光で焼き潰す
3.7 神経系
3.8 呼吸器系
3.9 消化器系
3.10 生殖器系
3.11 出糸腺
第4章 生活史
4.1 生活ステージ
4.1.1 生活史のタイプ
4.1.2 胚発生
4.2 発育と増殖
4.2.1 発育零点と有効積算温度
4.2.2 加齢に伴う雌率の変化
4.2.3 増 殖
4.3 性決定と性比
4.3.1 性と生殖
4.3.2 性 比
4.3.3 性比調節
4.4 共生微生物
4.4.1 共生微生物とは
4.4.2 細胞質不和合性
4.4.3 単為生殖の誘導
4.4.4 遺伝的雄の機能的雌化
4.4.5 生殖を操作しない微生物の系統
4.5 休 眠
4.5.1 休眠ステージ
4.5.2 休眠誘起のシグナル
4.5.3 低温耐性
4.5.4 捕食者との関係
●コラム4 Razumovaの概年リズム
第5章 生理・生化学
5.1 食性と消化酵素
5.1.1 植物の生体防御への適応と間接効果
5.1.2 消化酵素
5.2 寄主植物の誘導抵抗性と制御機構
5.2.1 エリシター
5.2.2 テトラニン
5.2.3 エリシターvs.エフェクター
5.2.4 間接防御と植物間コミュニケーション
5.3 情報化学物質
5.4 ホルモン
5.5 糸
5.6 農薬作用機構
5.6.1 殺ダニ剤の種類
5.6.2 代謝と活性化
5.6.3 作用点と阻害機構
●コラム5 害虫の生活史から抵抗性管理戦略を考える
第6章 行動・生態
6.1 集団構造と分散
6.1.1 ハダニ類の集団構造に影響する要素
6.1.2 単数倍数性決定がハダニ類の集団構造に及ぼす影響
6.1.3 ハダニ類の空間分布パターンと移出入
6.2 天敵と捕食回避
6.2.1 捕食行動の種類
6.2.2 捕食性天敵の食性幅
6.2.3 天敵のハダニ類探索
6.2.4 ハダニ類の捕食回避戦略
6.2.5 ハダニ類のギルド内捕食者
●コラム6 大害虫のハダニが恐れる芋虫―植食者が自然界の秩序を保つ?
6.3 繁殖行動
6.3.1 雄の繁殖戦術
6.3.2 雌の繁殖戦術
6.3.3 異種との繁殖
●コラム7 ハダニにおける危険な情事―病原菌に侵された雌が魅力的?
6.4 生活型と社会性
6.4.1 巣網のタイプ
6.4.2 巣網の機能
6.4.3 社会性と致死的闘争
第7章 遺 伝
7.1 染色体と単為生殖
7.1.1 核 型
7.1.2 染色体数と倍数性
7.1.3 性決定と単為生殖
7.1.4 日本産ハダニ類の染色体と繁殖様式
7.2 ゲノム
7.3 順遺伝学と逆遺伝学
7.3.1 染色体地図
7.3.2 RNA干渉
7.3.3 ゲノム編集
第8章 農業被害と防除
8.1 野菜・花卉類における被害と防除
8.1.1 野菜・花卉類で問題となるハダニ種と生態
8.1.2 被害状況
8.1.3 野菜・花卉類における防除
8.2 果樹類における被害と防除
8.2.1 果樹類で問題となるハダニ種と生態
8.2.2 被害状況
8.2.3 果樹類におけるハダニ防除―天敵類の活用
●コラム8 ハダニ防除に用いる天敵カブリダニ製剤の進歩と新技術開発
●コラム9 捕食者のカブリダニは病原菌の運び屋としても役に立つ?
8.3 薬剤抵抗性発達とその管理
8.3.1 個体と集団
8.3.2 薬剤抵抗性遺伝子
8.3.3 薬剤抵抗性発達に影響する遺伝および生態的要因
8.3.4 薬剤抵抗性管理
●コラム10 ハダニ防除に欠かせないカブリダニ製剤
第9章 外来種
9.1 ハダニにおける外来種の事例
9.1.1 ミツユビナミハダニTetranychus evansi
9.1.2 スゴモリハダニ属Stigmaeopsis
9.2 植物防疫法と侵入を警戒するハダニ類
9.2.1 植物検疫の概要
9.2.2 侵入を警戒するハダニ類
第10章 実験法
10.1 採集法と飼育法
10.1.1 採集法
10.1.2 飼育法
10.1.3 リーフディスク法(リーフカルチャー法)
10.1.4 寒天ゲル法
10.1.5 マンジャーセル法
10.1.6 ポット植物法
10.1.7 綿玉法
10.2 標本作成法
10.2.1 雌成虫(背面)
10.2.2 雄成虫(真横)
10.2.3 カバーガラスのシール(封入)
10.3 SEM標本作成法
10.3.1 走査型電子顕微鏡観察
10.4 画像処理による食害解析
10.5 画像処理による行動解析
10.6 薬剤感受性の検定方法
10.6.1 供試個体群の採集
10.6.2 リーフディスクの準備
10.6.3 供試ハダニの接種
10.6.4 処理前計数
10.6.5 薬剤散布
10.6.6 処理後計数
10.6.7 評 価
10.6.8 簡易検定
10.7 非破壊・古い標本DNA抽出方法,標本の保存
10.7.1 非破壊によるDNAの抽出法
10.7.2 古い標本DNA抽出方法,標本の保存
10.8 RNA抽出
10.9 ゲノムDNA抽出
10.10 タンパク質抽出
●コラム11 ダニの超拡大撮影方法の一例
付録 ハダニ分類表
上記内容は本書刊行時のものです。