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ザッハー=マゾッホ集成Ⅰ ザッハー=マゾッホ(著) - 人文書院
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ザッハー=マゾッホ集成Ⅰ (ザッハーマゾッホシュウセイ イチ) エロス (エロス)

文芸
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発行:人文書院
四六判
縦194mm 横135mm 厚さ45mm
重さ 650g
556ページ
上製
定価 10,000円+税
ISBN
978-4-409-13042-1   COPY
ISBN 13
9784409130421   COPY
ISBN 10h
4-409-13042-0   COPY
ISBN 10
4409130420   COPY
出版者記号
409   COPY
Cコード
C3097  
3:専門 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年9月30日
書店発売日
登録日
2024年6月12日
最終更新日
2024年10月10日
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書評掲載情報

2024-10-13 読売新聞  朝刊
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紹介

闘うためには武器がいる ザッハー=マゾッホの恋愛流儀

習俗を巧み取り込んだストーリーテラーとしてのマゾッホの筆がさえる。本邦初訳の完全版「毛皮のヴィーナス」ほか全4作品を収録。

◎目次
コロメアのドンジュアン
再兵役 
月夜  
毛皮のヴィーナス 決定版

解説 西成彦

目次

コロメアのドンジュアン
再兵役 
月夜  
毛皮のヴィーナス 決定版

解説 西成彦

前書きなど

 レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホの作品は、従来、日本でどのように読まれてきたのだろうか。母方の姓を受け継いだ「マゾッホ」の名が、「マゾヒズム」という呼称のもとになったように、彼は、私生活においても、その作品においても、ひとしく「マゾヒズム」を具現する作家と見做されてきた。なるほどそのこと自体は、かならずしも見当はずれとはいえない。ただし、その「マゾ」とは通俗的に理解された表象であって、その代表作と目される『毛皮のヴィーナス』にしても、まさにキワモノ小説の扱いを受けていた。その「マゾヒズム」を思想的に定位したドゥルーズの評論をもってして、はじめてマゾッホの作品もその意味が十全に明らかになったが、しかし、それを敷衍しつつ日本語で読みすすめるに足る翻訳は、まだ日の目をみていなかった。

 他方で、マゾッホの多くの作品は、彼の故郷であったオーストリア領ガリツィア、現在はポーランド東南部からウクライナ西部にかけてひろがっている、この地方の自然、風土、社会を主題にしている。そうした作品は、かつてわずかながら日本語に訳されもしたが、ドイツ系、ポーランド系、ウクライナ系、ユダヤ系など、さまざまなエスニシティが葛藤をはらみつつ共生する、複数の言語、宗教を擁するこの地域の特性を紹介するには、十分とはいえなかった。そうした出自をもちながら、啓蒙主義者を自任し、かつみずから「マゾヒスト」であったという彼が、どのような思想的位相をしめていたのかは、あらためて考えなければならない問題ではあるだろう。その意味では、「エロス」、「フォークロア」、「カルト」の三巻からなる『ザッハー=マゾッホ集成』は、多岐にわたる詳細な注解も相俟って、その作品の文化史的、思想史的な理解をも可能にするものと自負している。

版元から一言

全3巻一挙刊行の第1巻目。「マゾヒズム」という人口に膾炙するこの言葉は、ザッハー=マゾッホの小説がなければ生まれなかった。

著者プロフィール

ザッハー=マゾッホ  (ザッハー マゾッホ)  (

【著】レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ(Leopold von Sacher Masoch)

平野 嘉彦  (ヒラノ ヨシヒコ)  (

【訳者】平野 嘉彦(ひらの・よしひこ)
1944年生まれ。京都大学文学部卒業、東京大学名誉教授。主な著訳書に、テーオドール・W・アドルノ『アルバン・ベルク─ 極微なる移行の巨匠』(法政大学出版局、1983)、『プラハの世紀末─ カフカと言葉のアルチザンたち』(岩波書店、1993)、『マゾッホという思想』(青土社、2004)、『ボヘミアの〈儀式殺人〉─ フロイト・クラウス・カフカ』(平凡社、2012)、『土地の名前、どこにもない場所としての─ ツェラーンのアウシュヴィッツ、ベルリン、ウクライナ』(法政大学出版局、2015)、他。

中澤 英雄  (ナカザワ ヒデオ)  (

【訳者】中澤 英雄(なかざわ・ひでお)
1947年生まれ。2023年逝去。東京大学名誉教授。主な著訳書に、L.v. ザッハー= マゾッホ『ユダヤ人の生活─ マゾッホ短編小説集』(柏書房、1994)、ルイーゼ・リンザー『ダライ・ラマ平和を語る』(人文書院、2000)、『ルイーゼ・リンザーの宗教問答―カルトを越えて』(鳥影社、2023)、『カフカとキルケゴール』(オンブック、2005)、『カフカ・ブーバー・シオニズム』(オンブック、2010)、Kafka und Kierkegaard: Meditation uber die letzten Dinge (iudicium 2016)『Kafka und Buber: Beim Bau der chinesischen Mauer und seine Satellitenwerke (iudicium 2018)、ほか。

西 成彦  (ニシ マサヒコ)  (

【訳者・解説】西 成彦(にし・まさひこ)
1955年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化博士課程中退。立命館大学名誉教授。主な著訳書に、ショレム・アレイヘム『牛乳屋テヴィエ』(岩波文庫、2012)、『マゾヒズムと警察』(筑摩書房、1988)、『ラフカディオ・ハーンの耳』(岩波書店、1993)、『胸さわぎの鷗外』(人文書院、2013)、『バイリンガルな夢と憂鬱』(人文書院、2014)『外地巡礼─ 「越境的」日本語文学論』(みすず書房、2018)、『死者は生者のなかに─ ホロコーストの考古学』(みすず書房、2022)他。

上記内容は本書刊行時のものです。