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考古学からみた北大キャンパスの5,000年
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年7月18日
- 書店発売日
- 2019年7月19日
- 登録日
- 2019年7月8日
- 最終更新日
- 2019年7月19日
紹介
北海道大学札幌キャンパスは、ほぼ全域が埋蔵文化財包蔵地、
つまり遺跡に指定されている――
北大札幌キャンパスにはK39、K435、C44と呼ばれる3つの遺跡がある。
これらの遺跡からは約5,000年前以降、この地に暮らした人々の生活の跡がみつかり、5世紀から7世紀ごろの続縄文文化期から13世紀まで続く擦文文化、さらにアイヌ文化の痕跡が留められている。
明治時代以降、北大のキャンパスとして教育研究を担ってきた場所に眠る「地底世界」と、そこに生活した人々の営みを知る一冊。
2019年北海道大学総合博物館夏季企画展示「K39:考古学からみた北大キャンパスの5,000年」関連書籍。
目次
ようこそ、北大キャンパスの「地底世界」へ
人類史と「埋文」日常業務
北大札幌キャンパスの主な調査地点
北大キャンパスの立地と遺跡
縄文中期~続縄文前半期(約5,000~1,900年前)
続縄文後半期(約1,900~1,300年前)
擦文期(約1,300~800年前)
アイヌ文化期(約800~150年前)
近代~現代:「北大」を発掘する(約150年前~)
生業の変遷と多様性
黒色炭素からみた火の利用
これからの大学埋蔵文化財センター
前書きなど
ようこそ、北大キャンパスの「地底世界」へ
東西約1.2km、南北約2.4kmの北大札幌キャンパス。全国有数の広さを誇るこのキャンパスは、ほぼ全域が埋蔵文化財包蔵地、つまり遺跡に指定されています。札幌キャンパスの大部分はK39遺跡、北キャンパスの一部西側はK435遺跡、そして附属植物園はC44遺跡と呼ばれます。これらの遺跡からは、約5,000年前以降、この地に暮らした人々の生活の跡がみつかっています。
北大札幌キャンパスからは、その名も「北大式」と呼ばれる土器も発見されています。この名称は、北大キャンパス内で最初にみつかった土器が基準資料として設定されたことに由来します。大学名を冠した土器型式は、国内はもちろん、おそらく世界的にも他に例がありません。北大式土器が利用されたのは5世紀から7世紀ごろ。本州では古墳文化中期から後期にあたるこの時期に、北海道では狩猟採集漁労を主たる生業とする続縄文文化が展開されていました。その後、13世紀まで続く擦文文化、さらにそれに続くアイヌ文化と、本州とは異なる文化伝統が展開されてきました。北大札幌キャンパスの足元には、これらの文化の痕跡が「地底世界」として留められています。
この本は北海道大学総合博物館で令和元年(2019年)夏に開催される企画展示「K39:考古学からみた北大キャンパスの5,000年」展を機に編まれたものです。本書を通して、北大札幌キャンパスに眠る「地底世界」と、そこに生活した人々の営みを知ることができます。明治時代以降、この地は北大のキャンパスとして、教育研究の場となっています。しかし、かつては漁労の場や、キャンプサイト、集落、墓地でもありました。北大に遺跡があることさえ知らなかった、という方も、ここから北大キャンパスに生きた人々の息吹をぜひ感じ取っていただきたいと思います。
北海道大学総合博物館 館長 小澤丈夫
上記内容は本書刊行時のものです。