書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
誰にも聞けない短歌の技法Q&A
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年6月
- 書店発売日
- 2018年5月27日
- 登録日
- 2018年3月7日
- 最終更新日
- 2018年5月25日
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2018-09-10 |
MORE | |
LESS |
紹介
短歌を始めて数年経つが、このところ今ひとついい歌が作れない、マンネリを感じる、今のままででいいのか、等々の悩みを持つ短歌実作者の質問に、現代活躍中の歌人9名がそれぞれの得意分野について、その具体的解決法を提示し答えます。旧仮名遣い・文語文法・写生・作中主体・比喩・オノマトペ・韻律など作歌に欠かせないポイントは全て網羅した、ステップアップ指南書です。
前書きなど
この本を読まれる方へ
短歌という森に分け入ってずいぶん経ちます。森とはいいながらも細い遊歩道が走り、その遊歩道もいろいろに分岐しています。進むにつれて花は種類と数を増し、鳥獣も見え隠れしてきます。日々短歌を求め、楽しみながら歩いている道ですが、立ち止まると疑問も湧き、小さな不安も湧かないでもありません。そういう時には一人で考えたり仲間と議論したり先人に尋ねたりいろいろしたものです。こういうポイントをカバーするような一冊が身近にないものだろうか、と時に思います。
そんな発想からこのコンパクトな本は編まれています。作歌を初めて数年、森から少し入ったところで、ときどき立ち止まる、そんなときの道しるべを目指しています。
十人でそれに取組みました。このメンバーはこれまで、多くの短歌を読み、作り、学び、考え、楽しみながらそれぞれのプロセスの中で、工夫してきました。疑問点について自問自答もしました。先人の著作に解を求めたり、先輩に直接尋ねたりもしました。短歌と共に生きるとは、そういうプロセスの連続に違いありません。この本ではこのメンバーがこれまでに自らに問うたり訊かれたりしたことをベースに50の「Q」を集めました。
このメンバーは同一の結社や作歌集団に所属するものではありません。作歌の技法はそれぞれの信じるところに拠っています。したがって、偏りはありません。職業も、大学や高校の教員、公務員、経営者、ビジネスマン、画家とさまざまであり、著作も多方面に亘っています。共通するのは、それぞれ、長いこと短歌を愛し、楽しみ、考究してきたことです。
ここでは全員協力して得意分野について分担執筆しました。このQ&Aの中には執筆者の初心の頃からの、いわゆる永遠のテーマもありますが、同時に、今日的なものもあります。そして、それぞれが今日現在関係する、教室やカルチャーセンターでの「生きたQ」を厳選して編成しました。ここでの「A」は各人が長期間にわたって短歌を読み、作り、批評し、つまり愛してきた時間の集大成です。仮に平均のキャリアを少なめに三〇年と見立てても、三〇〇年分! の体験からのお答えになるという次第です。
短歌は楽しく、素晴しい友です。生涯のベストパートナーです。
この一冊が皆さまの中で根付き膨らんでくれることを願ってやみません。
二〇一八年春 日本短歌総研 依田仁美
上記内容は本書刊行時のものです。