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オルフェウス変幻 沓掛 良彦(著/文) - 京都大学学術出版会
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オルフェウス変幻 (オルフェウスヘンゲン) ヨーロッパ文学にみる変容と変遷 (ヨーロッパブンガクニミルヘンヨウトヘンセン)

文芸
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A5判
縦216mm 横159mm 厚さ32mm
重さ 840g
558ページ
定価 5,400円+税
ISBN
978-4-8140-0307-5   COPY
ISBN 13
9784814003075   COPY
ISBN 10h
4-8140-0307-2   COPY
ISBN 10
4814003072   COPY
出版者記号
8140   COPY
Cコード
C1098  
1:教養 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年1月30日
書店発売日
登録日
2020年12月7日
最終更新日
2021年1月26日
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書評掲載情報

2021-04-04 読売新聞  朝刊
評者: 栩木伸明(早稲田大学教授・アイルランド文学者)
2021-03-20 朝日新聞  朝刊
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紹介

オルフェウスは絵画、オペラ、バレー、映画、さらには漫画にも登場する。亡き妻エウリュディケを求めて冥界に降りていった話は有名だが、その原話がどのように誕生し、伝承のなかで変容・変遷していったかは意外と知られていない。本書は、古代ギリシアから近代にいたる文学を渉猟しながら、伝説的な詩人の姿を跡づける。

目次

序論 オルフェウス像変遷の軌跡――古代から近代までの概観
 はじめに
 オルフェウス像の変遷概観――古代から近代まで

第一章 オルフェウスとは何者か、その正体をさぐる
    ――原初の詩人(Urdichter)としてのオルフェウス
 一 実体・実像のとらえがたき存在
 二 オルフェウスの「正体」は不明。その「原像」
 三 オルフェウスとは何者だったのか
 四 古典学者たちの提示するオルフェウス像
 五 オルフェウスの「正体」ないしは「実像」
 六 「冥府降り(katabasis)」について
 七 「オルフェウス教」とオルフェウス

第二章 ギリシア文学に見るオルフェウス像
 一 おぼろげな存在――アルカイック期・古典期
 二 悲劇の中のオルフェウス
 三 哲学者とオルフェウス――プラトン、散文作家たち
 四 オルフェウス、文学の前面に登場す――ヘレニズム時代

第三章 ローマ文学におけるオルフェウス像
 一 喪失者の悲劇――ウェルギリウスの描くオルフェウス
 二 愛に生き愛に死んだ男の物語――オウィディウスの描くオルフェウス
 三 ウェルギリウスの偽作「蚋」の詩と「冥府降り」
 四 ホラティウスの歌ったオルフェウス
 五 セネカの悲劇に見るオルフェウス
 六 オルフェウスの教訓――ボエティウスと寓意的オルフェウス像の始まり

第四章 中世におけるオルフェウス
 一 アポロギア――多様多彩なオルフェウス像
 二 キリストとしてのオルフェウス
 三 ラテン語詩に歌われたオルフェウス
 四 ロマンスの中のオルフェウス
 五 オルフェウス奇諏――ラウル・ルフェーヴルが物語る奇妙なオルフェウス
 六 ギヨーム・ド・マショーの歌ったオルフェウス――『友のための慰め』に見るオルフェウス像

第五章 ルネッサンス詩文学におけるオルフェウス像
 一 ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョとオルフェウス
 二 ネオラテン詩人たちの歌うオルフェウス
 三 ポリッィアーノ『オルフェオの物語』を覗く
 四 ロンサールの詩に見るオルフェウス
 五 スペンサーとミルトンにおけるオルフェウス

第六章 ヨーロッパ近代詩に見るオルフェウス像
 一 近代的オルフェウス像の構築――リルケ『オルフォイスへのソネット』管見
 二 「オルフェウス的詩人」ノヴァーリスについての寸言
 三 バンヴィルとルコント・ド・リールの歌ったオルフェウス
 四 ネルヴァルにおけるオルフェウスについて――『幻想詩篇』の詩二篇を一瞥する
 五 ヴァレリーの詩「オルフェ」一瞥。付・マラルメについて一言
 六 アポリネールとオルフェウス――『動物詩集』を垣間見る
 七 北方のオルフェウス――プリューソフの詩に見るオルフェウス
 最後に贅言

テクストおよび主要参考文献
あとがき
索引(人名/事項)

著者プロフィール

沓掛 良彦  (クツカケ ヨシヒコ)  (著/文

1941年長野県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。東京外国語大学名誉教授。専門は西洋古典文学。
主な著訳書
『サッフォー―詩と生涯』(平凡社、後に水声社)、『讃酒詩話』、『和泉式部幻想』(以上、岩波書店)、『陶淵明私記―詩酒の世界逍遥』(大修館書店)、『西行弾奏』(中央公論新社)、『エラスムス―人文主義の王者』(岩波現代全書)、『式子内親王私抄―清冽・ほのかな美の歌』、『人間とは何ぞ―酔翁東西古典詩話』(以上、ミネルヴァ書房)、『古代西洋万華鏡―ギリシア・エピグラムにみる人々の生』(法政大学出版局)、『ギリシアの抒惰詩人たち』(京都大学学術出版会)、『ピエリアの薔薇―ギリシア詞華集選』(水声社、後に平凡社ライブラリー)、『ホメーロスの諸神讃歌』(ちくま学芸文庫)、エラスムス『痴愚神礼讃―ラテン語原典訳』 (中公文庫)、オウィデイウス『恋愛指南―アルス・アマトリア』(岩波文庫)、『黄金の竪琴―沓掛良彦訳詩選』 (思潮社、読売文学賞受賞)、『ギリシア詞華集』全4冊(西洋古典叢書、京都大学学術出版会)、など

上記内容は本書刊行時のものです。