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沖縄人として日本人を生きる 金城 馨(著) - 解放出版社
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沖縄人として日本人を生きる 基地引き取りで暴力を断つ

発行:解放出版社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ8mm
重さ 217g
128ページ
並製
定価 1,400円+税
ISBN
978-4-7592-6785-3
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年3月15日
書店発売日
登録日
2019年1月29日
最終更新日
2019年3月5日
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紹介

沖縄を虐げ続ける日本。何故?その関係性を大阪市大正区で暮らす金城馨は考え続ける。まず、「米軍基地を日本に引き取ってくれ!」と叫び声をあげるのだった。その思いをまとめた著。沖縄に共鳴する哲学者・高橋哲哉との対談も掲載。

目次

はじめに (しかた さとし)
第一部
沖縄と大正区 ―多数者の正しさという暴力に抗して― 金城 馨

沖縄が漂う大正区
 関西沖縄文庫はこんな場です
 海が大正区(大阪)と沖縄をつなげています
 具志堅という名前から考えてみます
 キンジョウですが本当はカナグスクです
 それでも生きていくんです
 一世と二世、三世の葛藤

ソテツも美味しく食べられます
 エイサー祭りをを始めたころ
 先人の間違いを共有する
 カナグスクと自分を取り戻す
 一つにならない祭りです
 沖縄の歴史をまなびましたか?
 武力による変更を止められますか
 ソテツはまずいか美味いか 美味しいか

追記
 まず自己防衛です
 壁が大切です
 異和共生というありかた
 沖縄の文化を収奪しないでほしい
 一つになることの怖さ

沖縄に基地がある
 怒りが抜けてしまう
 「県外移設」を言い切った沖縄
 日本の「沖縄差別」と向き合う
 普天間基地はなくならない
 沖縄にあるから基地はなくならない
 県外移設を議論することから
 対等な関係を作ることから始める

第二部
沖縄を差別してきたヤマト ―基地引き取り運動から見えてくるもの― 金城 馨/高橋 哲哉
 どうして沖縄から基地がなくならないのか
 沖縄の本音
 米軍基地をヤマトに戻すという選択
 沖縄を利用する平和運動
 考えない日本人の責任
 ヤマトは基地を引き取れるのか
 対等な関係を求めています
 新しい人たちが参加しています

対談を終えて― 高橋哲哉

エピローグ― 金城 馨
 ひとりごとあるいは貘との対話
 「人類館事件」からみる沖縄の米軍基地問題
 ふたたび ひとりごと、そして日本人への対話

おわりに― 金城 馨

版元から一言

 金城馨は大阪市大正区に暮らすうちなんちゅ。幼少の頃、家族で関西に移住してきた。日本社会という沖縄とは文化の違う世界で、沖縄人としてのアイデンティティを取り戻す苦闘を強いられた青春時代。一方、沖縄を隠そうとする親世代。最初、それに反発する。しかし親世代はまず生きていかなければとその選択をしたんだと金城は気づくのたった。お互いの違いを認め合っていこう!と近寄ってくる優しい日本人も沢山いた。でも中々、馴染めない。彼らは沖縄を知る気はないんだ、と気づき、まず沖縄人が呼吸しやすい居場所を作ろうと決意をする。日本人社会の中での生活に疲れてしまった沖縄人のシェルターとして関西沖縄文庫を1985年に設立する。マジョリティとの間に壁を作るんだ。違いを認め合うなんてきれいごとは多数者の言い分だ。そのためには、まず沖縄を守る空間が必要だ。そう考えた金城は、「異和共生」を唱える。お互いの違いをそのままにして共生する。そんなやり方もあるんだ。
 金城には、平和運動や教育現場で安易に沖縄を消費して欲しくないという気持ちもある。「何故、集会でエイサーを演じなくてはいけないんだ」。「エイサーの本来の意味を知っているんですか?」「エイサーは祖先の魂を祀るもの、見世物ではない」。集会参加を要請されたり、学校でエイサーの指導を頼まれるとその都度、相手を問い詰める。そこから見えてくるのは、市民運動に絡めとろうとする活動家の思惑だった。彼らにとって沖縄は、刺身のつま、添え物なんだ…嫌われてもいい。自分自身を偽ることはできない、と考えるようになった。
 沖縄を虐げ続ける日本。米軍基地の7割が沖縄に集中。小さな島でしかない沖縄に何故、こんな重たい負担をおしつけるのか?
 その関係性を金城は考え続ける。行き着いた先で、「まず米軍基地を引き取ってくれ!」と叫び声をあげるのだった。戦後、日本列島の各地に建設される米軍基地。しかし住民の粘り強い反対運動が各地で始まる。このままでは反米意識が日本中に広まるんじゃないかと考えた政府とアメリカ。当時、沖縄はアメリカによって統治されていた。日本人が知らない間に、いや、無関心でいる間に米軍基地は沖縄に押しつけられた。
 沖縄はなぜこれほどまでに日本に虐げ続けられなくてはならないのか。金城は叫ぶのだった。「米軍基地を日本に持って帰って下さい」。この声を最初に拒否したのは、いわゆる平和運動家たちだった。
 日本の8割は日米安保体制を指示しているという現実。平和運動を担っている活動家には、この8割の存在が見えていないのだ、と金城は気づくのだった。哲学者・高橋哲哉は、この米軍基地を引き取る活動に共鳴する。共鳴する金城馨と高橋哲哉の対談も所収。
 何故、運動がだめになったのか。反戦平和運動を再生産するのではなく、ただ上書き保存を続けるだけの運動では沖縄から米軍基地は無くならない。安保体制を認めている大多数の日本人が沖縄の現実を知り、公平な負担を考え、解決する議論を始めないと基地はなくならない。今、引きとる行動は、各地に広がりつつある。沖縄と日本を考え直すもう一つの視点を与えてくれる著。

著者プロフィール

金城 馨  (キンジョウ カオル)  (

金城 馨(キンジョウ カオル)
1953年、沖縄県コザ市(現沖縄市)生まれ。1歳で兵庫県尼崎市に家族で移り住む。県立尼崎北高校卒。1985年、大阪市大正区に沖縄関係の図書を集めた「関西沖縄文庫」を開設。75年から同区内で「エイサー祭り」を続ける沖縄青年の集い「がじまるの会」創設メンバー。

高橋 哲哉(タカハシ テツヤ)
1956年、福島県生まれ。哲学者。東京大学大学院総合文化研究科教授。最近の主な著書『犠牲のシステム―福島・沖縄』集英社新書、2012年。『デリダ―脱構築と正義』講談社学術文庫、2015年。『沖縄の米軍基地―「県外移設」を考える』集英社新書、2015年。

上記内容は本書刊行時のものです。