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『荒地』の時代 荒木 正純(著/文) - 小鳥遊書房
.

『荒地』の時代 アメリカの同時代紙からみる

発行:小鳥遊書房
A5判
832ページ
上製
価格 7,200円+税
ISBN
978-4-909812-04-9
Cコード
C0098
一般 単行本 外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年2月15日
書店発売日
登録日
2018年10月25日
最終更新日
2019年1月10日
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紹介

『荒地』生成の始原に迫る新解釈!

モダニズム文学の金字塔と云われる
T・S・エリオットの『荒地』の「コラージュ」様式は、
同時代のアメリカの新聞紙面の有り様と通底している。
作品の組み立てと同時代の新聞記事を併置させて読解することで
見えてくる新たな読みの提示。

目次

はじめに

第Ⅰ部 『荒地』生成の始源に迫る――同時代の新聞記事とのかかわり

 第一章 『荒地』と同時代新聞
   第一節 『ニューヨーク・トリビューン』紙と「荒地」
   第二節 〈声〉から〈新聞〉(書記)へ
   第三節 アナーキスト・モダニズムと『荒地』
   第四節 エリオットとデュシャンのレディ・メイド
   第五節 作品名の〈メモ/コラージュ〉、もしくは豚革文庫の〈リスト〉
   第六節 一九〇九年の新聞紙面のあり様について――〈いろいろな書記〉の〈コラージュ〉
   第七節 現代の〈聖杯探索〉――ローズベルトのアフリカ狩猟旅行言説をめぐって

 第二章 『荒地』の組み立てと同時代の新聞記事
   第一節 『荒地』とウェックス・ジョーンズ
   第二節 新聞に登場したエリオットと『荒地』――一九一〇年~一九二二年
   第三節 『荒地』と「豚革文庫」と「五フィートの本棚文庫」 
   第四節 〈荒地〉と〈荒れ放題の土地〉
   第五節 〈エイプリール〉は、なぜ〈残酷〉か?
   第六節 「エイプリール」と「ライラック」
            ――詩集『エリプリール・ライラック』とオペレッタ『ライラック・ドミノ』

第Ⅱ部 「Ⅰ 死者の埋葬」をめぐって(その一)

 第一章 『荒地』にいたる途――「エイプリール」と「ライラック」をかいして
   第一節 “April” を歌う詩の系譜 と『荒地』
   第二節 「エイプリール」を歌う異質の詩
             ――ジャクソン「エイプリール」とエリオット「婦人の肖像」
   第三節 ローウェル『カングランデの城』からの『荒地』――「ライラック」を経由して

 第二章 〈ヴィーナス/アドーニス〉神話から、〈ヴィーナス/ヒポリトゥス〉神話へ 
   第一節 「エイプリール」の読みの転換――「第四月」から「アプロディーテの月」へ
   第二節 同時代新聞の「エイプリール」言説に盛り込まれた「政治」言説と「北極探検」言説
   第二節・余白② 同時代の「北極探検」言説
   第二節・余白③ 同時代の「南極探検」言説 
   第三節 「エリプリールはもっとも残酷な月」と『カンタベリー物語』
   第四節 ジャクソン『ラモーナ』と『荒地』の〈赤い川〉
   第五節 〈アプロディーテ/アドーニス神話〉
   第六節 同時代の〈ヴィーナス/アドーニス〉言説
   第七節 〈ヒポリトゥス〉言説――十九世紀後半~二十世紀初期
   第八節 〈アドーニス〉から〈ヒポクリゥトス〉へ
   第九節 “breed” は「目覚めさせる」か? “tuber”は「球根」か?
   第十節 「蟋蟀」のテキスト内存在性
   第十一節 エリオットが使用した「新アメリカ標準聖書」
   第十一節余白・①――「ライラック」言説
   第十二節 「オフィオマクス」(蟋蟀)から「オフィウクス」(蛇使い座)、
                       そして「アスクレーピオス」(救済者)

第Ⅲ部 「Ⅰ 死者の埋葬」をめぐって(その二)

 第一章 シュタルンベルク湖と大公の城
   第一節 〈ケーニヒス湖〉から〈シュタルンベルク湖〉へ
   第二節 〈狂人ルートヴィヒ〉言説
   第三節 〈ケーニヒスゼー〉の行方とフェルディナント・グレゴロヴィウス
   第三節・余白①――〈ヒポリトゥス〉の反〈グノーシス主義〉
   第三節・余白②――〈ケーニヒスベルク〉/〈琥珀〉/〈パエトーン〉の〈馬〉と〈死〉 
   第四節 〈バイエルン〉の春と〈ライラック〉、そして〈エリザベート〉

 第二章 ハプスブルク家の終焉へいたる途
   第五節 エリザベートとアイルランド――カトリック国同士と反イギリス
     第五節余白・①――「トリスタンとイゾルト」をめぐる同時代の新聞言説
     第五節余白・②――同時代の「仏教」言説
     第五節余白・③――同時代の「神智学」と「カルマ」言説
     第五節余白・④――同時代の〈ブラヴァツキー〉と〈神智学〉言説
   第六節 ルートヴィヒ二世の狂気とワグナーの表象
   第六節・余白 〈ソソストリス〉のモデル、修道女マリア・ネネデッタ
   第七節 エリザベートの刺殺と〈ハプスブルク家〉の終焉
   第八節 エリザベートと近代ギリシャ初代国王
   第九節 ハプスブルク家の終焉

第Ⅳ部 『荒地』「Ⅲ 火の説教」をめぐって

 第一章 “abominable” /〈スミルナ〉の示唆すること――「ヨハネ黙示録」
   第一節 作者「ユージェニディーズ」が呈示する一九二二年スミルナの表象――
スミルナの〈両性具有性〉(androgyn)
     第一節余白・「ユージェニデス」か?、そして「両性具有」について
   第二節 一九二二年以前の〈スミルナ〉言説
   第三節 〈スミルナ〉の両性具有性と「ティレシアス」
   第四節 『荒地』と『原・荒地』
   第五節 「褐色の霧」言説
     第五節余白・同時代新聞における「霧と煙」(fog and smoke)言説
   第六節〈ユージェニディーズ/ユーゲニデス氏〉の「アボミナブルなフランス語」
         ――『荒地』と「ヨハネ黙示録」の「スミルナ」表象
     第六節余白・〈ティレイシアス〉の役割
   第七節 同時代の〈ヨハネ黙示録〉言説

 第二章 “demotic”/〈スミルナ〉の示唆すること――現代ギリシャ問題
   第一節 「デモティックなフランス語」の表象
            ――「ロゼッタ・ストーン」碑文解読百周年と十九世紀ギリシャの言語問題
   第三節 ふたつのギリシャ語問題
   おわりに
 
 第三章 「ユージェニディーズ」と同時代の「優生学(ユージェニックス)」言説
   第一節 「ユージェニディーズ」をめぐる先行論 
   第二節 「第二回国際優生学会議」(一九二一年)をめぐって
     第二節余白①――「若い女性が家を出るわけ」言説と〈家〉の崩壊
   第三節 同時代の〈性病〉言説
   第四節 アナーキスト的「優生学」 
       ――モージズ・ハーマンの『アメリカン・ジャーナル・オヴ・ユージェニックス』
     第四節余白①――マッキンレー大統領の暗殺事件と「エマ・ゴールドマン」のアナーキズム
     第四節余白②――「コブノ」について、または、〈リトアニア〉の死と再生 
   第五節 フランス帝国の滅亡と同時代の「ユージェニー/ウジェニー」言説
               ――「ロンドン」で「フランス語」を話す「ウジェニー」
 第四章 「スミルナ」の「カラント」、そして「阿片」
    第一節 〈レーズン〉と〈乾燥イチジク〉に押された〈カラント〉
    第二節 〈スミルナ〉産〈阿片〉
    第三節  同時代新聞の〈阿片〉言説
    第四節 英文学の〈阿片〉言説の系譜――チョーサーからワイルドへ
    おわりに――『神聖ローマ帝国衰亡史』としての『荒地』

著者プロフィール

荒木 正純  (アラキ マサズミ)  (著/文

1946年生まれ。東京教育大学大学院博士課程中退。 東京教育大学文学部助手、静岡大学教養部講師、筑波大学人文社会学系統教授、白百合女子大学教授。 現在、筑波大学名誉教授。博士(文学)。 著書に『ホモ・テキステュアリス:二十世紀欧米文学理論の系譜』 (法政大学出版局)、『芥川龍之介と腸詰』(悠書館)、『「羅生門』と廃仏毀釈』(悠書館)、訳書にキース・トマス『宗教と魔術の衰退』(法政大学出版局)、スティーヴン・グリーンブラット『驚異と占有』(みすず書房)、その他。

上記内容は本書刊行時のものです。