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公文書は誰のものか? 榎澤 幸広(編集) - 現代人文社
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公文書は誰のものか? 公文書管理について考えるための入門書

発行:現代人文社
A5判
176ページ
定価 1,900円+税
ISBN
9784877987244
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年4月30日
書店発売日
登録日
2019年3月13日
最終更新日
2019年4月11日
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書評掲載情報

2019-07-13 朝日新聞  朝刊
評者: 本田由紀(東京大学教授・教育社会学)

紹介

公文書の取扱いが問題となっている。隠蔽・改ざん・廃棄・非記録化が頻繁に行われ、政策判断にあたって必要とされる情報の信頼性が確保されていない。この状態が恒常化すれば、民主主義の崩壊につながる。公文書管理のどこが問題なのか、どうすればよいのかを考える。

目次

第1部 国家権力による情報独占と公文書をめぐる事件
 1-1 公権力が情報を独占する社会とは?
    行政機関が思うままに施策を進めることができる
    情報コントロールは独裁国家への道
 1-2 憲法から見る公文書とは?
    はじめに/公務員とは?/なぜ憲法尊重擁護義務があるのか?
    憲法こそが究極の公文書!?/人権保障と公文書問題/おわりに
 1-3 日本では公文書をめぐってどのような事件があったのでしょうか?
    戦後日本で起きた公文書に関わる事件
    直接的、将来的に人権侵害につながる事例
    国民主権原理を有名無実化する事例/平和主義を有名無実化する事例

第2部 日本の公文書管理体制
 2-1 公文書管理法制はどのように整備されたのでしょうか?
    公権力が情報を独占できないようにするための方策
    世界人権宣言と憲法上の「知る権利」
    情報公開法の制定経緯/公文書管理法の制定経緯
 2-2 公文書管理に関わる法律はどのようなものですか?
    公文書管理法の課題/公文書管理法が対象とする「公文書等」
    公文書の管理・運営・保存・廃棄/歴史的公文書等の保存・利用
    国立公文書館等の機能/自治体の文書管理についての努力義務
 2-3 情報公開法という法律は関係ありますか?
    情報公開法は公文書制度の両輪の一方
    情報公開法の概要/情報公開法の課題
 2-4 公文書改竄を行った場合どう処罰されるのでしょうか?
    文書偽造罪はバラエティに富んでいる
    すべての文書が「文書」ではない/すべての偽造が「偽造」ではない
    軽く偽造、重く刑罰/さんざん改竄、無残な日本
 2-5 戦前の公文書管理はどうなっていたのでしょうか?
    官僚制と文書主義/明治憲法と官僚制・文書主義/文書管理の特徴
    公文書焼却と文書管理体制の崩壊/1945年、私たちが失ったもの
 2-6 立法機関の公文書管理はどうなっているのでしょうか?
    立法機関における公文書管理の意義
    日本国憲法における会議録の保存・公開の原則/国会における文書管理
 2-7 行政機関の公文書管理はどうなっているのでしょうか?
    公文書管理法の「定め」と実際の「運用」
    「行政解釈」による「公文書管理法」の空洞化
    「運用」による「公文書管理法」の空洞化/何が「課題」か
 2-8 司法機関の公文書管理はどうなっているのでしょうか?
    司法機関における公文書/司法行政文書の管理/裁判文書の管理
    重要な記録は永久保存のはずが……
 2-9 会計検査院も把握できない政府費目があるそうですが本当でしょうか?
    はじめに/最近の事例/会計検査院の役割
    民主党の機密費流用防止法案/おわりに
 2-10 国立公文書館はどのような仕事をしているのでしょうか?
    はじめに/国立公文書館が保管しているもの/国立公文書館の役割と歴史
    デジタル化/アーキビストの仕事、養成と拡充の必要性/おわりに
 2-11 国立公文書館以外、公文書を管理している施設はあるのでしょうか?
    16の公文書管理施設/なぜ「大学」が国立公文書館等?
 2-12 自治体は公文書をどのように管理しているのでしょうか?
    はじめに/最近の事例/公文書管理法の規定/現在の状況
    住民共有の知的資源/日本国憲法8章と公文書管理/おわりに
 2-13 アメリカの公文書管理体制はどうなっているのでしょうか?
    アメリカ国立公文書記録管理局/アーキビストとは?/フォイア(FOIA)とは?
    リサーチャー(市民・研究者・ジャーナリスト)側の活動

第3部 私たちの身近な暮らしと関係する公文書
 3-1 社会保障と公文書
    生活保護の切り下げ/政策検証のためにも公文書は必須
    「消えた年金」問題/社会保障は日本の一大事業
 3-2 労働と公文書
    憲法と労働/「働き方改革」/障害者雇用/外国人労働者
 3-3 教育と公文書
    学校における公文書/学校の公文書管理における問題点
    そもそも必要な調査なのか
 3-4 町おこしと公文書
    町おこしの法的な位置づけ/東京都における町おこし
    スイスにおける「町おこし」に関する住民投票の事例
 3-5 特定秘密保護法と公文書管理
    工業都市・港町での写真撮影に不安を覚える時代/特定秘密保護法とは?
    情報隠しの手段となる特定秘密保護法
    私たちの生活の身近にあるかもしれない安全保障情報
    市民やメディア関係者を委縮する処罰規定
 3-6 安保法制と公文書管理
    「アルマジロ」とデンマーク国民の動向/戦争をめぐる「真実」を知る重要性
    南スーダンへの自衛隊派遣と「日報」をめぐる経緯
    元幹部自衛官が明かす理由/安保法制と「公文書」
 3-7 自民党改憲案と公文書管理
    憲法に「知る権利」はありませんが
    自民党改憲案では「知る権利」が保障されていると言いますが
    自民党改憲案では人権制約原理も変更
    「国家の安全」のために人権を制限することに
 3-8 「改憲4項目」と公文書管理
    「改憲4項目」とは/「9条改正」と公文書問題
    「緊急事態条項」と公文書問題/今日の沖縄が映し出す明日の日本

第4部 求められる公文書管理制度
 4  どんな公文書管理体制が必要なのでしょうか?
    憲法原理に適った管理体制/基本法の制定と個別法の改正
    責任者の処罰/改竄・隠蔽体質の根絶に向けて/おわりに

上記内容は本書刊行時のものです。