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ザッハー=マゾッホ集成Ⅲ ザッハー=マゾッホ(著) - 人文書院
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ザッハー=マゾッホ集成Ⅲ (ザッハーマゾッホシュウセイ サン) カルト (カルト) 完結

文芸
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発行:人文書院
四六判
縦194mm 横135mm 厚さ38mm
重さ 550g
436ページ
上製
定価 10,000円+税
ISBN
978-4-409-13044-5   COPY
ISBN 13
9784409130445   COPY
ISBN 10h
4-409-13044-7   COPY
ISBN 10
4409130447   COPY
出版者記号
409   COPY
Cコード
C3097  
3:専門 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年9月30日
書店発売日
登録日
2024年6月12日
最終更新日
2024年10月10日
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書評掲載情報

2024-10-13 読売新聞  朝刊
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紹介

ドゥルーズに見出されたマゾッホの現代性

あるいは「草原のメシアニズム」、あるいは「農本共産主義」(ドゥルーズ)を具現する、ロシア正教の異端宗派、ユダヤ教の二つの宗派など、さまざまなカルトが蟠居する東欧のスラヴ世界。マゾッホの宗教観を如実に語る「漂泊者」ほか、5編の小説および2編の論考を収録。

◎目次
漂泊者
サバタイ・ツェヴィ
聖なる母(抄)
魂を虜にする女(抄)
静かな村
ガリツィアにおけるユダヤ教の二つの宗派
ロシア正教系の異端宗派



解説 平野嘉彦

目次

漂泊者
サバタイ・ツェヴィ
聖なる母(抄)
魂を虜にする女(抄)
静かな村
ガリツィアにおけるユダヤ教の二つの宗派
ロシア正教系の異端宗派



解説 平野嘉彦

前書きなど

 レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホの作品は、従来、日本でどのように読まれてきたのだろうか。母方の姓を受け継いだ「マゾッホ」の名が、「マゾヒズム」という呼称のもとになったように、彼は、私生活においても、その作品においても、ひとしく「マゾヒズム」を具現する作家と見做されてきた。なるほどそのこと自体は、かならずしも見当はずれとはいえない。ただし、その「マゾ」とは通俗的に理解された表象であって、その代表作と目される『毛皮のヴィーナス』にしても、まさにキワモノ小説の扱いを受けていた。その「マゾヒズム」を思想的に定位したドゥルーズの評論をもってして、はじめてマゾッホの作品もその意味が十全に明らかになったが、しかし、それを敷衍しつつ日本語で読みすすめるに足る翻訳は、まだ日の目をみていなかった。

 他方で、マゾッホの多くの作品は、彼の故郷であったオーストリア領ガリツィア、現在はポーランド東南部からウクライナ西部にかけてひろがっている、この地方の自然、風土、社会を主題にしている。そうした作品は、かつてわずかながら日本語に訳されもしたが、ドイツ系、ポーランド系、ウクライナ系、ユダヤ系など、さまざまなエスニシティが葛藤をはらみつつ共生する、複数の言語、宗教を擁するこの地域の特性を紹介するには、十分とはいえなかった。そうした出自をもちながら、啓蒙主義者を自任し、かつみずから「マゾヒスト」であったという彼が、どのような思想的位相をしめていたのかは、あらためて考えなければならない問題ではあるだろう。その意味では、「エロス」、「フォークロア」、「カルト」の三巻からなる『ザッハー=マゾッホ集成』は、多岐にわたる詳細な注解も相俟って、その作品の文化史的、思想史的な理解をも可能にするものと自負している。

版元から一言

全3巻一挙刊行の第3巻目。マゾッホの宗教観を物語る5編の小説と2編の論考を収録。

著者プロフィール

ザッハー=マゾッホ  (ザッハー マゾッホ)  (

【著】レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ(Leopold von Sacher Masoch)

平野 嘉彦  (ヒラノ ヨシヒコ)  (

【訳者・解説】平野 嘉彦(ひらの・よしひこ)
1944年生まれ。京都大学文学部卒業、東京大学名誉教授。主な著訳書に、テーオドール・W・アドルノ『アルバン・ベルク─ 極微なる移行の巨匠』(法政大学出版局、1983)、『プラハの世紀末─ カフカと言葉のアルチザンたち』(岩波書店、1993)、『マゾッホという思想』(青土社、2004)、『ボヘミアの〈儀式殺人〉─ フロイト・クラウス・カフカ』(平凡社、2012)、『土地の名前、どこにもない場所としての─ ツェラーンのアウシュヴィッツ、ベルリン、ウクライナ』(法政大学出版局、2015)、他。

上記内容は本書刊行時のものです。