書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
三文オペラ
原書: Die Dreigroschenoper
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年10月18日
- 書店発売日
- 2018年10月20日
- 登録日
- 2018年9月21日
- 最終更新日
- 2019年1月5日
書評掲載情報
2019-02-15 |
週刊読書人
第3277号 評者: 松村浩行 |
2018-11-02 | 東京新聞/中日新聞 夕刊 2018年11月2日付 大波小波 |
MORE | |
LESS |
紹介
“最悪。マジ最悪。うちの娘の性欲はパンッパンだぞ!”
ロンドンの貧民街に暗躍する乞食たちを描き、《ドイツ黄金の20 年代》の光と闇を切り裂いたブレヒト不朽の名作を、気鋭の演出家がキレッキレの日本語で訳しおろす。
クルト・ヴァイルの名曲群がファシズム前夜の都市を照射する、痛快無比の音楽劇!
《東京芸術祭2018》の『野外劇 三文オペラ』で採用された最新日本語訳。
目次
三文オペラ
訳注
解説
『三文オペラ』へのコメント(ベルトルト・ブレヒト)
世界がブレヒトに近づく(平井 玄)
『三文オペラ』と二人のクルト・ヴァイル(大熊ワタル)
訳者あとがき
マックヒースとは何者か(大岡 淳)
前書きなど
この新訳は、単に移ろいやすい若衆コトバにおもねるものではない。例えばイギリスのアンダークラスが吐き出すスラングであるチャヴ語だ。ブレイディみかこが、ロンドンから南へ約七五キロ行ったブライトンの貧民街から筆者の住む東京新宿まで、九六四一キロをネットで超えて送ってくる「地べた」の言葉のことである。〔……〕ブレイディだけではない。栗原康があくことなく綴る奇妙な「ひらがな説法」。廣瀬純のとりわけ語りに現れる回し蹴りのような「逆説」の連発。左派といっても三人の論者たちは微妙に立場が違う。場合によっては相容れない。それでも一人一人の語りの戦略に、私は同じような壁を突破しようとする努力を感じる。大岡淳による新訳もそうしたものだ。
――平井玄(音楽批評)
今回の大岡訳の画期的なところは、〔ブレヒト=ヴァイルによる〕ソングの歌詞が限りなく生きた言葉として、そのままメロディーにはまるように考えられているところだ。意味が成り立つだけでなく、サウンドとしての聞こえ方まで原曲に近いのは凄い。これぞ「超訳」!
――大熊ワタル(ジンタらムータ)
版元から一言
カバーはリバーシブル。ご購入後はお好みの方に変えてお楽しみください。
装釘=宗利淳一
*
日本で最も親しまれている現代劇のひとつといっていいブレヒトの代表作を、気鋭の劇作家であり演出家である訳者が、わたしたちの同時代語に置き換えた最新訳です。いままで戯曲って読みにくいと思っていた読者も、これなら読み通すことができること請け合いです。
本作が書かれた時代はまさに世界恐慌下にしてナチス・ヒトラーの登場前夜。いまこれを読むと、本作の登場人物たちが、俗悪で、長いものに巻かれやすく、中途半端な正義感にあふれ、しかし世のなかを生き抜くヴァイタリティにあふれ……と、まさに自分たちの同時代人であることを再確認させられます。
こんな時代だからこそ、いまこそ再読をおすすめしたい不朽の名作です。
上記内容は本書刊行時のものです。