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姉と弟 捏造の闇「袴田事件」の58年
- 初版年月日
- 2024年11月6日
- 書店発売日
- 2024年11月8日
- 登録日
- 2024年10月10日
- 最終更新日
- 2024年11月1日
紹介
「死刑囚」のくびきを外し、袴田巖が真の自由の身になる時がきた。「捏造」が疑われる警察の動き、死刑判決を下し、支持した歴代裁判所の判断、弁護活動の瑕疵……。寡黙な元ボクサーを精神の破綻に追い込んだ責任はどこにあるのか。献身的に支え続けた姉ひで子と弟の人生を重ね合わせながら、世紀の冤罪事件の全貌に迫る。
目次
はじめに
第一章 事 件
「凶器は売っていない」
浜名湖畔での日々
プロボクサーを故障で引退
一家四人殺害の現場
事件の渦中へ
第二章 拷 問
「袴田しかない」
過熱する報道
理不尽な逮捕
奇妙な遺失物
過酷な取り調べ、手薄な弁護
意識もうろうで「自白」
不審な郵便物に焼けた紙幣
「拷問王」と四件の冤罪事件
第三章 捏 造
みそタンクから「五点の衣類」
主張を変更する検察
緑のブリーフは兄のもとに
元巡査I氏の証言
第四章 死 刑
「無罪の心証」で極刑に
二対一で死刑、三九年後に明かされた合議内容
母親の死と姉の覚悟
控訴趣意書で捏造指摘
東京高裁、はけないズボンで死刑支持
最後の望みを託す
上席調査官の予断と偏見
第五章 喪 心
独居房の弟思い、酒浸りに
引き離された幼い息子
裏木戸からの脱出は不可能
むしばまれる心
第一次再審請求の終結までに二七年
森山法相「常軌逸し始めた」
第六章 釈 放
ボクシング界が支援活動
熊本元裁判官の告白と苦悩
みそ漬け実験結果を新証拠に
取り調べ録音テープを開示
元同僚「一緒に消火活動していた」
死刑停止、四八年ぶりの釈放
戻った自由な時間、検察は抗告
第七章 帰 郷
名誉チャンピオンベルトを手に
六〇歳からマンション一棟建設
五点の衣類のネガ「発見」
散歩に付き添う「見守り隊」
強引に開始決定を取り消した東京高裁
熊本元裁判官との対面
血痕の色めぐり激しい応酬
再審開始決定に喜びの声
第八章 無 罪
検察、特別抗告を断念
釈放を決めた村山元裁判長と対面
再審初公判、「裁かれるべきは司法制度だ」
弁護団長の西嶋勝彦さん死去
袴田さん八八歳、ひで子さん九一歳
再審法改正を求める超党派議連設立
検察側証人も「血痕に赤み残らない」
「弟を人間らしく過ごさせて」
本人不在の法廷で無罪判決
おわりに
関連年表
参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。