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「戦争孤児」を生きる 土屋 敦(著) - 青弓社
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「戦争孤児」を生きる (センソウコジヲイキル) ライフストーリー/沈黙/語りの歴史社会学 (ライフストーリーチンモクカタリノレキシシャカイガク)

社会一般
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発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ19mm
重さ 274g
248ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-7872-3500-8   COPY
ISBN 13
9784787235008   COPY
ISBN 10h
4-7872-3500-1   COPY
ISBN 10
4787235001   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月25日
書店発売日
登録日
2021年10月8日
最終更新日
2022年4月30日
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紹介

長く沈黙してきた当事者たちにインタビューをして、浮浪生活の実態や親戚宅での冷酷な処遇、教育・就職の困難など、これまでの歩みを浮き彫りにする。「戦争で親を失った子どもたち」が、抱え続けてきたスティグマとどう向き合い、自らを語るのかを検証する。

目次

はじめに

第1章 問題の所在
 1 本書の視座
 2 「戦争孤児」たちがたどった道程
 3 研究視座――ライフストーリー研究と「語りの産出/不在」を分析すること
 4 理論枠組み
 5 調査対象
 6 本書の構成

第2章 「戦災孤児」のメディア表象――敗戦後日本の自画像としての
 1 「戦災孤児」、浮浪児の飢餓と貧困
 2 「親がない子ども」をめぐる新聞記事件数の推移
 3 「慈しむべき哀れな孤児像」
 4 「不良化し犯罪化する危険な浮浪児像」
 5 「平和への祈願としての原爆孤児像」の形成
 6 「戦災孤児」たちの「親探し運動」と「親子再会の物語」

第3章 語りの制約――沈黙の背後にあるもの
 1 調査対象者の生活史と出身階層
 2 なぜ自分の「戦災孤児」経験を語れない/語れなかったのか
 3 「戦災孤児」だったことの沈黙
 4 語り始める契機

第4章 社会的信用の失墜と孤児たちの経験――浮浪生活、施設生活、親戚宅での生活をどのように語るのか
 1 「戦災孤児」というカテゴリーを付与されること
 2 疎開経験、空襲経験、親の死を知る
 3 浮浪生活(に至った経緯)/施設経験をどのように語るのか
 4 里親宅/親戚宅での生活をどのように語るか――いちばんつらい時期として
 5 自殺を考える
 6 他家での家族関係で先鋭化するスティグマ

第5章 「戦災孤児」を生きること――学校生活、就職、そしてその後の人生
 1 就学/進学
 2 就職
 3 体の不調
 4 「家族」をつくること、「子ども」をもうけることへの願いと拒否感
 5 その後の人生

第6章 「戦災孤児」から「戦争孤児」へ――カミングアウトと裁判
 1 アイデンティティの承認をめぐる闘争
 2 語りだすきっかけ
 3 「戦災孤児」から「戦争孤児」へ
 4 信念
 5 ライフストーリー産出をめぐる政治と闘争

終 章 沈黙と語りの歴史社会学
 1 社会的カテゴリーとしての「戦災孤児」「戦争孤児」
 2 承認をめぐる闘争とループ効果
 3 戦争社会学との接点
 4 「語りの不在」自体を問題にする視座
 5 戦争の記録、記憶、語りの継承
 6 東日本大震災の経験、子どもたちの脱スティグマ化のために

参考文献

あとがき

版元から一言

第2次世界大戦で親を失った戦災孤児・戦争孤児は、戦後70年にあたる2015年まで多くを語らず、「沈黙の半世紀」「沈黙の70年」を生きてきた。彼・彼女たちはなぜ沈黙してきたのか。これまでの人生で何を経験してきたのか。なぜいま、自らの足跡を語れるようになったのか。

これまで沈黙してきた戦争孤児の当事者たちにロングインタビューをおこない、浮浪生活、自殺を考えるほどの親戚宅での冷酷な処遇、教育にアクセスできない困難、就職の難しさ、家族をつくることの願いと拒否感など、これまで歩んだ生活実態を明らかにする。

戦争孤児が自らを語り、社会的な承認を求める契機になった東京大空襲集団訴訟などについての思いも聞き書きして、「戦争で親を失った子どもたち」が、抱え続けてきたスティグマとどう向き合い、自らの来歴をどのように語るのかを検証する。

著者プロフィール

土屋 敦  (ツチヤ アツシ)  (

1977年、神奈川県生まれ。関西大学社会学部教授。専攻は歴史社会学、福祉社会学、子ども社会学。著書に『はじき出された子どもたち――社会的養護児童と「家庭」概念の歴史社会学』、共編著に『孤児と救済のエポック――十六~二〇世紀にみる子ども・家族規範の多層性』(ともに勁草書房)、共著に『多様な子どもの近代――稼ぐ・貰われる・消費する年少者たち』(青弓社)、論文に「「保護されるべき子ども」と親権制限問題の一系譜――児童養護運動としての「子どもの人権を守るために集会」(1968-77年)」(「子ども社会研究」第23号)など。

上記内容は本書刊行時のものです。