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スターリングラード(中) ワシーリー・グロスマン(著/文) - 白水社
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スターリングラード(中) (スターリングラードチュウ)

文芸
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発行:白水社
四六判
392ページ
定価 4,900円+税
ISBN
978-4-560-09275-0   COPY
ISBN 13
9784560092750   COPY
ISBN 10h
4-560-09275-3   COPY
ISBN 10
4560092753   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年3月2日
最終更新日
2024年6月6日
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書評掲載情報

2024-07-13 日本経済新聞  朝刊
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紹介

20世紀の『戦争と平和』、戦争を貫くヒューマニズム

『人生と運命』(みすず書房)の読者が待ち望んだその前編となる全三巻。人情味あふれる物語が居間のランプに照らされ、戦場の火炎に炙られる。市民と兵士に、さらにはドイツ兵にも同情の視線が注がれたポリフォニックな群像小説。
本書は1942年4月のヒトラーとムッソリーニ会談から、主人公の一人クルイモフがヴォルガ川を渡ってスターリングラードへ入る9月まで、5カ月未満の物語だ。冒頭、コルホーズ労働者が召集令状を受け取る心理描写の細やかさは、本書の典型的特徴だ。「老練な赤軍の将軍、新米の民兵、恐怖におののく主婦を描くとき、グロスマンは分け隔てのない思いやりと敬意をこめてペンをふるう」。そして「スターリングラード駅防衛戦の描写は『イーリアス』に匹敵しよう。グロスマンが描く、24時間以内に確実に死ぬことを知っている若者たちの内面描写は真に迫っている」。
本書は、英国のロシア文学翻訳家チャンドラー夫妻の校訂による、検閲・削除された原稿の追加を含む改訂英訳版(2019年)からの邦訳となる。

著者プロフィール

ワシーリー・グロスマン  (ワシーリー グロスマン)  (著/文

Василий Семёнович Гроссман( Vasily Semyonovich Grossman)
1905年、ウクライナのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻、卒業後は炭鉱で技師として働く。30年代から小説の執筆を始める。独ソ戦中は従軍記者として最前線やトレブリンカ絶滅収容所を取材する。そこでホロコーストの事実を世界で最初に報道する。52年、『正義の事業のために』(本書『スターリングラード』の初出版のタイトル)を刊行。60年、本書の後編にあたる『人生と運命』を完成させるが、KGBによってタイプ原稿を押収される。64年、死去。その後、原稿の写しがマイクロフィルムに収められて、80年にスイスにてロシア語で刊行。邦訳書:『人生と運命』(全3巻、齋藤紘一訳)『万物は流転する』(齋藤紘一訳、亀山郁夫解説)『トレブリンカの地獄:ワシーリー・グロスマン前期作品集』(赤尾光春・中村唯史訳)『システィーナの聖母:ワシーリー・グロスマン後期作品集』(齋藤紘一訳、以上みすず書房)。

ロバート・チャンドラー  (ロバート チャンドラー)  (著/文

英国のロシア文学翻訳家の夫婦。グロスマン、プーシキン、プラトーノフ、イズマイロフなどの作品を英訳し、数多くの翻訳賞を受賞している。ロシア文学の英訳者として、第一人者の地位を築いている。本書『スターリングラード』のさまざまな版を精査し、検閲・削除された原稿を追加して、改訂英訳版を2019年に刊行する。

エリザベス・チャンドラー  (エリザベス チャンドラー)  (著/文

英国のロシア文学翻訳家の夫婦。グロスマン、プーシキン、プラトーノフ、イズマイロフなどの作品を英訳し、数多くの翻訳賞を受賞している。ロシア文学の英訳者として、第一人者の地位を築いている。本書『スターリングラード』のさまざまな版を精査し、検閲・削除された原稿を追加して、改訂英訳版を2019年に刊行する。

園部 哲  (ソノベ サトシ)  (翻訳

1956年福島県生まれ。1979年一橋大学法学部卒業、三井物産入社。同社退職後、翻訳業に就く。訳書に『ニュルンベルク合流』『エリ・ヴィーゼルの教室から』『上海フリータクシー』『第三帝国を旅した人々』(以上、白水社)ほか多数。自著に『異邦人のロンドン』(集英社インターナショナル)がある、ロンドン郊外在住。

上記内容は本書刊行時のものです。