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東南アジアと「LGBT」の政治 日下 渉(編著) - 明石書店
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東南アジアと「LGBT」の政治 性的少数者をめぐって何が争われているのか

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発行:明石書店
A5判
392ページ
上製
価格 5,400円+税
ISBN
978-4-7503-5164-3   COPY
ISBN 13
9784750351643   COPY
ISBN 10h
4-7503-5164-4   COPY
ISBN 10
4750351644   COPY
出版者記号
7503   COPY
 
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年4月15日
書店発売日
登録日
2021年2月8日
最終更新日
2021年5月19日
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書評掲載情報

2021-06-05 毎日新聞  朝刊

紹介

東南アジアでは多様なジェンダーや性が歴史的に存在してきた一方で、西洋発のLGBT運動は彼らの多くを支配的な規範に包摂されつつ周縁化するきらいがある。本書はそのような現状を議論し、欧米の規範に画一化されない性の多様性への新たな理解を開く。

目次

序章 性的少数者をめぐって何が争われているのか――東南アジアの視座から[日下渉・伊賀司]

第一部 性的少数者の名前と表象

第一章 性の多様性を表す語彙――少数派の名づけと名乗り[今村真央]
第二章 現代東南アジアにおける性的少数者映像、その類型化の試み[坂川直也]

第二部 国民・宗教・家族による排除

第三章 反LGBT運動化するインドネシアの精神医学[岡本正明]
第四章 希望連盟政権下のセクシュアリティ・ポリティクス――「新しいマレーシア」の下でも進まなかった性的少数者の政治・社会的包摂[伊賀司]
第五章 「侵略者」と戦うフィリピン・カトリック教会――「性・生殖・家族」をめぐるナショナリズム[宮脇聡史]

第三部 資本主義による条件付き包摂

第六章 冷戦期タイにおける性的少数者の空間形成――パッタヤー歓楽街を事例として[日向伸介]
第七章 シンガポールにおける性的少数者の人権と市民社会[田村慶子]

第四部 家族・国民への条件付き包摂

第八章 ベトナムは「性的少数者に寛容」なのか?――同性婚と性別変更にみる政策変容と社会規範[小田なら]
コラム ラオスの首都ビエンチャンにおける、男性同性愛的欲望を持つ人々に関する研究へ向けて[大村優介]

第五部 「公式の政治」が招く齟齬・分断・排除

第九章 現代ミャンマーにおけるLGBT権利擁護運動の展開と性的少数者の地位の変容[小島敬裕]
第一〇章 公共の権利、日常の尊厳、親密な悲しみ――フィリピンにおける「LGBT」と「バクラ」[日下渉]
第一一章 排除される「人権」/包摂される「ダイバーシティ」――大阪市における「同性パートナーシップ宣誓制度」の制定過程から[新ヶ江章友]

第六部 「日常の政治」によるもう一つの「解放」

第一二章 カンボジアの性的少数者たち――外からの影響と内から生み出される運動[初鹿野直美]
第一三章 教会にかかる虹――インドネシアキリスト教会と性的少数者[北村由美]
終章 性的なことは政治的The Sexual is Political――市場・国家・宗教・人権・生存を問う「LGBT」[青山薫]

 あとがき[日下渉]
 索引
 著者情報

前書きなど

序章 性的少数者をめぐって何が争われているのか――東南アジアの視座から[日下渉・伊賀司]

 (…前略…)

4 本章の構成
 最後に、これらの議論を支える各章の内容を紹介しよう。まず第一部では、性的少数者の呼び名と映像表象をめぐる政治に焦点を当てる。(……)
 各国の事例研究は、多様な読みに開かれているが、ここでは性的少数者への包摂と排除の動態に着目して、グループ分けをした。
 第二部では、支配勢力が、国民・家族・宗教を絡み合わせて「善き市民」を定義し、性的少数者を排除する論理と実践を取り上げる。(……)
 第三部では、資本主義が、いかに「善き市民」を包摂的にするのかに着目する。(……)
 第四部では、家族を構成する「愛」やナショナリズムを訴えて、「善き市民」への参画を求めるLGBT運動に焦点を当てる。(……)
 第五部では、性的少数者の権利を求める公式の政治が、当事者のニーズから乖離したり、新たな分断や排除を生み出す危険に着目する。(……)
 終章(青山薫)は、主に地域研究者の手による各章の議論を、ジェンダー・セクシュアリティ研究の視座から整理する。そして、「LGBT」という言葉が様々な形で政治利用され、承認と権利の希求と獲得が性的少数者の間でも不均衡に行なわれてきた結果、そこに従来込められていた「連帯」の意味が「分断」を象徴するものにかわりつつあると論じる。(……)

著者プロフィール

日下 渉  (クサカ ワタル)  (編著

名古屋大学大学院国際開発研究科
フィリピン地域研究、政治学
博士(比較社会文化)
“Disaster, Discipline, Drugs and Duterte: Emergence of New Moral Subjectivities in Post-Yolanda Leyte,”in Ethnographies of Development and Globalization in the Philippines: Emergent Socialities and the Governing of Precarity, Koki Seki ed., Routledge, 2020.
「ソーシャルメディアのつくる「例外状態」──ドゥテルテ政権下のフィリピン」、見市建・茅根由佳編『ソーシャルメディア時代の東南アジア政治』、明石書店、2020年。
『21世紀東南アジアの強権政治――「ストロングマン」時代の到来』共編著、明石書店、2018年。
Moral Politics in the Philippines: Inequality, Democracy and the Urban Poor, National University of Singapore Press and Kyoto University Press, 2017.
『反市民の政治学──フィリピンの民主主義と道徳』法政大学出版会、2013年。

青山 薫  (アオヤマ カオル)  (編著

神戸大学神戸大学大学院国際文化学研究科
社会学、ジェンダー/セクシュアリティ研究
博士(社会学)
『「セックスワーカー」とは誰か──移住・性労働・人身取引の構造と経験』大月書店、2007年。
Thai Migrant Sex Workers from Modernisation to Globalisation, Palgrave/Macmillan, 2009.
“Researchers, Gatekeepers and Participatory Action Research in Japan’s Sex Industry,” in International Handbook of Sex Industry Research: New Directions and Perspectives, Dewey, S., Crowhurst, I. and Izugbara, C. eds., Routledge, 2018.
「それほど新しくない『新しい家族』――同性婚の保守性・革新性」、落合恵美子編『どうする日本の家族政策』ミネルヴァ書房、2021年(近刊)。

伊賀 司  (イガ ツカサ)  (編著

京都大学東南アジア研究所
政治学、地域研究
博士(政治学)
「ナジブ・ラザクとマレーシアのソーシャルメディアの10年(2008-2018年)」、見市建・茅根由佳編『ソーシャルメディア時代の東南アジア政治』明石書店、2020年。
「2018年マレーシア総選挙における希望連盟(PH)のメディア・コミュニケーション戦略」、『社会科学(同志社大学人文科学研究所)』49巻2号、2019年。
「活性化した社会運動と市民社会の変貌」、中村正志・熊谷聡編『ポスト・マハティール時代のマレーシア――政治と経済はどう変わったか』アジア経済研究所、2018年。
「現代マレーシアにおける「セクシュアリティ・ポリティクス」の誕生――1980年代以降の国家とLGBT運動」、『アジア・アフリカ地域研究』17巻1号、2017年。
「マレーシアにおけるメディア統制と与党UMNOの起源――脱植民地期のマレー語ジャーナリズムと政治権力」、『東南アジア研究』55巻1号、2017年。

田村 慶子  (タムラ ケイコ)  (編著

北九州市立大学法学部
国際関係論、東南アジア地域研究
博士(法学)
「シンガポールの国家建設――〈脆弱な都市国家〉の権威主義体制の成立と継続」、田中明彦・川島真編『20世紀の東アジア史 第3巻』東京大学出版会、2020年。
「ジェンダー」、川中豪・川村晃一編『教養の東南アジア現代史』ミネルヴァ書房、2020年。
『マラッカ海峡――シンガポール、マレーシア、インドネシアの国境を行く』共編著、北海道大学出版会、2018年。
『シンガポールの基礎知識』めこん、2016年。
『多民族国家シンガポールの政治と言語――「消滅」した南洋大学の25年』明石書店、2014年。

上記内容は本書刊行時のものです。