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経済成長の日本史 高島 正憲(著) - 名古屋大学出版会
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詳細画像 0

経済成長の日本史 古代から近世の超長期GDP推計 730-1874

A5判
348ページ
上製
定価 5,400円+税
ISBN
978-4-8158-0890-7
Cコード
C3033
専門 単行本 経済・財政・統計
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年11月1日
書店発売日
登録日
2017年9月22日
最終更新日
2019年6月13日
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受賞情報

第61回(2018年度)「日経・経済図書文化賞」

書評掲載情報

2017-12-17 毎日新聞  朝刊
2017-12-10 毎日新聞  朝刊
評者: 岩間陽子(政策研究大学院大学教授・国際政治)
2017-12-10 毎日新聞  朝刊
評者: 伊東光晴(京都大学名誉教授・経済学)
2017-12-10 朝日新聞  朝刊
評者: 山室恭子(東京工業大学教授・歴史学)

重版情報

3刷 出来予定日: 2018-12-25
第61回(2018年度)「日経・経済図書文化賞」受賞。日本史の新たな扉を開く。

紹介

第61回(2018年度)「日経・経済図書文化賞」

奈良時代~近代初頭にいたる列島経済の展開を一望、最貧国水準を抜け出し、1人あたりGDPが着実な上昇に転じていく過程を、利用可能な数値の精査と多様な文献の活用により、災害・飢饉・環境・都市化なども視野に解明。はじめて日本の超長期GDP推計を実現し、日本史の新たな扉を開く。

目次

はしがき

序 章 超長期GDPとは何か
はじめに
1 本書の課題
2 本書の推計の考え方と方法
3 本書の構成
むすび

第Ⅰ部 農業生産量の推計

第1章 古代の農業生産量の推計
はじめに
1 耕作地面積の推計
2 土地生産性の推計
3 古代の農業生産量
4 古代の農業生産の背景
むすび

補論1 古代における耕作地の状況について

第2章 中世の農業生産量の推計
はじめに
1 土地資料による推計
2 需要関数による生産推計
3 中世の農業生産量とその背景
むすび

第3章 徳川時代・明治期初頭の農業生産量の推計
はじめに
1 推計の基本的な方針
2 石高系列の推計
3 推計結果の分析
むすび

第Ⅱ部 前近代社会における人口成長

第4章 全国人口の推移
はじめに
1 日本における人口調査の歴史と資料
2 古代・中世の人口推計
3 徳川時代・明治期初頭の人口推計
むすび

第5章 都市人口の推計
はじめに
1 古代・中世の都市人口推計
2 徳川時代・明治期初頭の都市人口推計
むすび

補論2 江戸の都市人口の試算

第Ⅲ部 非農業生産そしてGDPの推計と国際比較

第6章 徳川時代における非農業生産の推計
はじめに
1 推計の基本的な方針
2 資料とデータ
3 推 計
4 推計結果とその分析
むすび

第7章 前近代日本の超長期GDPの推計と国際比較
はじめに
1 データと推計の基本的な方針
2 推計と推計結果の分析
3 国際比較
むすび

終 章 超長期GDPからみた前近代日本の経済成長
1 前近代の経済成長とその実態――総括
2 今後の展望――むすびにかえて

付 録
参考文献
あとがき
初出一覧
図表一覧
索 引

前書きなど

天地は広いというけれども、わたしには狭くなったのだろうか。太陽や月は明るいというが、わたしのためには照ってくれないのだろうか。ひとは皆こうなのか、それともわたしだけこうなのだろうか。人として生まれて、人並みに働いているのに、綿も入っていない粗末な、海藻のように裂けてぼろぼろになった衣を肩にかけ、つぶれかかったような、倒れかかったような家のなかに、地面にじかに藁をしいて、父と母は頭の方に、妻と子は足の方に自分を囲むようにして、悲しみ嘆いている。かまどには火の気もなく、米を蒸す器には蜘蛛の巣がかかってしまい、飯をたくことも忘れはててしまった。ぬえ鳥のように、かぼそい力ない声で苦しみうめいていると、ひどく短いものの端をさらに切りつめるかのように、鞭をもった里長の声が寝床にまで聞こえてくる。こんなにもつらく、苦しいものなのだろうか、世のなかというものは。この世はつらく、消えてしまいたいと思うけれども、わたしは鳥ではないから、どこかに飛び去っていくこともできない。(山上憶良「貧窮問答歌」)


いまから1300年ほど前に律令国家の官人で歌人でもあった山上憶良が詠んだ「貧窮問答歌」には、破れた布服を着て狭い住居に暮らし、飯を炊く方法も忘れるほどに困窮した農民の姿が描かれている。この写実的な歌は、どれほどまで古代の人びとの暮らしの実態を反映しているのだろうか。その一方で、小野老が「あをによし奈良の都は咲く花の薫ふがごとく今盛りなり」と詠んだように、中央集権化を目指した律令国家によって建設された奈良の平城京では、王朝国家は本当に繁栄をきわめていたのだろうか。どうしようもないほどに貧しく描かれた私たちの祖先の大部分の人びとは、そして栄華をきわめた古代の貴族たちは、そしてその子孫たちは、その後、何らかの生産手段をもって営みを維持し、ときには破綻しながらも、時代をのりこえて現在の我々へと歴史を受けついできた。その間、いったいどのような生活の浮き沈みがあったのだろ
……
[「はしがき」冒頭より/注は省略]

著者プロフィール

高島 正憲  (タカシマ マサノリ)  (

1974年生
2006年 大阪大学大学院文学研究科後期博士課程中退
2014年 一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
日本銀行金融研究所アーキビスト、一橋大学経済研究所研究員などを経て、
現 在 東京大学社会科学研究所・日本学術振興会特別研究員PD、博士(経済学)

上記内容は本書刊行時のものです。