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ひとでなし
発行:文藝春秋
四六判
重さ 600g
640ページ
定価
2,900円+税
- 書店発売日
- 2024年10月8日
- 登録日
- 2024年7月26日
- 最終更新日
- 2024年11月7日
書評掲載情報
2024-11-10 |
読売新聞
朝刊 評者: 東畑開人(臨床心理士) |
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紹介
嫌な気分は何もかもノートにぶちまけて、言葉の部屋に閉じ込めなさい。
尊敬するセミ先生からそう教えられたのは、鬼村樹(イツキ)が小学五年生の時だった――
「架空日記」を書きはじめた当初は、自分が書きつけたことばの持つ不思議な力に戸惑うばかりの樹だったが、やがて生きにくい現実にぶち当たるたびに、日記に跳び移り、日記のなかで生き延び、カルト化していく
現実にあらがう術を身に着けていく。
そう、無力なイツキが、架空日記のなかでは、イッツキーにもなり、ニッキにもなり、イスキにもなり、タスキにもなり、さまざまな生を生き得るのだ。
より一層と酷薄さを増していく現実世界こそを、著者ならではのマジカルな言葉の力を駆使して「架空」に封じ込めようとする、文学的到達点。
上記内容は本書刊行時のものです。