書店員向け情報 HELP
オルフェウス変幻
ヨーロッパ文学にみる変容と変遷
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年1月30日
- 書店発売日
- 2021年1月30日
- 登録日
- 2020年12月7日
- 最終更新日
- 2021年1月26日
書評掲載情報
2021-04-04 |
読売新聞
朝刊 評者: 栩木伸明(早稲田大学教授・アイルランド文学者) |
2021-03-20 | 朝日新聞 朝刊 |
MORE | |
LESS |
紹介
オルフェウスは絵画、オペラ、バレー、映画、さらには漫画にも登場する。亡き妻エウリュディケを求めて冥界に降りていった話は有名だが、その原話がどのように誕生し、伝承のなかで変容・変遷していったかは意外と知られていない。本書は、古代ギリシアから近代にいたる文学を渉猟しながら、伝説的な詩人の姿を跡づける。
目次
序論 オルフェウス像変遷の軌跡――古代から近代までの概観
はじめに
オルフェウス像の変遷概観――古代から近代まで
第一章 オルフェウスとは何者か、その正体をさぐる
――原初の詩人(Urdichter)としてのオルフェウス
一 実体・実像のとらえがたき存在
二 オルフェウスの「正体」は不明。その「原像」
三 オルフェウスとは何者だったのか
四 古典学者たちの提示するオルフェウス像
五 オルフェウスの「正体」ないしは「実像」
六 「冥府降り(katabasis)」について
七 「オルフェウス教」とオルフェウス
第二章 ギリシア文学に見るオルフェウス像
一 おぼろげな存在――アルカイック期・古典期
二 悲劇の中のオルフェウス
三 哲学者とオルフェウス――プラトン、散文作家たち
四 オルフェウス、文学の前面に登場す――ヘレニズム時代
第三章 ローマ文学におけるオルフェウス像
一 喪失者の悲劇――ウェルギリウスの描くオルフェウス
二 愛に生き愛に死んだ男の物語――オウィディウスの描くオルフェウス
三 ウェルギリウスの偽作「蚋」の詩と「冥府降り」
四 ホラティウスの歌ったオルフェウス
五 セネカの悲劇に見るオルフェウス
六 オルフェウスの教訓――ボエティウスと寓意的オルフェウス像の始まり
第四章 中世におけるオルフェウス
一 アポロギア――多様多彩なオルフェウス像
二 キリストとしてのオルフェウス
三 ラテン語詩に歌われたオルフェウス
四 ロマンスの中のオルフェウス
五 オルフェウス奇諏――ラウル・ルフェーヴルが物語る奇妙なオルフェウス
六 ギヨーム・ド・マショーの歌ったオルフェウス――『友のための慰め』に見るオルフェウス像
第五章 ルネッサンス詩文学におけるオルフェウス像
一 ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョとオルフェウス
二 ネオラテン詩人たちの歌うオルフェウス
三 ポリッィアーノ『オルフェオの物語』を覗く
四 ロンサールの詩に見るオルフェウス
五 スペンサーとミルトンにおけるオルフェウス
第六章 ヨーロッパ近代詩に見るオルフェウス像
一 近代的オルフェウス像の構築――リルケ『オルフォイスへのソネット』管見
二 「オルフェウス的詩人」ノヴァーリスについての寸言
三 バンヴィルとルコント・ド・リールの歌ったオルフェウス
四 ネルヴァルにおけるオルフェウスについて――『幻想詩篇』の詩二篇を一瞥する
五 ヴァレリーの詩「オルフェ」一瞥。付・マラルメについて一言
六 アポリネールとオルフェウス――『動物詩集』を垣間見る
七 北方のオルフェウス――プリューソフの詩に見るオルフェウス
最後に贅言
テクストおよび主要参考文献
あとがき
索引(人名/事項)
上記内容は本書刊行時のものです。