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エレメンタル 批評文集
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年6月16日
- 書店発売日
- 2023年5月31日
- 登録日
- 2023年5月23日
- 最終更新日
- 2023年6月6日
書評掲載情報
2023-09-23 |
毎日新聞
朝刊 評者: 永江朗(ライター) |
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紹介
つねに読むべきだ、いくらでも読むべきだ。
時代を先駆け、色褪せぬ発見に満ちた管啓次郎の世界文学論、翻訳論を集成!
おれは何者でもない、そんな否定から出発し、広大なる風景をかたちづくった詩人フェルナンド・ペソア、
英語というパトリアを持ちながら異郷に迷い、イタリア語、フランス語、スペイン語に挑んだヘミングウェイ、
師匠ジョイスに劣らぬ語学のひとであり、知られざるメキシコ詩の翻訳者だったサミュエル・ベケット、
現代のシステムのはずれへと歩みつづける稀有なる旅人、写真家津田直、
書くことと読むことにおいて、無数の線をつなぎ、解きほぐしてゆくレベッカ・ソルニット。
海と島影、山々とマングローブが織りなす小さな海域が響かせる世界文学をいち早く論じ、
文学と翻訳の可能性と自由とを描いてきた詩人・比較文学者・翻訳家、管啓次郎の批評文集成!
「世界の広大さと深みを再発見する仕事は、手つかずでぼくらに残されている。」
目次
はじめに
物語が祖だった
夢の鏡
存在と風
トロピカル・ゴシップ
否定の騎士
鳥のように獣のように
鳥でもなく獣でもなく
翻訳人、新しいヨナたち
翻訳のドゥエンデ
破片と図柄
スペインのように見えた、でもそこは
フェルナンド・ペソアと連れだって
オムニフォン
花、野、世Flower Wilderness World
映像的ウォークアバウト
サンゴ礁の勇気を弾ませる「哲学」
語学者ベケット
トゥピへの転身
十和田奥入瀬ノート
写真的シャーマニズムについて
エレメンタル
解説──幻視の歩行によせて 川瀬慈
あとがき
前書きなど
世界化した物質流通と惑星化した情報流通を背景に、歴史上かつてない地平に直面したコスモポリタニズムが、新たな市民性(シヴィリティ、丁寧さ、「正しさ」)を手に入れるための唯一の方法は、これまで回路に乗ることのなかった種類の文学=翻訳の経験をつむこと以外にはないと、ぼくは思う。(本書より)
上記内容は本書刊行時のものです。