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太平天国 菊池 秀明(著/文) - 岩波書店
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太平天国 (タイヘイテンゴク) 皇帝なき中国の挫折 (コウテイナキチュウゴクノザセツ)

新書
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発行:岩波書店
新書判
縦173mm 横107mm 厚さ12mm
重さ 186g
278ページ
定価 860円+税
ISBN
978-4-00-431862-0   COPY
ISBN 13
9784004318620   COPY
ISBN 10h
4-00-431862-9   COPY
ISBN 10
4004318629   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C0222  
0:一般 2:新書 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年12月18日
書店発売日
登録日
2020年11月10日
最終更新日
2024年4月12日
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書評掲載情報

2021-02-27 朝日新聞  朝刊
評者: 藤原辰史(京都大学准教授・食農思想史)
2021-02-07 読売新聞  朝刊
評者: 国分良成(防衛大学校長、国際政治学者)
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紹介

「滅満興漢」を掲げて清朝打倒をめざし、皇帝制度を否定した太平天国。その鎮圧のために組織され、台頭する地方勢力の筆頭となった曽国藩の湘軍。血塗られた歴史をもたらした両者の戦いの詳細を丹念にたどり、中国近代化へと続く道に光をあてるとともに、皇帝支配という権威主義的統治のあり方を問い直す。

目次

 はじめに

一 神は上帝ただ一つ
 「選ばれし者」洪秀全と客家人
 科挙の失敗と幻夢
 特異なキリスト教受容
 布教の旅と大同思想
 拒絶された洗礼
 上帝会の成立
 『天条書』と民衆文化
 信者たちの証言
 偶像破壊運動の衝撃
 シャーマン・楊秀清の登場
 救世主と政治結社化
 偶像崇拝者としての皇帝
 「太平の日」を求めて

二 約束の地に向かって
 その名は太平天国
 清軍の無力
 洪秀全と五人の王
 「官」への上昇志向
 矛盾する儒教的倫理の評価
 聖庫制度
 反主流派に対する粛清
 北上と勢力の拡大
 長沙攻撃と長江進出
 「賊に恩を感じる」
 滅満興漢の主張
 「中国人」の発見
 大都市の「富」との出会い
 南京占領と旗人虐殺
 近代ヨーロッパから何を学んだのか
 近代文明と排除の論理

三 「地上の天国」の実像
 洪秀全らの南京入城
 住民の組織化と「百工衙」
 宣教師の見た南京
 特徴的な宗教儀礼
 習俗の改変
 めざされた公有制
 深刻な不平等
 諸王の庇護のもとで
 分権的な五王制
 南京人の反応
 不寛容への反発
 北伐軍の出発
 天津郊外への到達
 華北社会の反応
 雪解けの泥に敗北
 救援軍の壊滅
 苛酷な籠城戦
 北伐軍の最後

四 曽国藩と湘軍の登場
 西征の開始
 地域支配の始まり
 清朝の漢人官僚不信
 太平天国の科挙
 対儒教政策の転換
 読書人対策の失敗
 曽国藩の登場
 湘軍の創設
 湘軍の出撃と勝利
 長江を攻めくだる湘軍
 形勢の逆転
 太平軍と湘軍の違い
 地域支配をめぐる争い
 西征の終焉

五 天京事変への道
 イギリス公使の南京訪問
 フランス・アメリカ使節の交渉
 救世主としての洪秀全
 多妻制をめぐる論争
 聖書の出版停止
 天父の洪秀全叱責
 恣意的な天父下凡
 諸王の処罰と不和
 くり返される専制
 楊秀清「万歳をせまる」
 ヨーロッパ人の見た天京事変
 「上帝の大家族」の挫折

六 「救世主の王国」の滅亡
 殲滅戦の始まり
 報復の応酬
 洪仁玕の南京到着
 『資政新篇』と上帝教改革
 洪仁玕の内政改革
 李秀成の蘇州進出
 ヨーロッパ諸国との交渉
 夢に頼る洪秀全
 自立し始めた諸王
 安慶の陥落
 李秀成らの浙江進出
 諸王による地域支配
 決裂した外交交渉
 上海、寧波の戦い
 雨花台の南京攻防戦
 蘇州の陥落
 拒絶された首都脱出策
 マナを食え
 太平天国の滅亡

結 論
 否定的な評価
 他者への不寛容さ
 分権か、権力の独占か
 そして「党国体制へ」
 あり得たかもしれない可能性

 あとがき

 参考文献
 図版出典一覧
 関連年表

著者プロフィール

菊池 秀明  (キクチ ヒデアキ)  (著/文

菊池秀明(きくち ひであき)
1961年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会研究科博士課程修了。博士(文学)。中国広西師範大学、広西社会科学院に留学および在学研究。その後、中部大学国際関係学部国際文化学科講師、助教授、国際基督教大学準教授などを経て、
現在―国際基督教大学教授
専攻―中国近代史
著書―『広西移民社会と太平天国』(風響社)、『太平天国にみる異文化受容』(山川出版社)、『中国の歴史10 ラストエンペラーと近代中国』(講談社)、『清代中国南部の社会変容と太平天国』『金田から南京へ――太平天国初期史研究』『北伐と西征――太平天国前期史研究』(ともに汲古書院)

上記内容は本書刊行時のものです。