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ナチスの北欧幻想 デスピナ・ストラティガコス(著/文) - 草思社
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ナチスの北欧幻想 (ナチスノホクオウゲンソウ) 知られざるもう一つの第三帝国都市 (シラレザルモウヒトツノダイサンテイコクトシ)

歴史・地理
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発行:草思社
四六判
408ページ
定価 3,500円+税
ISBN
978-4-7942-2625-9   COPY
ISBN 13
9784794226259   COPY
ISBN 10h
4-7942-2625-X   COPY
ISBN 10
479422625X   COPY
出版者記号
7942   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年2月16日
書店発売日
登録日
2023年1月19日
最終更新日
2023年2月2日
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書評掲載情報

2023-03-11 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

ヒトラーは、北欧のフィヨルドに何を幻視していたのか。
今明かされる、「もう一つの第三帝国都市」の衝撃。

ナチスにとって、ノルウェー人はそのナチス的世界観の人種ヒエラルキーの頂点にある存在であった。そのため、ナチスはノルウェーをほかの占領地とは異なる扱いにしたにとどまらず、その地をもう一つの第三帝国の重要都市に改造するという、異様な建築・都市計画の構想を持っていた。

一方的にナチス様式を押し付けるのではなく、自発的に第三帝国の様式に染まるように仕向けるなど、ほかの占領国と全く異なる態度によって生み出された建築、都市インフラは、どのようなものであったのか。
また、ヒトラーをはじめ、シュペーア、ヒムラー、ゲッペルスといった要人たちは、計画に対してどのような思惑を抱いていたのか。
そのナチスの様々な計画に対して、現地ノルウェーの人々、なかでも建築家はどのような態度だったのか。
そして、その計画が現在に残したものとは、何か。

ノルウェーのアーカイブを利用して、スーパーハイウェイ、兵士の家、レーベンスボルン、ニュー・トロンハイムといった計画を詳細に読み解き、ヒトラーの構想した「もう一つの第三帝国」の全貌を明らかにする。

図版多数収録。


1 北欧を美化する過程:ナチス占領下のノルウェーに関するドイツの報道記録 

2 新秩序のノルウェー:スーパーハイウェイ(高速道路)からスーパーベビー(優等人種の子供たち)までのインフラ構築 

3 ドイツ人気質の島々:占領下のノルウェーにおける兵士の家 

4 ノルウェーの町のナチ化:戦時下の都市生活と環境の形成 

5 フィヨルドに築くゲルマン都市:ヒトラーのニュー・トロンハイム計画

目次

はじめに:フィヨルドを訪れたヒトラー
ノルウェーの峡湾にヒトラーは何を幻視したか/ナチスにおけるノルウェーの重要性/「ドイツ人よりも優れた血」

1 北欧を美化する過程:ナチス占領下のノルウェーに関するドイツの報道記録 
ナチスの記者が見たノルウェー/北方人種を頂点とするヒエラルキー/ノルウェーにおけるナチスの芸術政策/ドイツとノルウェーを伝統的建築で「結びつける」/現地の反応/慈悲深き支配の演出/イギリス、ユダヤ人、マルクス主義…/傀儡、クヴィスリング/「近づく極北」のイメージの裏で

2 新秩序のノルウェー:スーパーハイウェイ(高速道路)からスーパーベビー(優等人種の子供たち)までのインフラ構築 
搾取を投資が上回った占領地/トート機関/道路建設の意味/観光への期待/「美しきハイウェイ」を目指して/他占領国との違い/建設の契機/世界を結節する道/自然との関係性/北極圏鉄道構想/理念にささげられた身体/身体のインフラ:レーベンスボルン計画/レーベンスボルン施設の機能/平和が訪れたあと

3 ドイツ人気質の島々:占領下のノルウェーにおける兵士の家 
ゲッペルスの演説/兵士の家計画の推移/のけ者にされていたシュペーア/突然の打ち切り/設計の詳細/兵士の家に込められた「ドイツ的なもの」/装飾、美術へのこだわり/ノルウェーを排除するのか、受け入れるのか/コストと豪華さの間で/再び優先事項に

4 ノルウェーの町のナチ化:戦時下の都市生活と環境の形成 
美しく燃える都市/ノルウェーの建築家の計画/都市計画による民族共同体の実現/実力はあるが、信用できるか…/ペデルセンに対抗したい者/ナチスも認めざるを得なかった実力/ノルウェー人自身によるドイツ的計画を/ドイツへの視察旅行/計画案:モルデ/ナチスの意向を微妙に取り入れた修正/計画案:ナルヴィク/ペデルセンは結局どう立ち回っていたのか/ナチス側からの再構築/シュテファンが見たノルウェー/戦後

5 フィヨルドに築くゲルマン都市:ヒトラーのニュー・トロンハイム計画
ノルウェーへの新基地建設/基地を超えて広がる構想/新都市担当の座をめぐって/実現に向けた検討/シュペーアの訪問計画/「総統都市」としての計画/重要視されたトロンハイム/過酷な現場/占領者と被占領者の間で

結び:風景に残るかすかな痕跡
終戦/ドイツが遺した「未来へのインフラ」/記録が語り継ぐ/ナチスの幻想は本当に消え去ったか

著者プロフィール

デスピナ・ストラティガコス  (デスピナ ストラティガコス)  (著/文

デスピナ・ストラティガコス(Despina Stratigakos)
ニューヨーク州立大学バッファロー校建築設計学部教授。主な著書に、A Women's Berlin: Building the Modern City (University of Minnesota Press), Where Are the Women Architects? (Princeton University Press)、『ヒトラーの家』(作品社) がある。

川岸 史  (カワギシ フミ)  (翻訳

川岸 史(かわぎし・ふみ)
翻訳家。立教大学ドイツ文学科卒。『世界で一番美しい馬の図鑑』(エクスナレッジ)で2017年度JRA賞馬事文化賞受賞。主な訳書に『イマジン ジョン&ヨーコ』(ヤマハミュージックメディア)『アント・ワールド アリの世界』(ニュートンプレス)『建築する動物』『夜行性動物写真集』(ともにスペースシャワーネットワーク)『人生最後の食事』(シンコーミュージック・エンタテイメント)などがある。映像翻訳、コラム執筆も行う。

上記内容は本書刊行時のものです。