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転換する戦時暴力の記憶 戦後ドイツと〈想起の政治学〉
- 初版年月日
- 2024年10月29日
- 書店発売日
- 2024年10月31日
- 登録日
- 2024年9月10日
- 最終更新日
- 2024年10月26日
書評掲載情報
2025-01-19 | 読売新聞 朝刊 |
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紹介
なぜ第二次世界大戦終結から八〇年近く経ついまも、戦時暴力の物語が小説や映画などを通して生み出され続けているのだろうか――日本と同様に敗戦を経て戦後体制が創出された(西)ドイツで、どのような暴力や犠牲者が記憶・追悼されてきたのかを辿りながら、想起という営みが国家のあり方を規定してきたことを明らかにする。
目次
序 章 なぜ戦時暴力は記憶されつづけるのか?
1 問題の所在――「神話的暴力」
2 法と体制
3 暴力の表象とその変化――原爆暴力を事例に
4 暴力・体制・記憶
第1章 汚れなき国防軍兵士――戦争体験の記憶
1 戦争の記憶の構造
2 戦争映画に見る記憶の構造
3 「汚れなき(sauber)」国防軍の「汚れなき」戦争
4 脱走兵・兵役拒否者と司法権力
5 濃縮された暴力の記憶
第2章 苦難からの復興――空襲の記憶
1 「タブー」としての空襲の記憶?――ハンブルクとドレスデン
2 「復興物語」としての空襲の記憶
第3章 ホロコーストのトランスナショナル化と「ホロコースト・モデル」
1 ホロコーストの記憶のトランスナショナル化
2 「フランス革命モデル」から「ホロコースト・モデル」へ
第4章 受動的犠牲者としての加害者――戦争体験記憶の構造転換
1 映画『スターリングラード』
2 国防軍の犯罪
3 映画『私たちの母たち、私たちの父たち』
4 脱走兵の名誉回復問題
第5章 克服から犠牲の受容へ――空襲記憶の構造転換
1 記憶の転換
2 『火禍』と写真集『火禍現場』
3 映画『ドレスデン』
第6章 グローカル化する記憶
1 ポーランドにおける記憶のグローカル化
2 ドイツ移民社会における記憶のグローカル化
終 章 〈想起の政治学〉――創建神話としての暴力
1 法/体制と記憶
2 戦後体制からポスト戦後体制へ
3 戦後日本と〈想起の政治学〉
あとがき
注
人名索引/事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。