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台湾外交の形成 清水 麗(著) - 名古屋大学出版会
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台湾外交の形成 日華断交と中華民国からの転換

A5判
344ページ
上製
価格 5,400円+税
ISBN
978-4-8158-0935-5
Cコード
C3031
専門 単行本 政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年1月20日
書店発売日
登録日
2018年12月17日
最終更新日
2019年1月10日
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書評掲載情報

2019-03-09 日本経済新聞  朝刊

紹介

「一つの中国」という原則と、国際社会での地位存続との板挟みのなかで、台湾は何を選択してきたのか。安全保障をめぐる米国との交渉、国連の中国代表権問題、日中国交回復とその裏での対日断交などを、台湾側の動向を軸にたどり、今日の台湾外交の真の根源を浮き彫りにする画期的著作。

目次

序 章 「現状維持」を生み出すもの

第1章 台湾の中華民国外交の特徴
1 台湾の中華民国外交と内政の関係
2 外交と指導者の威信
3 1960年代までの政治力学
4 小 結

第2章 1950年代の米台関係と「現状維持」をめぐるジレンマ
1 揺れる米国の対台湾政策
2 1950年代の中国代表権問題
3 小 結

第3章 1961年の中国代表権問題をめぐる米台関係
1 ケネディ政権と「二つの中国」論
2 蔣介石の決断――政策転換と葉公超駐米大使の辞任
3 小 結

第4章 政経分離をめぐる日中台関係の展開
1 1960年代前半の日中台関係
2 「第二次吉田書簡」と池田政権の中国・台湾政策
3 小 結

第5章 1960年代の日華関係における外交と宣伝工作
1 「反共」政策をめぐる組織と対外政策
2 1964年の吉田茂訪台に見る宣伝と外交
3 対中闘争としての対日工作
4 小 結

第6章 中華民国の国連脱退とその衝撃
1 台湾問題と国連における米国の影響力の変容
2 国連退出後の台湾の対外政策
3 外交と内政における「漢賊並び立たず」原則
4 小 結

第7章 日華断交のとき 1972年
1 蔣経国体制発足と対外政策の調整
2 日中国交正常化への対応
3 大平外相の対台湾外交と断交後の関係をめぐって
4 日本からの特使派遣
5 日華断交と実質関係の維持
6 小 結

第8章 外交関係なき「外交」交渉
1 航空路線問題の外交問題化
2 航空路線断絶の政治過程
3 日台関係の転換点としての航空路線再開
4 日本における中台外交闘争と蔣経国の「実質外交」
5 小 結

第9章 中華民国外交から台湾外交へ
1 中華民国外交と内政
2 日華断交と日台チャネルの変動
3 過渡期の台湾外交――馬樹禮時期の対日工作
4 李登輝時代への変動のなかで
5 小 結

終 章 「現状維持」の再生産と台湾外交の形成

あとがき

文献目録
索 引

前書きなど

中国と台湾の分離状態は、一九四九年以降すでに六〇年を超える長さで続いている。この半世紀を超える時間は、中台間で「一つの中国」をめぐってなんらかの最終的な着地点を見出すことができなかった時間であり、また日米をはじめ関係各国が中台関係がどこへ行きつくのかを見守り続けた時間でもあった。とはいえ、日米はじめ関係各国やさまざまな国際組織は、ときにこの問題に深く関わり介入し、また八〇年代後半以降台湾が民主化し自立を主張しはじめると、それぞれに台湾とどのように付き合うかという課題に直面してきた。そして、その課題に適切に対処する画期的な方法を編み出すことができずに、すでに二五年以上の時間が過ぎた。

台湾は、二〇一六年に蔡英文政権が発足した当時には二二ヶ国との外交関係をもち、さまざまなかたちで国・地域、そして組織とのつながりをもちながら、実質上は国家として行動し存在してきた。しかし、そうした台湾のもつ国際的ネットワークは、蔡総統時代の最初の二年間で大きなプレッシャーを受ける。台湾と中国との間は公的な対話チャネルが機能しないままに膠着化し、中国が台湾を国際的に孤立させるべく圧力を強めるなかで、二〇一八年までの二年の間に五ヶ国が台湾と外交関係を断絶し、世界保健機関(WHO)の総会(WHA)にも国際航空機構(ICOCA)にもオブザーバー参加さえできなくなった。
……

[「序章」冒頭より]

著者プロフィール

清水 麗  (シミズ ウララ)  (

1967年生まれ
1998年 筑波大学大学院国際政治研究学研究科博士課程単位取得退学
国士舘大学21世紀アジア学部助教授などを経て
現 在 東京大学東洋文化研究所特任准教授、博士(国際政治経済学)
著 書 『現代台湾の政治経済と中台関係』(共著、晃洋書房、2018年)
    『日台関係史 1945~2008』(共著、東京大学出版会、2009年)
    『中台危機の構造――台湾海峡クライシスの意味するもの』
    (共著、勁草書房、1997年)他

上記内容は本書刊行時のものです。