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こちら、発達障害の世界より―生きやすく生きることを求めて 難波 寿和(著) - 本の種出版
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こちら、発達障害の世界より―生きやすく生きることを求めて (コチラハッタツショウガイノセカイヨリ イキヤスクイキルコトヲモトメテ)

社会一般
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発行:本の種出版
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
重さ 275g
256ページ
並製
価格 1,700円+税
ISBN
978-4-907582-20-3   COPY
ISBN 13
9784907582203   COPY
ISBN 10h
4-907582-20-X   COPY
ISBN 10
490758220X   COPY
出版者記号
907582   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年12月28日
書店発売日
登録日
2019年10月25日
最終更新日
2020年1月21日
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書評掲載情報

2020-02-01 朝日新聞DIGITAL  
評者: 朝日新聞医療サイト「アピタル」で紹介されました。
2020-01-29 山陰中央新報  
評者: 山陰中央新報ホームページの「島根ワイド」で紹介されました。
2020-01-21 LITALICO発達ナビ    1
評者: 「LITALICO発達ナビ」のBOOKガイドで紹介されました。
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紹介

 混沌としたミライを渡っていくための、本という名のチケット。新レーベル『ミライのパスポ』第1弾!
 小さい頃から、言葉はへたくそで、乱暴で、怒りやすくて、泣きやすかった。分かっていても、自分の行動を止めることができなかった。ボクは現実から逃れるために、小学校卒業と同時に記憶を封じ込め、全てを忘れることにした。
 そして大人になり、発達障害者を支援する心理士として働き始めていくうちに、何もかもがうまくいかなくなる。発達障害の診断を受け、うつ病の当事者ともなって休職したとき、ボクは、閉じた記憶のパンドラの箱を開いて、過去の自分と向き合うことを決めた――。
 自閉スペクトラム症の当事者であり、子どもから大人までの療育とカウンセリングに携わる支援者。ふたつの立場をもつ1人の人間としての〈信念〉に基づき、時にシリアスに、時に軽妙に、「あり得ないことがあり得る」発達障害特有の世界を伝える、清冽な自叙伝。生きづらさを抱える全ての人が「生きやすく生きられる」ための道を描き出す。

目次

はじめに
第1章 生きやすく生きられない―発達障害と診断されるまで
 ボクの世界について
 Ⅰ パニックの世界
 Ⅱ 見通しのなさと不安の世界
 Ⅲ 多動・不注意・衝動性の世界
 Ⅳ 感覚の世界
 こんな大人が、できちゃいました
第2章 当事者であり支援者―ふたつの立場で働く
 診断が下りてから、再び働き始めるまで
 ふたつの立場をもつ支援者として
 支援者として使っている手法
第3章 ボクの生きやすさ改善術・障害受容―オモロイ世界に向けて
 ボク的生きやすさとは
 ストレス対処編
 社会スキル編
 不注意・衝動性の対策
 自己努力もしつつ他者援助に頼る
第4章 あなたへの手紙―全ては当事者のために
 パニックの世界にいるあなたへ
 見通しのなさと不安の世界にいるあなたへ
 多動・不注意・衝動性の世界にいるあなたへ
 感覚の世界にいるあなたへ
 あなたへ伝えたいこと
 当事者からのメッセージ
 ボクからのメッセージ
おわりに――「ありがとう」をあなたに

前書きなど

 小さい頃から、言葉はへたくそで、乱暴で、怒りやすくて、泣きやすかった。「なんでボクの気持ちが分かってもらえないんだ!」と叫び続けた。周りの人が困っているのは、痛いほど分かっていたが、しかしボク自身の行動を止めることはできなかった。まるで、周りを困らせるのが、ボクの仕事であるかのように。そう、迷惑をたくさんかけてきた。今思えば最低でクズのような人間だった。周りの人は口を揃そろえて言った、「それでは、大人になってから困るぞ」と。
 30歳で発達障害と診断が下りた。「やはりボクは、普通の人とは違う世界の人間だったのか」と心の中で繰り返した。そこから、ボクは人生を一度捨てた。見事に捨てた。逃げて死んでしまいたかった。頭の中では、常にリセットボタンを押し続けていた。でも終わらなかった人生に、毎日絶望した。
 あるとき、大阪に住む友人が、診断の下りたボクに少し笑いながら言った。
「お前は、発達障害の診断以前に、元から変人だぞ」と。
 そこで、はっと気がついた。ありがたかった。心の底から救われた気がした。世界は違っても同じ人間として認めてくれる存在がいるなんて。心から泣いた。それ以降から、ボクの人生は変わった。「一度捨てた人生だから、生きやすく生きてもよいのではないか?」と思うようになった。

 話は変わるが、ボクは支援者(心理士)でもある。そう、診断が下りる前から。発達障害の人やその他の障害をもつ子どもから大人までの支援や療育、相談業務、保護者支援、きょうだい支援などもしてきた。有名でも、凄腕でもなく、普通の支援者だ。
 ボクにも支援者としての〈信念〉はある。「当事者、家族に耳を傾けること、そして、あきらめずに解決に導くこと」を大切にしている。当事者が何を感じ、何を思い、そしてどうしたいのかを全力で拾っていく努力をしていく。時には訴えに耳を傾け、時にはデータを取り、時には声にもならない声を拾うように姿勢やしぐさを見極めていく。へたくそながらも、全身全霊で向き合うようにしている。
 発達障害の人に対して関わるときには、この人の世界はどういう世界なのだろうと思いながら話を聞く、様子を観察する。一人ひとり、実に変わった世界をもっている。いつも気づかされる。「あなたは、そう考えていたのか!」と感動する。思いもよらぬところで、当事者の方は、成功する。それがトイレでの排泄や、発声・発語から就職できたことまで、そういった感動を当事者や家族と日々共有しながら、成長発達を見つめている。

 はじめに留意しておいてもらいたい。この本はあえて、ハウツー本にしていない。当事者としての信念、支援者としての信念を書きつづっており、発達障害についての考え方のひとつの参考資料にしてもらえたらと思っている。そして、ボクの自叙伝を通して、一風変わった発達障害の世界をのぞいてほしいこと、それを支援や配慮にどうすればつなげていけるかを考えるきっかけになればと思う。

「発達障害の世界から、生きやすさを込めて」

版元から一言

 本の種出版・新レーベル『ミライのパスポ』、はじめます。
 これから先の未来をどのように生きていけばいいのか、明確な針路が見えにくくなっている今。1人の著者の手になる1冊の本を通じて、その生き方や考え方が、読む人にとって自分自身の歩みを、社会の行く先を見通すヒントになるような、思考の〈よすが〉になるレーベルを刊行することを決めました。根底にあるのは「人の数だけ、思い描いている生き方や、社会のあり方がある」という思いです。
 このレーベルでは、こうでなければならない、こうしなければいけないという「常識」から、ちょっとだけ距離を置いてみたいと思います。
 答えを明示することを目的とするのではなく、レーベルの1冊1冊を通じて、読む人が今を生きるための最適解を探していける、そんな旅の伴走者になることをめざしています。
 声高に何かを主張するのではなく、何かしらのコア=「核」をもつ著者だからこそ描くことのできる、そんな本を届けていきます。
 レーベルの第1弾として贈るのは、発達障害(自閉スペクトラム症)の当事者であり、心理士:支援者でもあるという、ふたつの立場をもつ1人の人間として島根県を拠点に活動している、難波寿和(なんば ひさかず)さんの単著です。

著者プロフィール

難波 寿和  (ナンバ ヒサカズ)  (

1982年岡山県生まれ。兵庫教育大学大学院・学校教育研究科障害児教育専攻を修了後、福祉施設で心理士として勤務。2012年に自閉スペクトラム症と社交不安障害、その後、うつ病と診断され休職。心理士という専門職として働き続けていくために、自身の障害や疾患を開示したうえで周囲のサポートを受けながら、島根県を拠点に療育やカウンセリング、家族支援に携わっている。「発達障害児者支援サービススモステABA」代表、「山陰発達障害当事者会スモステの会」代表。全国各地での講演活動にも努める。2016年に初の単著『14歳からの発達障害サバイバルブック 発達障害者&支援者として伝えたいこと』(学苑社)を刊行。

上記内容は本書刊行時のものです。